ロボット税

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ロボット税

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欧州議会が「ロボット税」の導入を検討しているという報道が以前ありました。2016年5月に「DRAFT REPORT with recommendations to the Commission on Civil Law Rules on Robotics」としてEUの欧州議会(European Parliament)に、一部の構成員が提唱決議案の形でまとめたものです。

法案では次のように述べ、ロボットや人工知能が新たな産業革命に匹敵するものだと評価し、欧州議会がそのことの影響を考慮することが極めて重要としています。

 

whereas now that humankind stands on the threshold of an era when ever more sophisticated robots, bots, androids and other manifestations of artificial intelligence (“AI”) seem poised to unleash a new industrial revolution, which is likely to leave no stratum of society untouched, it is vitally important for the legislature to consider all its implications
(DRAFT REPORT with recommendations to the Commission on Civil Law Rules on Robotics より)

その上で、製造業をはじめ、その他の多くの分野にロボットが普及した場合、大規模な失業が発生する懸念があるとして、ロボットを「電子人間」(electronic persons)(※1)とみなし、所有者に税金を支払わせるという内容の法案です。

(※1)electronic persons
creating a specific legal status for robots, so that at least the most sophisticated autonomous robots could be established as having the status of electronic persons with specific rights and obligations, including that of making good any damage they may cause, and applying electronic personality to cases where robots make smart autonomous decisions or otherwise interact with third parties independently
(DRAFT REPORT with recommendations to the Commission on Civil Law Rules on Robotics より)

ロボットの活用で人の雇用が奪われると、企業が負担している社会保険料などの税収が目減りしてしまいます。そこで、人工知能(AI)を有する高度なロボットの登録を企業に義務付け、その所有企業から税や社会保険料を徴収しようと言うわけです。さらに法案では、ベーシックインカム(basic income)(※2)についても真剣に検討すべきであるとの見解を示しています。

(※2)basic income
takes the view that in the light of the possible effects on the labour market of robotics and AI a general basic income should be seriously considered, and invites all Member States to do so
(DRAFT REPORT with recommendations to the Commission on Civil Law Rules on Robotics より)

報道によれば、当然ながら欧州の産業界から、「ロボットの活用促進を阻害する」「ロボットが雇用を奪うという根拠がない」などと猛反発が起きているようです。

以前放送されたNHK「クローズアップ現代」で「ベーシックインカム」について取り上げていました。 そこでは、 2000年頃を境に生産性が上がっても雇用が伸びない状況が続いており、ITや人工知能、ロボットによって人間の仕事がなくなる時代が来ている。今は、資本主義の根本的な転換期にあるというような内容でたかと思うのですが、こうしたことを考えると、この法案がすぐに法的拘束力を持つようなものとして可決されることはないにしても、いずれ日本をはじめ各国でロボットへの課税ということが議論されてくるのではないかでしょうか。

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