Wi-Fi HaLow

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Wi-Fi HaLow

Wi-Fi Allianceが、IEEE 802.11ahを利用する新規格の名称を「Wi-Fi HaLow」という名称に決定したことがCES 2016の開催に合わせる形で発表されました。「Wi-Fi HaLow」のHaLowはHaloとLowを合わせた造語のようで「ヘイロー」と呼ぶようです。

Haloは日本語では「後光」とか気象用語の太陽や月にかかる「暈」といった意味がありますが、IEEE 802.11ahの特徴である広い通信範囲を、Haloに重ね合わせたものと思います。また、Lowは低消費電力を表しており、従来よりも少ない消費電力で、ワイヤレスデバイスの通信距離をおよそ2倍に拡大できるというもう一つの特徴を表しているようです。Wi-Fi HaLow規格は2018年に実用化予定とのことですので、実際の製品が登場するのは再来年あたりになるようです。

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(http://mwrf.com/active-components/what-s-difference-between-ieee-80211af-and-80211ah より)

802.11ah

802.11ahはIoT/M2Mを想定した規格で、2010年から標準化活動が開始されており、プロジェクト設立時の目標仕様は、

① OFDM変調方式(※1)を用いる

② 1GHz以下の無線周波数を用いる

③ IEEE 802.15.4g規格(※2)と共存できる

④ 1kmまでの伝送距離と150kbps以上の転送速度

となっています。

従来のWi‐Fiと同じように、免許無しで使えるよう各国で周波数帯の割り当てを行っており、アメリカは902MHzから928MHzが割り当てられ、最大帯域幅は16MHz、日本は周波数帯が916.5MHzから927.5MHzが割り当てられ、チャンネルは幅1MHzで11チャンネルとなっています。各国のサブギガ(900MHz)帯域は次の通りです。

日本: 916.5~927.5 MHz

米国: 902~928 MHz

韓国: 917~923.5 MHz

欧州: 868~868.6 MHz

中国: 314~316、430~434、470~510、779~787 MHz

チャネルあたり帯域は1MHz,2MHz,4MHz,8MHz,16MHzと様々で、地域によって異なるようです。ちなみにWi‐Fi はチャネルあたり20MHzです。日本は前述のように11 チャネル、最小出力は1mW、最大出力は ch=5, 6, 7 のみ 250mWとなっているようです。チャネルボンディングについては不明です。

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(http://mwrf.com/active-components/what-s-difference-between-ieee-80211af-and-80211ah より)

(※1)OFDM とは Orthogonal Frequency-Division Multiplexing の略で、複数の搬送波に複数の情報を乗せて送る「マルチキャリア伝送」の一方式で、狭い周波数帯に複数の搬送波を詰めこんで送信できることが特徴です。

(※2)IEEE802.15.4gはスマートメーターの通信を目的とした通信方式の一つで、日本では920MHz帯となっています。ZigBeeのベースとなっているIEEE802.15.4の物理層を変更した拡張規格です。スマートメーターでの利用を考え、変調方式の追加(O-QPSK、GFSKにOFDMの追加)、周波数帯の拡張、データサイズの拡張(パケットサイズが最大 2048 バイト)などの変更が行われています。

この規格は、Wi-SUN Alliance (Wireless Smart Utility Network) という団体によって推進されていますが、日本の情報通信研究機構(NICT)と国内メーカー連携して標準化をリードしてきたものです。

802.11ah/Wi-Fi HaLowの特徴

日本において移動体通信用に割り当てられた周波数帯のうち、700〜900MHz帯のことを指す「プラチナバンド」と呼ばれていますが、Wi-Fi HaLowはプラチナバンドを使用することになります。アメリカでは、家庭用コードレス電話に使用されてきた周波数帯です。

周波数が低ければ、壁などの障害物を容易に通過できるという利点があり、従来のWi‐Fiよりも広い通信範囲に電波が届くことになります。また、802.11ahには消費電力が低く、数千の機器とひとつのアクセスポイントが効率的に通信できるという特徴があり、スマートホームやスマートシティ、工場・店舗を覆う産業用センサネットワークなどIoT分野での活用が想定されています。

対応機器には802.11ah対応のアンテナや通信チップが必要になります。ただ、Wi-Fi HaLowは従来型の2.4GHz帯5GHz帯などを利用するWi-Fi端末との併用とのことで、Wi-Fi AllianceはIPベースのWi-Fiネットワークシステムに容易に組み込めると述べています。また、これまでのM2M/IoT向け無線通信は、1日に数回、僅かのデータなデータを送ることで省電力を達成しており、大容量のデータの送信は想定していなかったようですが、Wi-Fi HaLowは、医療や工場、社会インフラなどの比較的容量の大きなデータを省電力提供することを狙っているようです。また、Wi-Fiで確立されてきたセキュリティ機能を、802.11ah においても継承されることも強みのようです。

製品が世に出るのはまだ少し先のようですが、今後の市場の動きが注目されるところです。

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(http://www.cnx-software.com/2014/02/21/802-11ah-wi-fi-900-mhz-to-provide-low-power-long-range-connectivity-for-the-internet-of-things/ より)

 

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