WiGig(IEEE802.11ad)

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WiGigとは

WiGigはWireless Gigabitから付けられた名前で、60GHz帯を利用し、最大7Gbpsの高速通信を実現する無線通信規格です。通信規格のIEEE802.11adをベースにしています。

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(Tektronix  www.tektronix.com/ja www.keithley.jp/ より)

Wi-Fiで使用する2.4GHzや5GHz帯に比べて、広い電波を使えることが特徴です。日本では59~66GHzが使用可能で、2.16GHzの周波数帯の4チャンネルを使って通信ができます。これは2.4GHz帯を使ったWi-Fiの約100倍、5GHz帯を使ったWi-Fiの約12.5倍という広さのチャンネル帯域で、そのため高速通信が実現できます。さらに60GHz帯は、グローバルで使用可能で免許不要というメリットもあります。

一方で、60GHz帯の電波は周波数が高いため、伝搬損失が大きいこと、さらに波長が5mmと短いため直進性が高く、室内の壁どころか人体等でも遮断されて電波が届きにくいといったデメリットもあります。そこで、「ビームフォーミング」(※1)という技術を使って電波に方向性を持たせたり障壁を回避させたりして室内などでの近距離で機器間通信を行うようにしています。WiGigはWi-Fiほどの通信距離はなく、約10mが通信範囲です。

(※1)電波を細く絞って、特定の方向に向けて集中的に発射する技術です。

WiGig の規格の標準化

2009年5月に発足した業界団体Wireless Gigabit Alliance(ワイヤレス・ギガビット・アライアンス)が、「WiGig」の標準化や認定プログラムの策定作業を行っていましたが、2013年に「Wi-Fi Alliance」に吸収され、現在は、Wi-Fi Allianceが、技術の拡張や、認定プログラムの策定作業を引き継いでいます。WiGig機器では、Wi-Fiとのシームレスな連携を可能にするための標準化が行われており、電波の届きにくいところでは従来の2.4GHz帯/5GHz帯のWi-Fiを使い、近距離では60GHz帯のWiGigに自動的に切り替わる製品が登場するものと思われます。

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(Tektronix  www.tektronix.com/ja www.keithley.jp/ より)

WiGigの法的課題

総務省はWiGigの普及に当たって、現行の法的規制が障害になるとして、「情報通信審議会情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会~60GHz帯無線設備作業班~」において、今年の3月27日に次のような報告をまとめています。

(1) 空中線電力の緩和

現行の空中線電力は、10mW以下としているが、諸外国と同様に一定のEIRP規定を条件に空中線電力の増力を認めることにより、家庭、オフィスやホールなどにおける通信端末間の通信距離の拡大が可能。

(2) 占有周波数帯幅の許容値の規定緩和

現行の占有周波数帯幅の許容値は、2.5GHz以下としているが、国際標準規格等における広帯域利用にも適合できるよう、諸外国と同様に規定を緩和することにより、より柔軟なシステムの構築が可能となる。 wigig_003_R(情報通信審議会情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会~60GHz帯無線設備作業班~報告(案)概要 http://www.soumu.go.jp/main_content/000358288.pdf より)

WiGig活用事例

〇 Qualcomm

Qualcommの自社イベントで買収したばかりのイスラエルのWilocityの開発した技術をもとに、WiGigの通信モジュールが内蔵されているPC、およびWiGigのコントローラが内蔵されているSnapdragon 810内蔵タブレットと、WiGigのアクセスポイントを使って、アクセスポイントとPC間を1Gbpsを超える速度で通信するデモが公開されました。

〇 日本ヒューレット・パッカード

日本ヒューレット・パッカードは2015年1月に企業向けに、タブレットにもPCにも使用可能な「Elite x2 1011 G1」を発表しました。これにはWiGig(IEEE 802.11ad)対応の「HP アドバンスド無線ドッキングステーション」が用意されています。このアドバンスド無線ドッキングステーションは、Displayport×2、USB 3.0×4、ギガビットEthernet、音声入出力端子を搭載し、タブレットPCでありながらノートPCとして十分に使える性能と拡張性を実現しています。

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(日本ヒューレットパッカードhttp://www8.hp.com/jp/ja/products/gateway/tablet/business/index.html?sisearchengine=130&siproduct=kojin_aff_ASCII より)

〇 米Dell

wigig_007WiGig規格に準拠するIntelのWireless Docking技術を利用した無線式のノートPC用無線ドッキングステーション「Wireless Dock」を発売しました。USB 3.0×3、USB 2.0×2、Gigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピン、HDMI、Mini DisplayPort、音声入出力端子を装備しており、ノートPCと数Gbpsの帯域で接続され、ノートPCをそばに置くだけで、ドッキングステーションに接続した周辺機器を利用できます。ディスプレイも同時に2台接続できます。

DELL http://accessories.apj.dell.com/sna/productdetail.aspx?c=jp&l=ja&s=dhs&cs=jpdhs1&sku=452-bbwo より)

 

将来的には、スマートフォンや、タブレットや、パソコンなどの通信端末と、それを接続する相手となるTVや、ディスプレイなどで、この規格に対応した製品が販売されることが予想されます。さらに、現在、TVとブルーレイレコーダーを接続するために利用されているHDMIケーブルや、パソコンと周辺機器との接続に利用されている各種のケーブルに代わって利用されることが予想されます。

 

 

 

 

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