報告書「AIの未来に備える」より

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報告書「AIの未来に備える」

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2016年10月にホワイトハウスが「Preparing for the Future of Artificial Intelligence
(AIの未来に備える)」という報告書を発表したとの報道がありました。リポートは51ページからなり、内容も[AIの歴史]「人工知能とは何か」といったことから始まり、「AIの現状」「AI研究のための連邦政府の支援」さらに雇用、公平性・安全性・ガバナンス、正義、公平性・説明責任、武器システムにおけるAIなど幅広く取り上げられています。
それぞれの項目ごとに提言が述べられています。提言の数は全体で23にもなります。例えば、「AI, Automation, and the Econom」では、「提言15:大統領府はさらに、米国の雇用市場でのAIと自動化の影響を調査し、推奨される政策対応を概説するために、今年の年末までにフォローに関する報告書を公開する必要がある」としています。
その他提言8では「高度に拡張可能で無人・有人のいずれの航空機にも完全に対応できる先進・自動の航空トラフィック管理システムの開発・実装に投資すること」、提言11では「外国におけるAIの現状(目標達成状況等)を監視すること」、提言20では「AI関連の国際的取り組みに関して政府全体の戦略を策定し、国際的取り組みと監視を必要とするAIの主題領域のリストを作成すること」などと提言しています。
(https://www.whitehouse.gov/sites/default/files/whitehouse_files/microsites/ostp/NSTC/preparing_for_the_future_of_ai.pdf より)

この報告書に関してはいろいろなメディアが論調しています。
日本経済新聞はベンチャービートからの転載という形で、AIに関する機会と懸念について「AIに対応した規制整備の必要性」「政府主導によるAI研究の連携強化や資金支援の拡充」「AIが雇用にもたらす経済的影響についてのさらなる研究やモニタリング」「安全性やセキュリティーの懸念と倫理研修」「自律型致死兵器システムの開発と利用に関する政策の立案」などを浮き彫りにしているものの、全体的にはAIについて楽観的な論調を維持していると紹介しています。

The Huffington Post Japanは、社会に浸透し始めているAIの”差別的”な振る舞いの事例、情報通信大臣会合で提案された「AIの研究開発の原則の策定」の第1項目として「透明性の原則」が示されたことなどを取り上げ、AIのシステムは「制御可能、そしてオープンで透明性があり理解可能であること」とする報告書の内容に注目し、「AIの透明性の確保」ということに関して識者の意見などを織り交ぜながら詳しく報道しています。

ZDNetは、「Iの進化にともなって熟考すべき重要なテーマを選び出す」として後述のようなことをピックアップしています。
一つ目は、「AIは人間の仕事を奪う一方で、その問題に対するソリューションともなり得る」として「AIが従業員の成長を支援するとともに、最終的にはビッグデータ時代への移行を促す手助けになり得る」との内容を取り上げています。次に「バランスを欠いたAI」として、「コンピュータ科学分野が白人男性で占められているため、多様性が必要であり、多様性が実現されなければ、AIはアルゴリズムの作成者が持つ偏りを引き継ぐことになる」という内容、さらに「AIには倫理が必要となる」として、「教育機関でのAI等のカリキュラムの一部に倫理、およびセキュリティやプライバシー、安全に関する倫理面での話題を取り込んでおくべき」という内容を取り上げています。

ところで、ホワイトハウスはこの報告書とともに、「THE NATIONAL ARTIFICIAL INTELLIGENCE RESEARCH AND DEVELOPMENT STRATEGIC PLAN(人工知能(AI)研究開発国家戦略計画)」という手引書も公表しています。この報告書の終わりには、「研究開発戦略」として次の7つのことが取り上げられています。

Strategy 1: Make Long-Term Investments in AI Research
AIの研究に長期投資の実施
Strategy 2: Develop Effective Methods for Human-AI Collaboration
ヒトとAIとのコラボレーションのための効果的な方法を開発
Strategy 3: Understand and Address the Ethical, Legal, and Societal Implications of AI
AIの倫理的、法的、社会的な影響の理解と対処
Strategy 4: Ensure the Safety and Security of AI Systems
AIシステムの安全性とセキュリティを確保
Strategy 5: Develop Shared Public Datasets and Environments for AI Training and Testing
公開の共有データセットおよびAIの訓練・試験向け環境の開発
Strategy 6: Measure and Evaluate AI Technologies through Standards and Benchmarks
規格とベンチマークによるAI技術の測定と評価
Strategy 7: Better Understand the National AI R&D Workforce Needs
AI研究開発要員の国家的必要性の理解増進

pffoai_002_r(https://www.whitehouse.gov/sites/default/files/whitehouse_files/microsites/ostp/NSTC/national_ai_rd_strategic_plan.pdf より)

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