Wi-Fi Aware
2015年7月にWi-Fi Allianceが「Wi-Fi Aware」の説明会を行いましたが、「Wi-Fi Aware」とは、Wi-Fi Allianceの「Neighbor Awareness Networking」テクノロジーにもとづいた新しい近接情報認識技術で、Wi-Fi機器同士で近接情報をやりとりできる機能によって、近くにあるサービスを自動的に発見するとともに、Wi-Fi Directなどの広帯域の通信に、簡単に移行できるのが特徴となっています。「Wi-Fi Aware」では、無線LANによる接続(Wi-Fi Direct)を確立する前に、近接情報に基づいて利用できるサービスを検出するわけです。
2014年9月に「Wi-Fi Direct」の拡張として発表した4つの機能のうち、「Wi-Fi Direct for DLNA」を汎用利用できるように拡張したものに近いとのことです。ちなみに、拡張・強化された4つの機能とは次の4つです。
① 端末同士でコンテンツを送受信できる「Wi-Fi Direct Send」
② スマホやタブレットなどから直接コンテンツをプリンタで印刷できる「Wi-Fi Direct Print」
③ ストリームコンテンツ接続前に、DNLA対応のデバイス同士をお互いに発見させる「Wi-Fi Direct for DLNA」
④ ディスプレイのミラーリングを行う「Miracast」のミラーリングと表示がワンステップで可能
具体的な利用場面
具体的な利用については、オンラインゲームの対戦相手やメディアコンテンツの共有、ローカライズした情報へのアクセスなど、次のような場面を挙げています。
① 「Wi-Fi Aware」対応アプリを利用するユーザー同士は、ゲームの対戦相手やSNSの友人、ビジネスマッチングサービスなどの形で、お互いを発見することが可能になり、Wi-Fi Directに移行してリッチなアプリやコンテンツを利用できる。
② Wi-Fiのスポットで写真や動画などのコンテンツが提供されている場合には、ユーザーは「Wi-Fi Aware」によって近くにサービスがあることを発見でき、そのままWi-Fi Directの接続に移行してコンテンツを素早く入手できる。
(ケータイ Watch http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20150714_711584.html より)
Wi-Fi Awareの特徴
類似する技術としてBluetooth LE のビーコンがありますが、「Wi-Fi Aware」はビーコンとは異なり、双方向での情報のやりとりが可能です。低消費電力で稼働しながら、Wi-Fi Directによる直接通信が行え、また、電波の到達距離も、通常のWi-Fiと同じ最大100~200mあり、Bluetoothよりも到達距離が長い点も大きな違いです。
店舗付近のスマートフォンなどにクーポンを配布するといった現在の近接情報を利用したサービスは、GPSや基地局などの位置データに基づいている場合が多く、デバイスの密度が高かったり、屋内などで携帯通信網やGPSが利用できなかったりすると機能が低下するという問題があります。また、NFCなどは至近距離でないと使用できないという制約があります。
Wi-Fi Awareでは、GPSや移動体通信基地局、無線LANホットスポットなどに接続していなくてもデバイスの間で継続的な情報検索が可能で、屋内でもデバイス集中エリアでも安定した接続が確保できます。
また、セキュリティ面については、WPAによって保護されるほか、Wi-Fi Awareはアプリケーションレベルで使用されるため、送受信の内容などもアプリによって制御されとのことです。
(business network http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/4072/page/2/Default.aspx より)
なお、日本の字幕のついた説明ビデオをYouTubeで公開しています。
(執筆中)