SLAM

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SLAM

SLAMは「Simultaneous Localization and Mapping」の略で、Simultaneousは同時に起こる、Localizationは位置の確認・特定といった意味です。SLAMは自分の位置の推定(自己位置推定)と自分がいる環境の地図作成(環境地図作成、地図構築)を同時に行うことを言います。最近よく聞くようになったSLAMですが、研究そのものは1980年代頃から移動ロボットの分野で研究が行われてきています。自律移動ロボットや自動運転車、ARなどの重要な技術となってきています。身近なところではロボット掃除機などにSLAMが搭載されています。

あらゆる場面に対応でしなければならない自律移動ロボットでは、あらかじめ走行するコースをプログラミングするということは現実的ではありません。そこで、ロボット自身が、移動しながらカメラセンサーやレーダーセンサーによって周囲の障害物や環境などの形状を把握し、その形状データをもとに自己位置を推定し、さらに地図を作って適切なコースを動いていくことが必要となります。あらゆる場面に対応した地図を作製するには膨大な労力がかかり、地図データは頻繁に更新しなければなりません。そこで、地図の作成もロボットが自分で作るようにする方が望ましというわけです。

地図の作成は、ロボットが移動しながらセンサーデータを取得し,それらをつなぎ合わせて作るわけですが、センサーデータはロボットからの相対値で得られますので、つなぎ合わせるには、地図座標系でのロボットの自己位置が必要になります。しかし、地図は存在していません。従って、ロボットの位置と地図は相互に依存しており同時に推定しなければならないわけです。

オドメトリ

ロボット位置を推定する方法の一つにオドメトリ(odmetry)があります。車輪型移動ロボットにおける車輪の回転数や回転角度から移動量を求め、ロボットの位置を推定する手法です。デッドレコニング(dead reckoning)という呼び方もします。

しかし、車輪ですので空回りした場合に検出できないとか、移動量には誤差が含まれますが、その誤差の上にさらに誤差が足し合わされていくという問題があります。オドメトリだけでは、ロボットが長距離の移動をした場合、走行するにつれて位置がずれていくということが起きてきます。周りの障害物などの位置も累積誤差の影響を受けてしまいます。

オドメトリの累積誤差に対処するには、地図上の同一のランドマークを計測して修正する必要があります。見たことのある景色を再度見ることで、位置のずれ(誤差)を把握し修正するわけです。同じランドマークを複数回観測すれば累積誤差はより減らすことができます。そこで、ループ閉じ込み(Loop Closure)という周回して起点に戻る閉ループを設定することで累積誤差を減らす手法がとられます。これは、SLAMの特徴の一つでもあります。

レーザー・レンジ・ファインダーとカメラ

周囲の状況を計測するにはレーザー・レンジ・ファインダー(LRF:Laser Range Finder)というレーザースキャナー(Laser Scanner)を使う方法と、視覚センサー(カメラ)を使うVisual SLAMと言われる方法があります。

レーザー・レンジ・ファインダー(Laser Range Finder)は、レーザーをパルス状に多方向に照射し、反射して帰ってくる時間から距離や3次元形状を計測するものです。こうして得たスキャンの位置合わせをすることでロボットの位置と3D地図を同時に推定します。

具体的な手法には、ICP(Iterative Closest Points)と呼ばれるものとNDT(Normal Distribution Transform)と呼ばれるスキャンマッチングアルゴリズムがあります。ICPアルゴリズムは1992年にBeslとMcKayによって提案された二つの三次元形状データ間の位置あわせ手法です。NDT(Normal Distribution Transform)は、地図空間を等間隔な格子状のボクセル(立方体)に区切り、ボクセルごとの点の集合を正規分布で近似するものです。
ところで、LRFはLiDARとよく似ていますが、LiDARは自動運転車などを前提としており、LRF移動ロボット関係でよく使われるので室内程度でのSLAMを想定しているとする考えがあります。しかし、LiDARとLRFとレー ザースキャナー等の言葉に明確な用途の違いはないようにも見えます。

視覚センサーを用いるものには、デプス(Depth)センサー、ステレオカメラ、単眼カメラを使う方法などがあります。単眼カメラでは、SFM(Structure from Motion) というカメラの視点を変えながら撮影した複数枚の画像から3次元形状とカメラの位置を復元する手法を用いて3D点を得ることになります。カメラを用いた方法では、距離や形状のほか、色や模様などの視覚情報も同時に取得でき、比較的安価であるという利点がありますが、レーザー・レンジ・ファインダーほどの高精度な奥行の情報の取得が難しいとも言われています。
(続き執筆中)

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