スマートハウス、HEMS通信規格、PLC

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PLCって何?

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(Panasonic http://panasonic.jp/p3/plc/ より)

PLCとは、Power Line Communicationの略で、日本語では「高速電力線通信」と呼んでいます。これは電力線を通信回線として利用する技術のことです。PLCの技術を用いることで、新たなケーブルを配線する必要もなく、安価で手軽に通信網を構築することが出来ます。

電気コンセントにPLCモデムという通信用アダプタを設置することで数Mbps~数百Mbpsのデータ通信ができます。

日本ではインターネットの黎明期(2002年ごろ)、ブロードバンド通信の引き込み線として、既存の電力線を使用する方法が考えられたこともあります。漏洩電磁波や医療機器への影響が心配され、実際には実現しませんでした。その後2006年に屋内利用に限って規制が緩和され、PLC対応製品が各社より発売されるようになりました。

PLCの仕組み

家庭に供給される交流電流は、関東では50Hz、関西では60Hzです。50Hzは一秒間に50個の波の山と60Hzは 60個の波の山と考えると、電力の波は、信号としては変化が遅くて大きいものです。しかし、映像や音声などの情報は、非常に速くて小さな波で送られています。この大きさも速さも違う2つの波を同時に送る技術がPLCの技術で、交流電力(50/60Hz)の電力線に、2~30MHzの周波数の高周波搬送波信号を幾重にも重ねることによって高速通信用信号伝送を実現しています。

PLCで使用する周波数帯域には、下図のように450Hz以下の低速PLC、2MHz以上の高速PLCがあります。

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(Egretcom株式会社 http://www.egretcom.com/plc/ より)

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(MST http://www.m-system.co.jp/mstoday/plan/iandn2/2007/03/index.htm より)

実際には、ネットワークにつないで使用したい機器にPLCモデムを接続し、コンセントに差し込むだけでシステムの構築は完了します。PLCモデムが電力線から情報信号だけを取り出して機器に送ることで電力線がネットワークとして機能します。

通信規格

PLCの規格は、HDPLC、HomePlug AV、UPA等があります。変調方式や暗号技術が異なっているためそれぞれには互換性がありません。従って、同じ電力線で混在させた場合にはノイズ源となったり、最悪、通信不能になったりします。

HDPLC(High Definition-Power Line Communications)はパナソニックが提唱して、日本で一番利用されている規格です。変調方式にはWavelet OFDM/PAM、暗号技術にはAES 128bitを採用しています。理論上の最大通信速度(PHYレート)は190Mbps、実効速度(TCP)は最大55Mbps程度のようです。

HomePlugは、米国にある「HomePlug Powerline Alliance」という団体が標準化や普及推進を行っている規格です。変調方式にはOFDM/QAM、暗号技術にはHD-PLCと同じAES 128bitを採用しています。PHYレートは最大200Mbps、実効速度(TCP)は最大55Mbps程度のようです。

UPAはスペインDS2が中心となって設立したUPA (Universal Powerline Association) という団体で作られた規格です。使用可能な周波数帯域を狭めていないため、こちらのPHYレートは最大200Mbps、実効速度(TCP)は最大60Mbpsです。3つの規格の中では最も速くなっています。変調方式はHomePlugと同じOFDM/QAMですが、暗号技術には3DESを採用しています。

使用するに当たって

実際の機器を使用するに当たっては、前述のように規格が違うと互換性がありませんので規格の違う危機を混在させないことが大事です。また、以下のことにも配慮する必要があります。

① 各機器が同一帯域内を利用するバス型トポロジー(※1)であるため、同一帯域内に多数の機器を接続すると通信衝突が起こり、データ通信ができなくなる可能性があります。
② コンセントにはノイズフィルターを使用することをお勧めします。例えば、充電器やモーターを使用する機器からは電気ノイズが発生し、PLC機器の通信速度を低下させるなどの影響があるからです。

ノイズが発生する可能性のある機器

充電器(携帯電話の充電器を含む)

ACアダプタ(モデム、ルータ、ノートパソコンなど)

調光機能付き照明器具

タッチランプ

インバーター機器

掃除機

ヘアードライヤー

ジューサーミキサー

電気ドリル

(NECのWi-Fiルータ・モバイルルータ製品情報サイトhttp://121ware.com/product/atermstation/special/plc/page2.html より)

ノイズについては、下図のように低速PLCではS/Nが大きく、高速PLCの帯域ではS/Nが少ないという特徴があります。つまり、低速ではノイズの影響が少なく、高速ではノイズの影響を大きく受けるということになります。

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(Egretcom株式会社 http://www.egretcom.com/plc/ より)

③ 家庭内電力線(単相三線式100V配線)はL1相・L2相からなるため、L1相に接続された電力線とL2相に接続された電力線間(異相間)の通信の場合、同相間の通信に比べて信号が減衰し易い性質があり、状況によっては通信ができない可能性があります。

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(NECのWi-Fiルータ・モバイルルータ製品情報サイトhttp://121ware.com/product/atermstation/special/plc/page2.html より)

④ フィルター内蔵のテーブルタップ、雷サージ対応のテーブルタップ、OAタップ(テーブルタップ)なども通信速度を減衰させる原因となります。

 

※1「バス型トポロジー」とは、下図のように複数のノードを1本の媒体で接続する形態を指します。 1本のケーブルを共有するため、ケーブルの断線が、ネットワーク全体に障害をもたらします。また、ノード数が増えるほど衝突の発生率が高くなります。

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(@network Cisco・アライド実機で学ぶ http://atnetwork.info/tcpip/tcpip15.html より)

ちなみに、ネットワークトポロジー(コンピュータネットワークの接続形態)にはバス型の他にスター型、リング型、メッシュ型などがあります。

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(@IT http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0803/13/news134_2.html より)

 

 

 

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