IEEE802.11ay

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IEEE802.11ad

先月(2017年6月)、ネットギアジャパンが802.11ad対応の家庭向けWi-Fiルーター日本で初めて発売しました。2017年7月20~21日に開催された「SoftBank World 2017」では、QualcommがIEEE 802.11adで通信を行うデモを行っていたようです。

802.11ad(WiGig)は、既存の2.4~5GHz帯の「マイクロ波」ではなく、60GHz帯の「ミリ波」を使い、1チャネルで6.76Gbpsの理論最大速度の通信が可能となっています。

2012年12月に仕様が制定されましたが、Wi-Fi アライアンスが、IEEE 802.11ad(WiGig)に対応した機器の相互接続認証プログラムを開始したのが2016年10月ということや国内での電波法の改正が2015年11月だったこともあってか、今はそれほど普及していないようです。

しかし、前述のような動きの他にも2017年内に802.11ad対応の無線チップを搭載したスマートフォンが市場に投入される予定との報道もありますので、2017年はWi-FiのTri-Band(2.4/5/60 GHz)時代の元年になるかもしれません。

下図のように、Strategy AnalyticsのIEEE802.11adのチップセットの出荷台数割合の予測では、2017年頃から普及が進んでいくと見ているようです。 ところで、グラフを見ると2019年ぐらいからIEEE802.11ayが表れています。翌年の2020年にはIEEE802.11adとほぼ同じ普及率になっています。IEEE802.11ayとはどんな規格なのでしょうか?

802.11ay_001_Rhttp://www.tomshardware.fr/articles/wifi-ac-ad-mu-mimo,2-2441-5.html より)

IEEE802.11ay

IEEE802.11ayはIEEE802.11ad (WiGig)の後継にあたる高速な次世代規格で、2015 年 3 月から標準策定が開始され、規格完了が2019年、2020年頃の実用化を目指しているようです。 IEEE 802.11ad との下位互換性と共存を可能にすることや、少なくとも20 Gbpsの最大スループットをサポートすることなどが要件として定められています。また、チャネルボンディング(※1)やMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)による複数ストリーム伝送により高速化機能も予定されているとのことで、伝送速度は100Gbit/sが予想されているようです。

IEEE802.11の2015年9月の資料「IEEE 802.11 TGay Use Cases」によれば、IEEE 802.11ayユースケースは次の8つが挙げられています。

1 Ultra Short Range ay2_R 2 8K UHD Wireless Transfer at Smart Home ay8_R 3 Augmented Reality/Virtual Reality Headsets and Other High-End Wearables

4 Data Center 11ay Inter-Rack Connectivity

5 Video/Mass-Data Distribution/Video on Demand System ay4_R6 Mobile Offloading and Multi-Band Operation ay5_R 7 Mobile Fronthauling ay6_R 8 Wireless Backhauling ay7_R (IEEE 802.11 TGay Use Cases https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/15/11-15-0625-03-00ay-ieee-802-11-tgay-usage-scenarios.pptx より)

IEEE802.11adもその後継に当たるIEEE802.11ayも「ミリ波帯(30GHz~300GHz)の電波を利用した無線通信です。ミリ波による電磁界ばく露を懸念する声もあるようです。

体に近接して使用されるミリ波帯の影響については、Wi-Fi AllianceがWiGig認証製品による人体への影響に関する資料を公開しています。そこでは、「WiGigを含むすべての無線技術は、人の高周波のばく露を制限する国際基準を満たさなければならず、世界の独立した科学機関、公衆衛生当局、および政府などの機関によれば、基準以下で使用される無線周波数からの有害な影響を与えることを示す根拠はないという評価において一貫している」と説明しています。

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(WiGig® and Health/Safety https://www.wi-fi.org/download.php?file=/sites/default/files/private/WiGig_and_Health_Brochure_2015.pdf より)

(※1)複数のチャネルを束ねて1チャネルとする技術です。

(※2)送信機と受信機にそれぞれ複数のアンテナを持つ通信システムで、同じ周波数を用いて、複数のアンテナから同時に信号を送信する周波数利用効率のよい伝送方式です。同一周波数に多重された信号(ストリーム)は、受信側の信号処理により各ストリームを分離、検出して復号します。

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