WiGig認証プログラム

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WiGig(IEEE 802.11ad)認証プログラム

Wi-Fi Alliance の2016年10月24日付けニュースリリースに、「Wi-Fi CERTIFIED WiGig™ brings multi-gigabit performance to Wi-Fi® devices」とのタイトルで、60GHz帯の無線LAN国際規格「WiGig (Wireless Gigabit、IEEE 802.11ad)」製品への認定プログラムの実施を公表しました。 実は、WiGig認定ロゴは2013年9月に発表され、2013年4月の時点では2014年中に認定プログラムの提供を開始する予定でしたが、その後2015年前半に、さらに2016年初頭にと延び延びになっていました。そして今回ようやく認証プログラムを開始することになったようです。 報道によればこのように何度も延期になってきた理由は、60GHzを使う無線LANは新しい技術で、想定以上に各社が開発に手間取っていたからとのことです。

WiGig  Alliance

WiGigは、2009年に大容量の高速通信を行える無線通信規格として、Microsoft、Intel、NEC、パナソニックなど業界15団体が集まって立ち上げた「Wireless Gigabit(WiGig) Alliance」によって作られたものです。その後IEEEでIEEE 802.11規格に取り込まれて標準化され、2013年3月にはWi-Fi AllianceがWiGig Allianceを統合しました。そして、Wi-Fi Allianceが、技術の拡張や認定プログラムの策定作業を引き継ぎました。WiGigはWiGig Allianceのブランド名で規格名がIEEE 802.11adとすべきかもしれませんが、今は同義語として使われているようです。

WiGigの主な特徴

WiGigはWi-Fiで使われている2.4GHz・5GHzという周波数帯ではなく、ライセンス不要の60GHzという非常に周波数の高いミリ波の帯域を使っています。周波数の高い電波は多くのデータを送れる半面、伝送距離が短く障害物に弱いというデメリットがあります。ですので、WiGigの用途としては10mほどの近距離での高速データ通信が考えられています。

wigig2016_3_r(キーマンズネット http://www.keyman.or.jp/at/30008633/ より)

この60GHz帯では、広い帯域幅を利用できるという特徴もあります。IEEE 802.11acは最大160MHzですが、WiGigでは4つのチャンネルが規定され、チャンネル幅は2.16GHzとなっています。

wigig2016_1_r(http://buffalo.jp/products/catalog/network/11ac/concept.html より) wigig2016_2_r(Club-Z http://www.zuken.co.jp/club_Z/z/EMC_micro/005/emc_micro_150219-1.html より)

また、PAL(Protocol Adaptation Layer)を用意することで、HDMI、DisplayPort、USB、PCI Expressといったインターフェイスを無線環境に実装できます。 ※WiGigについてはこちらものページも参照。

電波法施行規則の改正

ところで、日本での60GHz帯の利用にあたっては、これまで電波法施行規則等の省令がネックになっていて、業界からは、欧米等の技術基準との調和を図るため、空中線電力や占有周波数帯幅の許容値等の見直しが求められていました。

wigig2016_4_r(「60Ghz帯の周波数の電波を利用する無線設備の高度化に係る技術的条件」の検討開始について平成26年11月21日総合通信基盤局電波部移動通信課http://www.soumu.go.jp/main_content/000325912.pdf より)

そこで、平成27年11月に下記のように電波法施行規則の一部が改正されました。

(1) 空中線電力の増力

10mW 以下 → 250mW 以下(空中線電力が10mW 超の場合、EIRP40dBm 以下)

*EIRP(dBm)=空中線電力(dBm)+アンテナ利得(dBi)

(2) 占有周波数帯幅の拡大

2.5GHz 以下 → 9GHz

(3) その他技術基準の見直し

空中線電力が10mW 超のものはキャリアセンス機能を具備する事

WiGigの利用形態

コンシューマ機器では高画質(HD)ビデオ伝送やHDMIケーブルを無線化する製品が販売されています。2013年にDell社がWiGig搭載(Triバンド)モバイルPCとWireless Docking Stationを日本でも販売しています。 インテルの「Tri-Band Wireless-AC 18260」はWiGigに対応した通信カードで、2.4GHz、5GHz、60GHzをサポートするトライバンド(Tri-Band)カードです。IEEE 802.11a/b/g/n/ac、WiGig、Bluetooth v4.1の機能を備えており、レノボの「ThinkPad X1 Carbon」や「ThinkPad T460s」はこのTri-Band Wireless-AC 18260を搭載することでWiGig対応になります。HPのノートPC「HP Elite x2 1012 G1」もWiGigに対応です。こうした製品はWiGigをドッキングステーション接続に利用することを想定しています。

ソニーのHDMIケーブルを無線化したヘッドマウント・ディスプレイHMZ-T3Wやプレーヤとプロジェクタ館を無線化したエプソンのホームビデオプロジェクタEH-TW8200Wなども60Ghz帯無線システムを活用したものです。また、2016年2月にパナソニックは成田空港で、120分の動画を約10秒でダウンロードというWiGigを使用した動画配信のWiGigスポットの実証実験を行っています。 wigig2016_5_r (60GHz帯の利用シーンと規則改正案 2014/12/19 インテル株式会社 http://www.soumu.go.jp/main_content/000331035.pdf より)

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