ロボット保険

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ロボット保険

自動車には自賠責保険や任意保険があります。自転車にも、ケガをした場合だけでなく事故で加害者になってしまった時の賠償責任保険などがあります。では、ロボットはどうなのでしょう?ロボットを使っていて事故が起きた場合、第三者にケガを負わせた場合、ロボットが故障してしまった場合などを補償する保険はあるのでしょうか?

首相官邸にドローンを墜落させるということがありましたが、ロボットの性能が向上し、徐々に人々の生活の中に浸透してくるにつれて、ロボットによる事故・事件が現実化しつつあります。今後さらなる普及を図っていくには、そうした事故等に対する法整備と補償制度を整えていくことが必要だろうと思います。

ロボット保険の事例

〇 三井住友海上火災保険の介護ロボット保険

昨年(2014年4月)、三井住友海上火災保険が、医療機関向けに国内初となる介護ロボット向け保険を始めました。三井住友海上火災保険が販売した「医療機関総合補償プラン」は、保険とリスクコンサルティングメニューをパッケージ化したもので、「医療分野の情報化」、「サービス付き高齢者向け住宅」、「ロボット介護機器」をはじめとする、医療機関の多様化するリスクに対応した補償を提供しています。

具体的な補償内容は、クラウドサービスを活用したデータの消失リスク、医療施設内に設置されている医療機器・ロボット介護機器に生じた物的損害、欠陥や管理の不備、あるいは業務活動中のミスにより他者の生命や身体の侵害などです。また、裁判になった場合の弁護士費用も含まれています。しかし、このようなロボットを対象とした保険はまだ珍しく、おそらくこれからロボットの普及と共に様々な保険商品が提案されてくるものと思います。

ドローン保険の事例

〇 DJIと三井住友海上火災保険との提携

DJIは三井住友海上火災保険と提携して、Phantom3(ファントム3) のユーザーに1年間の保険を無償で付けています。業務で空撮をする個人・法人がドローンで事故を起こしたときに、対人で最大1億円、対物で5千万円の保険金が支払われるという内容です。ただし、趣味用途の利用での事故は支払い対象外です。保険契約機関は1年で保険料はDJIが負担します。2年目からは、保険契約を希望するユーザーごとの個別の保険契約になります。

〇 東京海上日動火災

東京海上日動火災保険は、7月から「産業用無人ヘリコプター総合保険」の販売を開始しました。補償の対象は機体にかかわるものでは、墜落や他物との接触、火災、落雷、盗難、いたずらなどです。損害賠償にかかわるものでは、他人の身体の障害または財物の損壊などです。ドローンが落下して人やモノが傷ついたり、機体が壊れたりした場合に保険金を支払います。また、機体の盗難や、行方不明時の捜索費用も保険対象になっています。

まだ少ないロボット専門の保険商品

前述のように「ロボット保険」を開発する動きはあるようですが、やはり、ロボットに特化した保険商品は少ないと言わざるを得ません。それは、メーカー側の賠償リスクなら製造物責任保険、ユーザー自身のリスクなら個人賠償責任保険、施設などで構造上の欠陥がある場合は施設所有者賠償責任保険など、既存の保険商品の組み合わせで今のところ対応できるからと保険会社が考えているからだと思います。ただ、今後は既存の保険商品で対応できないロボットに特有なリスクが想定されてくるかもしれませんし、ユーザーからすれば、自動車保険、自転車保険といった分かりやすい専用の保険を求める声もでてくるでしょうから、将来的にはロボット保険が当たり前のことになってくるかもしれません。

対象となる責任/保障対象 保険の種類 契約者
賠 償 ロボットの設計・製造上の責任、使用法の説明責任/ ロボットに起因した事故による物損、人身事故 生産物賠償責任保険 (PL保険) メーカー、販売者
日常の保守・点検実施上の責任、稼働環境・運用方法に 係る責任/施設内でロボットが引き起こした事故 施設賠償保険 施設管理者、所有者
使用責任/使用者の誤操作、不注意による物損、 他人をケガさせたことに対する賠償 個人賠償保険 使用者 (個人)
損 失 補 填 施設内事故によるロボット本体の毀損 動産総合保険 事業者 (所有者)
ロボット利用中の事故による傷害 傷害保険 使用者 (個人)
就業時のロボット使用による傷害 労働者災害補償保険 事業者

生活支援ロボット安全情報センターhttp://www.rtnet-biz.jp/rtsic/info/rinfo/insurance.html より)

生活支援ロボット安全情報センター(RT-SIC)は、生活支援ロボット起因の事故による損害や賠償を保障する専用の保険が少ない理由として次の5つを指定しています。

① 市場に投入された製品が少なく、十分な保険の需要が見込めない。

② 製品事例が少ないため事故の発生率が不明であり、料率の算定が難しい。

③ 生活支援ロボットの安全性に関する規格が策定中であり、製品が規格を満たすことを保証する認証制度も存在しない。このため、保険会社が保険を引き受けにくい。

④ 生活支援ロボットは、機械自体が自律性を持ち、かつ不特定多数の第三者が存在する環境で使用される場合があり、事故発生のシナリオと事故発生時の関係者間の責任分担の判断基準に不明な部分が多い。

(生活支援ロボット安全情報センターhttp://www.rtnet-biz.jp/rtsic/info/rinfo/insurance.html より)

 

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