スマートロボット

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スマートロボット

スマートロボットの定義というものが明確にあるわけではありませんが、これまでのスタンドアロンで考えて動くタイプではなく、インターネットなどに接続されて、クラウド上でも情報処理を行うタイプのロボットというとらえ方が多いようです。 スマートロボットでは、IoTとクラウドによって、これまでロボット内部で行っていた処理をクラウド側に任せてしまいます。こうした考えは昔からありましたが、今、通信技術などの進展、クラウドの成熟によって、それが可能になってきたわけです。ロボット開発において、これまで以上にハードウェアに力を注ぐことができるようになり、より柔軟で独創的なロボットの誕生が期待されます。

Gartnerの“先進テクノロジ”ハイプサイクル

Figure 1. Hype Cycle for Emerging Technologies, 2014hc_et_2014_R (Gartner http://www.gartner.com/newsroom/id/2819918 より)

2014年8月に発表されたGartnerのハイプサイクルでは、Innovation Trigger(黎明期)の上位にスマートロボットを挙げています。スマートロボットはこれからの成長が期待されるテクノロジであり、5~10年後には大きなビジネスになる可能性を秘めています。 また、Gartnerの報告では、デジタルビジネスに向けたロードマップを下記のように6つのステージに分けています。

Six Business Era Models in the Digital Business Development Path

Stage 1: Analog

Stage 2: Web

Stage 3: E-Business

Stage 4: Digital Marketing

Stage 5: Digital Business

Stage 6: Autonomous

(Gartner http://www.gartner.com/newsroom/id/2819918 より)

スマートロボットはステージ6:Autonomous(自律型)に分類されます。このステージでは、人間と同様(ヒューマンライク)な能力または完全に人間に代わる能力を提供するテクノロジの利用が可能にします。スマートロボットの他に、自律走行車での輸送、コグニティブシステムによるテキストの書き込みや顧客からの問い合わせへの回答、量子コンピューティング、バイオチップ、スマートアドバイザといったテクノロジが該当します。

スマートロボットベンチャーの動き

DMM.comロボット事業部 事業部長 岡本康広氏は、日本におけるロボット事業の課題について次のように指摘しています。

 日本におけるロボット事業の課題は2点ある。まずはビジネス視点を考慮されていないということ。販売などお客様の目線で開発されていない。2つ目は日本全体の問題ともいえる産業技術のガラパゴス化。日本のロボットは技術連携がなく、独自で開発していくことが多かったので、商品の汎用化ができず、国際競争力を低下させている。

確かに、岡本康広氏の指摘のように、大手企業のロボット開発においては、素晴らしい技術を持っていながらも、「商品化・事業化する考えはない」と言ったコメントがしばしば発せられてきました。途中で開発を中断してしまった企業もありました。そうした日本に対して、シリコンバレーでは、ビジネス化を念頭にロボット開発が進められてきました。今、スマートロボットがポスト・スマートフォン、次の産業革命の担い手と言われ、徐々にスマートロボットがビジネスとして動き始めています。

Patin(Flower Robotics社)

patin_001_R Patinは自律行動するAI(人工知能)と移動機能を持ったプラットフォームです。各種サービス・ユニットを接続する事で様々な機能を持たせる「既存機能の自律移動化」がPatinのコンセプトとなっています。 フラワーロボテックス社は、このPatinの開発目的を「ロボット開発のハードルを下げ、家庭用ロボットを普及する」こととして、次のように述べています。

Patinは、AI搭載の自律型移動体にサービス・ユニットを接続するためのインターフェイスを設けてオープンソースのプラットフォームとして提供されることにより、サードパーティ各社が持つロボット・プロダクトのアイデアを、Patinのサービス・ユニットとして開発、AI開発の労力をかけずに提供することができるようになります。これによりロボットの製品開発への参入ハードルを下げることができます。

SDKやシミュレータなどのサードパーティ開発者のための技術サポートが提供されることで、一社、あるいは個人単位といった小規模な開発者でも、プラットフォームを介して開発に参加できるようになり、相互に助け合うことのできる環境が整えられることで、多くの人々が家庭用ロボットの普及促進に貢献することができます。

新しいロボット開発の土壌を作っていくこと、暮らしに役立つ家庭用ロボットの普及を促進する事を開発目的としています。(Flower Robotics http://www.flower-robotics.com/patin/ より)

patin_002_R Patinは、Patin本体、各種サービスユニット、Patinピット、クラウドから構成されています。本体には各種センサー(衝突、熱感知、深度感知、動作感知、音声感知)とスピーカー、オムニホイールによる移動機能を搭載しています。また、Patinピットは、Patin本体の充電機能と、Patin本体とWi-Fiで通信をして情報をクラウドへ送信したり、逆にクラウドからPatin本体へアップデート情報などを送信する機能を装備しています。クラウドは、各Patinから集約した行動情報などを蓄積し、動作精度向上の為のアップデートの配信を行います。なお、製品化は2016年を予定しています。

