IDCの予測
ITおよび通信業界における市場調査およびコンサルティングなどを行うグローバル市場調査会社IDCは、ロボット産業の動向を予測したレポートを発表しました。IDCの2月24日のプレスリリース「IDC Forecasts Worldwide Spending on Robotics to Reach $135 Billion in 2019 Driven by Strong Spending Growth in Manufacturing and Healthcare」によれば、世界のロボット関連市場の規模は2015年で710億ドル、1ドル113.8円とすると約8兆800億円でしたが、今後年平均で17%ずつ成長し、2019年にはが1354億ドル、日本円で約15兆4000億円までに拡大するとしています。
2015年でのロボット関連の支出が最も大きかったのは組立て製造業とプロセス製造業ですが、「エレクトロニクス、小売、ヘルスケア、物流、農業、サービス、教育、政府関連などの分野でも急速に普及し始めている」としています。
IDTechExの予測
イギリスのIDTechExがまとめた「ロボティクス2016-2026」によると、現在のロボット市場規模を250億ドルとして、2026年には約5倍の1230億ドル、日本円で約14兆円という予測をしています。
これまでは工場などに据え付けられた固定型のロボットが主体だったのに対し、これからは自律的に移動する「モバイルロボット」が大きなトレンドになってくるとしています。
その他、STEM教育への関心の高まりとともに教育分野でのロボット教材が伸びると見ています。
(http://www.electronicspecifier.com/around-the-industry/the-100bn-robotics-opportunity より)
TechSci Researchの予測
2015年3月に公表されたTechSci Research社の「Global Industrial Robotics Market Forecast and Opportunities, 2020」では、世界の産業ロボット市場は2020年までに460億ドルになると予測しています。そして、世界の産業ロボット市場はアジア(中国、日本、韓国)と欧州(ドイツ、フランス、イタリア、英国)で2020年までに累積出荷量で世界市場の4分の3を占めていくと見込んでいます。
(http://www.researchandmarkets.com/reports/3129114/global-industrial-robotics-market-forecast-and より)
ロボット新戦略の予測
2015 年 1 月に公表された政府の「ロボット新戦略」では、ロボットの市場規模を現在の6,000億円から2020年には2兆4,000億円へと成長させることを目標としています。製造分野で現在の6000 億円から 1.2 兆円へ、サービスなど非製造分野で 20 倍の600 億円から1.2 兆円としています。
また、経済産業省の「ロボット産業市場動向調査結果」(2013年7月公表)では、将来の市場規模を2020年2.9兆円、2025年に5.3兆円、2035年には9.7兆円と予測しています。
2035年に向けたロボット産業の将来市場予測
(出典)経済産業省「ロボット産業市場動向調査結果」(2013年7月公表)
富士経済の予測
株式会社富士経済が2015年5月に発表した製造・非製造業向けロボットの世界市場を調査「2015 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望」によれば、2020年予測を製造業向けロボット市場 7,508億円(2014年比56.2%増)、パワーアシスト・増強スーツ 70億円(2014年比5.8倍)、掃除ロボット 2,500億円(2014年比13.6%増)としています。
ResearchStation, の予測
ResearchStation,(出版元:MarketsandMarkets社)が2016年2月に公表した「産業用ロボットの世界市場:タイプ別、需要家別2022年予測と分析」によると、世界の産業用ロボット市場は今後年率10%以上の成長が続き、2022年には795億ドル規模の市場に達するとしています。
同じく同社の「移動ロボットの世界市場:2020年市場予測」では、移動ロボットの世界市場規模は2014年段階で44億3890万ドルと推計され、2020年には106億ドル規模に達すると予測しています。これは年平均成長率16.31%になります。