ロボット国際競技大会

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ロボット国際競技大会

山形大学で行われていた「第34回 日本ロボット学会 学術講演会」の「2020年ロボット国際競技会は何を競うのか?」と題したセッションにおいて、その競技大会の分野や内容等の構想が明らかになったとの報道がありました。
競技は「ものづくり」「サービス」、「災害対策」の3分野でそれぞれ3種目の競技と中高生や大学生が参加するジュニア種目を加えた10種目で競われるとのことです。
「モノづくり」の分野では、製品分解・組み立て、倉庫内ピッキングなどの物流、「弁当を作る」といった食品産業などの種目が想定されているようです。
「サービス」の分野では、掃除や片付けなどの家庭の中の何気ないことを競う「我が家の一日」、店舗における各種業務自動化、公共の場でのサービスなどの種目に人材育成を目指した「ジュニア種目」を加えたものが想定されているようです。
「災害対策」の分野では、石油化学コンビナートのプラントを想定し、点検・メンテナンス、災害対雨を自動化・遠隔化する技術を競うプラント災害予防、トンネル事故災害対応復旧、耐久性能や評価試験を行なう災害対応規定競技の3種目が想定されているようです。

ロボット新戦略

「ロボット国際競技大会」は、国際的な競技大会を通じたイノベーションの促進に向け2015年2月に日本経済再生本部決定した「ロボット新戦略」において、その開催が掲げられました。そして、2020年のオリンピックに合わせて開催できるように、「2015 年中に実行委員会を発足し体制を整備」「2016 年中に具体的な開催形式・競技種目を決定」「2018 年にプレ大会を開催」という大まかなスケジュールも述べられています。
今回の報道での競技の分野や種目は正式決定されたものではありませんが、スケジュールに従えば11月ごろに開催予定の3回の「ロボット国際競技大会実行委員会諮問会議」にはおいて正式なものが決定されるのではないかと思われます。
また、「ロボット新戦略」においては、競技の内容について「単にロボット技術を競うための競技会ではなく、現実の課題を解決し、実際に役に立つロボット同士を競わせもの」としています。具体例として、インフラ点検ロボットや災害対応ロボットを実際の現場に持ち込み、検証を行うといったことが示されています。

ロボット国際競技大会実行委員会諮問会議

2016年2月に開催された第1回の「ロボット国際競技大会実行委員会諮問会議」において配布された資料によれば、競技分野として次の3つを挙げています。

① BtoB 中心の分野(ものづくり、農林水産業・食品産業分野)
② BtoC 中心の分野(サービス、介護・医療分野)
③ インフラ・災害対応・建設分野

また、具体的な競技種目は今後の検討としながらも協議内容のイメージとして次のようなものを挙げています。

(1) BtoB 中心の分野(ものづくり、農林水産業・食品産業分野)

①利活用シーンの例:人とロボットとの共同作業、セル生産の自動化、自動車へのワイヤハーネス組み付け、食品の弁当詰め 等
②技術の例:不定形物・柔軟物のハンドリング組み付け技術、教示技術、システムインテグレ―ション技術 等

(2)BtoC 中心の分野(サービス、介護・医療分野)

①利活用シーンの例:人と協働したサービスの提供(店舗での陳列、接客、外出支援等)等
② 技術の例:地図作成・自己位置同定・経路探索技術、人・ロボット間のタスク切り分け技術 等

(3)インフラ・災害対応・建設分野

①利活用シーンの例:プラント点検、プラントの中の人の発見・救助等
②技術の例:自律移動技術、遠隔操作技術、外部環境認識技術 等

ロボット競技大会

日本に限らず海外でもロボットの競技大会が行われています。有名なものでは国防高等研究計画局(DARPA)が主催する災害救助用のロボット競技大会「DARPAロボティクスチャレンジ」があります。少々古いところでは、DARPAグランド・チャレンジやアーバンチャレンジなどの現在の自動走行車の開発につながった競技会もありました。

EuRoC(European Robotics Challenges)

euroc_001_r大学、企業など9団体からなるEuRoCコンソーシアムが主催する協議会で、ヨーロッパの100以上のチームが参加しています。3つのステージでふるい落としや新規参加を経て、6チームがファイナルステージへ進みます。
研究者、Sier(システムインテグレーター)、エンドユーザーで構成されたチームが、3つのカテゴリ(再構成可能な製造セル、ショップでのマニピュレーション、ドローン等による監視)にエントリーし競技を行います。2014年に募集が開始しされ、決勝は2017年となっています。

(http://www.euroc-project.eu/ より)

RoboCup@Home

robocuphome_001_rRoboCupの1競技として開催されており、ロボットがキッチンやリビングルームなどの家庭環境で、様々な課題(人の顔と名前を覚えて挨拶、リビングのごみを片付けるなど)をこなし、その精度を競うものです。

(http://www.robocupathome.org/ 参照)

RoboCup Rescue

rescue_001_rRoboCupの1競技として開催されており、仮設の災害現場で、レスキューロボットが、災害救助活動のスピードと精度を競い合うレスキューロボットリーグと都市での災害発生を想定して、サーバー上にて消防、救急など役割の異なるバーチャル・ロボットが協力して災害救助を行う競技のレスキューシミュレーションリーグがあります。

(http://www.robocup2016.org/en/leagues/robocup-rescue/ 参照)

euRathlon

eurathlon_001_reuRathlon Project(funded by EU)が主催し、2013年から行われています。災害対応に関連するロボットの競技会で、陸・海・空でのアウトドア環境におけるロボット競技です。

(http://www.eurathlon.eu/ 参照)

ABU Asia-Pacific Robot Contest (ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト)

abu_001_r若いエンジニアたちの「モノづくり」に対する情熱と能力の育成、人材交流を目的とし、アジア・太平洋地域の放送機関の連合体 「ABU(アジア太平洋放送連合)」が主催事業として開催しています。毎年、ABUに加盟するテレビ局がホストとなり、各国の文化を反映した大会となっています。2017年の競技課題は「The Landing Disc」となっています。

(http://www.aburobocon2016.com/ 参照)

 

RoboSub

robosub_001_r1998年より年1回開催されている水中ロボットの競技会です。
海軍研究局Office of Naval Research (ONR)との共同開催で先進的な自律型無人潜水機の開発目的としています。高校生や大学生も参加でき、水中・水上でロボットに移動や運搬などのタスクを自律的に行わせる競技です。

(http://www.auvsifoundation.org/competition/robosub 参照)

RoboCup

robocup_001_r1997年より毎年開催されており、大きく4つの分野に分かれ、さらに競技ごとに細かく分類されています。2050年にワールドカップ優勝チームにロボットで勝つことを目的としたヒューマノイド型ロボットによるサッカー大会です。ロボットサイズ別やバーチャルなど複数のカテゴリで競います。
(http://www.robocup.org/ 参照)

RoboGames

robogames_001_rアメリカロボット工学協会が主催し2004年より開催されています。マイクロマウス、格闘、ロボット相撲など50以上の種目を行う総合的な競技会です。

(http://robogames.net/index.php 参照)

FRC (FIRST Robotics Competition)

firstrobotics_001_rFRCは、NPO法人FIRSTが主催する、高校生のための世界規模のロボット競技会です。1月から2月にかけて54㎏のロボットを、約6週間という短期間で製作し、3月末に行われる競技会に参加します。試合の内容は毎年変わります。

(http://www.firstinspires.org/robotics/frc 参照)

その他に、ガス・石油に関する自律ロボットのARGOS(ヨーロッパ2014年開催)自律ボートのMaritime RobotX Challenge(アメリカ2014年開催)などもあります。

 

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