ROBOTALK(岡村製作所)

robotalk_001ROBOTALKは、愛らしいフォルムとボイスが魅力のコミュニケーションロボットです。動体検知により、人を認識したときに発話を行います。発話内容は、本体内のコントロールパネルまたは、Googleカレンダーにテキストを登録します。話しかけにもいろいろ反応します。発話スケジューラーに登録することで、指定時間に任意の情報を発話させることができます。ニュースの読み上げもします。読み上げたニュースの中からキーワードを選択すると、より詳しく伝えてくれます。頭部のカメラで写真を撮って電子メールで送ることができます。また、肉声を録音することができるのでメモに活用することもできます。さらにアンケート機能、人の代わりに言葉による説明をプレゼンテーション機能、USBにデータを入れることで音楽や音声を再生する機能などコミュニケーションツールが豊富です。利用シーンとしては、会社での受付業務、ミーティングでのファシリテーター、ミュージアムでの説明、その他にも介護、病院、ショップなど様々利用が想定されています。(OKAMURA http://www.okamura.co.jp/product/others/robotalk/sp/index.html より)

PALRO(富士ソフト)

palro_001パルロは自律型コミュニケーションロボットです。人の顔を記憶し、人間のように自然に「会話をする」ことができます。富士ソフトは、携帯電話での“変換予測機能”など、「組み込み系テクノロジー」に関しても高い技術力をもっています。その「組み込み系ソフトウェア技術」を活用することで、高い会話力を実現させています。富士ソフトではそうした技術の一つを「思考の連鎖」と呼んでいます。投げかけられた言葉に対して関連のある語句・話題を自発的に選択し、思考と記憶を連鎖させて、ロボットが自ら話題を拡げていく機能です。さらに、会話に関して、パルロは話し相手のライフログを蓄積していくので、会話をすればするほど、話し相手の情報を蓄え、相手への理解を深めていく機能を備えています。

さらにパルロは高度な移動知能も備えており、路面の変化や段差などを正確に検出してスムーズな歩行移動ができます。

また、常にネットワークに接続してため、クラウドサービスとの融合によってスマホを使った遠隔操作など、様々な利用用途が考えられます。

なお、富士ソフトは、コンシューマー向けにPalmi(パルミー)をDMM.make ROBOTSを通じて販売しています。

BOCCO(ユカイ工学)

BOCCO_001BOCCOは、インターネットに接続するためのWiFiと、センサと通信するための近接無線の機能を搭載しています。インターネット経由でスマートフォンと音声メッセージをやりとりできるほか、家庭内のセンサの情報をスマートフォンに通知することが可能です。これにより、家族の生活の様子を外出中でも知ることができたり、家族と何気ないメッセージのやりとりを楽しむことができます。センサの種類としては、振動センサ、マグネット式の開閉センサ、光センサが提供されています。価格は2万円前後 (ロボット本体とセンサのセット)でDMM.make ROBOTSを通じて販売しています。(ユカイ工学 http://www.ux-xu.com/product/bocco より)

 Botlr(Savioke社)

savione-in-hallway_RBotlr(ボトラー)は「ロボット」と「バトラー(執事)」を合わせた語で、いわば配達ロボットです。主にホテルなどでの使用が考えられているようです。宿泊客からタオルや歯ブラシ、スマホの充電器を届けてほしいとフロントにリクエストが入ったら、品物を客室まで届けます。 エレベーターにも自分で乗り、ボタンはワイアレスで操作します。エレベーター内ではお客様の邪魔にならない位置へ移動します。目的の客室に到着すると、室内の電話へ通信して到着を知らせます。執事(バトラー)ですからお客様からチップをもらうわけですが、Botlrの場合、スクリーンに★を入力してチップの代わりにするそうです。任務が終了すれば、自らフロントに戻ります。

人と協働できるアーム型ロボット(Universal Robots社)

ur_robot_001Universal Robots社はデンマークに本社をおく会社です。Universal Robots社が開発したアーム型ロボットは、大型需要では対応できなかった多品種少量の生産ラインや狭い工場などに対応し、これまで人間が手作業でしていたラインに入り、人との協働ができるという特徴があります。さらに、日本語を含め、10種類以上の言語に対応し、プログラミング経験のないオペレーターでもすぐにセットアップでき、直感的で 3D を活用した可視化技術を通じてロボットを操作することができます。具体的には、任意のウェイur_display_001ポイントにロボットアームを移動させたり、使いやすいタッチスクリーン形式のタブレットで矢印キーを使ったりします。独Volkswagensのエンジン工場に納入されています。

Double(Double Robotics社)

double_001_Rスクリーン付き可動式ロボットで遠隔で操作しながら会議で打ち合わせができる「テレプレゼンスロボット」です。足の代わりに車輪があり、顔の代わりにiPadがあるシンプルなロボットです。アメリカでは、在宅勤務者が600万人を超えており、こうしたワークスタイルを支援するロボットとして期待されています。さらに工場の生産現場の視察や医療・介護分野や教育分野などさまざまな分野での活用が想定されています。

Jibo(Jibo.com)

jibo_001MITの准教授シンシア・ブリジール氏によって開発された家庭用アシスタントロボットです。クラウドファンディングで資金調達をし、2015年12月出荷の予定です。価格は499ドルです。 2台のステレオカメラセンサー、360度のサウンドローカリゼーションセンサー、体表にはタッチセンサーを備えています。また、“顔”はタッチ対応ディスプレイになっており、“表情”や必要なデータを表示します。ネットワークはWi-FiとBluetoothに対応し、iOSおよびAndroid端末と連係できるようになるそうです。 カメラで自分(や家族)の顔を認識させ、スマートフォンとリンクすることで、メール着信を画面と音声で通知してくれたり、音声認識機能により、さまざまな命令、例えば、写真や動画を撮影したり、子どもにお話を読んだりしてくれます。また、帰宅すると部屋の明かりを点灯するスマートホーム機能もあります。

(執筆中)

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