AGV

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AGV

AGVは、「Automatic Guided Vehicle」の略称で、日本語では自動搬送車、無人搬送車、無人搬送ロボットなどと言われています。無人で搬送や荷役を行う台車などで、日本工業規格(JIS)のJISD6801には、「本体に人手又は自動で荷物を積み込み、指示された場所まで自動走行し、人手又は自動で荷卸しをする無軌道車両。広義には無人けん引車及び無人フォークリフトを含む。」とあり、対応英語は「Automatic Guided Vehicle 」となっています。

JISD6801が制定されたのは1990年であることからも無人搬送車の歴史は古く、1980年代初め頃から、生産現場を中心に使われるようになり、今は物流センターや病院といった非製造業の分野でも導入されています。

AGV(無人搬送車)はロボットに分類されるように思いますが、意匠分類ではG2-0の「その他の車両」の中に工場内ロボット車、無人搬送車などとあり、車両に含まれるようです。

社団法人日本産業車両協会によれば、工場構内、倉庫、配送センター、駅、港湾埠頭、空港等の構内で使用される荷役運搬車両を産業車両と定義し、その中に無人搬送車が含まれています。産業車両には他に、フォークリフト、構内運搬車があります。

古い資料ですが、日本機械工業連合会及び日本ロボット工業会の「平成15年度移動ロボットの安全基準策定に関する調査報告書」の中では、ロボットハンドブックを引用し、移動ロボットの移動機構形態による分類の中でAGV(無人搬送車)も位置付けられています。ここではAGV(無人搬送車)はロボットという位置づけになっています。近年は、機能の進化により無人搬送機というよりモバイルロボットとも呼び方が増えてきているようです。

かつてのAGVは、床面に磁気テープなどのガイドテープを貼り付け、そのテープに沿って移動させるのが一般的でしたが、近年のAGVはガイドテープなしに自律走行できるものが登場してきており、車というよりロボットに近いと言えそうです。

また、AGVへの期待について、ESP総研が「2016年「AGV(無人搬送車)」ビジネス白書」を刊行するにあたって、AGVは産業界今もっと注目されているテーマであると述べています。その要因の一つに少子高齢化社会がもたらす労働人口減少、物流業界のける人手不足、人による作業負担軽減などを挙げています。三菱重工技報 Vol.54 No.1 (2017) M-FET 特集でも、少子高齢化による労働力不足解決の大きな決め手となると述べ、加えて作業効率,エネルギー効率、安全面、設備費用などにおける効果も指摘しています。

AGVの種類

前述の日本工業規格のJISD6801では、AGVを移載方式や誘導方式などでいくつかに分類しています。

移載方式では、自動方式、手動方式、スライドフォーク方式、チェーンコンベア方式、ローラコンベア方式、プッシュプル方式、リフトアップ方式などに分けています。
誘導方式では、固定経路式、半固定経路式、自律走行式、ガイド式、ガイドレス式、パッシブ式、電磁誘導式、光学誘導式、磁気誘導式、磁性体式、床面はり付式、床埋込式に分類しています。

こうした分類の他に、床などにかかれた二次元コードやARマーカーなどの記号を読み取る画像認識方式、ジャイロセンサーによる自己位置検出のジャイロ誘導方式などもあるようです。さらに、オムロンがadeptを買収してできたOmron Adept Technologies Incが開発した「モバイルロボットLD」は、内蔵するレーザースキャナーで動作環境を測定し、SLAM技術によって自らの位置を特定しながら、荷物を搬送するというもので、まさに工場内の自動運転車です。

AIを活用したあらかじめ走行路を設定しない誘導方式が現実のものになりつつあるようですが、一方で、AIによる誘導方式では高度な画像解析技術やセンサ技術と高速処理が必要となり、現在の大方荷卸しの位置が決まったようなところでは、コスト的にレーザー誘導方式などのガイドレス誘導で事足りるのではないかという考えもあるようです。

移載方式については、AIを使ったロボットアームを搭載したAGVが今後登場してくると予想されているようです。いわゆる画像処理技術を使ったピッキング作業の自動化です。。

AGVの事例

ガイドテープを使わないAGVのいくつかか紹介します。

モバイルロボットLD(オムロン)

オムロンのアメリカ子会社オムロンアデプトテクノロジーズ(OAT)が開発し、オムロンが2017年1月から発売したAGVです。SLAM 技術地図を自動的に作製し、地図とレーザースキャナーの測定結果を照らし合わせて位置を特定しながら人や障害物を回避し、最適なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける搬送ロボットです。
ユーザーカスタマイズタイプ「OEM」と台車付オールインワンタイプ「カートトランスポーター」の2シリーズが用意されています。最大130Kgの搬送物を運ぶことができます。また、最大100台の「モバイルロボットLD」を1台のコントローラで管理できるます。

agv_001_Rhttp://www.adept.com/ より)

AI搬送ロボット(DAIHEN)

あらかじめ入力された工場のCADデータから作成された地図をもとに、タブレットの画面上で目的地と作業内容を指示するだけで、最適経路を割り出して荷物を自動で運ぶAGVです。700kgまでのものを運ぶことができます。内蔵カメラとレーザ・センサによってロボットが障害物や人を全方位で検知し、自動で回避し、360°旋回や全方向移動、リフト機能などの他に、ワイヤレス給電システムなども備えています。

agv_002_Rhttp://www.daihen.co.jp/tech/ai_transfer/  より)

Butler

インドのロボットベンチャー企業GreyOrangeが開発したAGVです。可搬式の棚の下に潜り込み、作業者の元に棚ごと商品を届けます。Butlerは本体の他に、専用の可搬式棚、ピッキングおよび棚入れを行うためのワークステーション、ロボットが自律的に充電を行うオートチャージャー、システム全体を制御するソフトウェア(WCS)で構成されています。

agv_003_Rhttp://www.greyorange.com/products/butler より)

THOUZER

LIDARを搭載し、人などの物体に自動追従する運搬ロボットです。Doogが開発し2015年10月から発売されています。人や台車の自動追従機能の他、無人での自動ライン走行機能もあります。基本的にはLIDARによる自動追従ですが、本体からリードを伸ばしてユーザーがリードを引っ張って操作することもできるようになっています。移動速度は人による操作時で時速4.5km、自動追従のみの場合は最大で時速8kmでの創校が可能です。航続距離は約20kmです。

agv_004_Rhttp://jp.doog-inc.com/product-thouzer.html より)

Seegrid

SeegridはアメリカのCMU(カーネギーメロン大学)発のロボットベンチャーですが、2014年に倒産騒ぎもあったのですが、今はどうなっているのでしょうか。そのSeegridが開発したAGVは、オペレーターはAGVの手を引いてルートを教え、さらにてピッキング、倉庫内の移動ルールなども教えこむとそのとおりに動いてくれるというものです。

agv_005_Rhttps://seegrid.com/ より)

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