ペットロボット(その2)

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aibo(アイボ)の発表

先日、ソニーから新型の犬型ペットロボット「aibo(アイボ)」が発売されました。初代「AIBO」は2006年で生産を終了していますので、実に12年ぶりの復活です。新しいaiboは「デザイン」「知的認識力」「表現力」「学習・育成能力」の4点が特徴ということです。

22軸の超小型のアクチュエータでしなやかに動き、両目は有機ELのディスプレーで豊かな表情を演出します。そして先代と大きく違うのがAIで、腰の上にSLAMカメラ、鼻先に画像認識用のカメラ、胸元に人感センサ、体にはタッチセン、さらに本体には3軸ジャイロ、3軸加速検出センサなどがあって周囲の環境を微細に察知し、様々なバリエーションのしぐさや表情を生み出しています。

AIは本体内蔵のAIとクラウド上のパーソナルAIに加えて、あるaiboがとった行動をほかのaiboにも情報を共有して行動パターンを増やすCommon AIからなっています。

このように一段と進化し賢くなって復活したaiboは、発売前の先行予約があっという間に予定数に達するなど人気のようです。また、日経電子版の「見られた映像」の週間トップデモ、「aibo発売」が1位だったそうです。

aiboのようなロボットは、コミュニケーションロボットの中の「非会話(動作)型コミュニケーションロボット」に分類されます。会話以外でコミュニケーションを図るもので、鳴き声や手脚の動き、表情、しぐさなどで反応します。ぬいぐるみを発展させたようなアザラシ型ロボット「パロ」やセガトイズが2016年から発売している「夢ねこプレミアム」などもそうしたロボットと言えそうです。

マイナビニュース調査では、aiboを欲しいと思う理由の2番目に「かわいいと思ったから」3番目に「ペットがほしかったから」があがっていましたが、こうしたペット型ロボットにはセラピー効果を狙ったものが多いようです。また、市販されているものを見ると、機能・効果・仕様もまちまちで価格差も「夢ねこプレミアム」は1万円台ですし、パロはメンテナンスパック付き(3年保証)で約45万円、そしてaiboは本体価格が税別198,000円で、「aiboベーシックプラン」が2,980円/月もしくは90,000円/3年となっており大きいようです。高機能のぬいぐるみからAI搭載の本格的ロボットまで様々です。

高齢者とペットロボット

ペットロボットにも、本物の犬や猫のような癒しや、認知症、血圧、コルステロールなど改善といった効果のあることが言われ、そうした研究成果も報告されているようですが、そうした効果だけでなく「ペットを飼いたいが、いつまで世話を続けられるか不安」といった高齢者の需要から、ペットロボットの市場は今後も拡大するだろうと予測があります。

「超ソロ社会~独身大国・日本の衝撃~」(著:荒川和久 PHP研究所)という本がありますが、その中では

「高齢者は自分の寿命との兼ね合いで、生身のペットを飼うことを躊躇する。・・・そうしたペットの代わりとして人工知能を持った会話ロボットの重要度も高い・・・」

「高齢者にとって日常的に向き合う相手がいれば、万が一倒れた場合の通信機能などリスク回避も可能になる」

(「超ソロ社会~独身大国・日本の衝撃~」(著:荒川和久 PHP研究所)より)

と述べられています。ここでは会話型ロボットを取り上げていますが、人工知能と通信機能を備えることで、単に癒しだけでなく高齢者の見守りとしてもペットロボットに期待されるものがあるようです。

「月間事業構想2017年1月号」でDMM.comロボット事業部長 岡本康広氏も、

「ペットロボットやコミュニケーションロボットも、・・・高齢者が口頭で欲しいモノを伝えるとネットで買い物をしてくれる買い物に特化したロボットや、飲まなくてはいけない薬の分量や時間を教えてくれるロボットなどが考えられます・・・」

(月間事業構想2017年1月号より)

と、高齢者とのかかわりについて触れておられます。

癒しや心のケアだけでなく、ペットロボットをインターフェイスとした高齢者生活支援システムとしてとらえる開発も考えられているようです。

ペットロボットの事例

〇 MiRo

イギリスのベンチャー企業Consequential Roboticsが開発している研究者、教育者、開発者、および医療従事者のための完全にプログラム可能な自律型ロボットです。

動物の優れた性質がソーシャルロボットの求めるものという考えで開発されているそうで、動物の感覚と意思決定プロセスから四肢や行動に至るまで、 これによって、ロボットと人間、ロボットとロボットのインタラクティブな関係に適合できるロボットの開発を目標としているとのことです。

テールワグや垂れ下がり、点滅、耳の回転、頭の動き、色付きライトなどは表現力豊かなコミュニケーションに適しています。哺乳類のようなボーカルサウンドを生成するようにプログラムされたオンボードスピーカー、光レベルセンサー、静電容量センサー、ツイン加速度センサー、温度センサー、バッテリー電圧モニターなど多くの機能やセンサーが内蔵されています。

また、ROSと独自の脳ベースの生体模倣制御システム3BCSのサポートし、好みの開発環境からMiRoを直接制御することもできます。

miro_003_Rhttp://consequentialrobotics.com/ より)

〇 LOVOTTM(ラボット)

ロボット開発のベンチャー企業GROOVE X が、LOVEとROBOTを融合して名付けたコンセプトネームで、ペットロボットという分類は適切でないかもしれません。まだ、製品の姿が発表されていませんのでどんな姿かたちをしているのか分かりませんが、同社の発表では、

高齢化・核家族化・共働き化が加速的に進み、独居による弊害などが社会問題となる中で「LOVOTTM」と一緒 に過ごすことで心が満たされ、安心し、最終的には人の能力を高めることにも役立つ・・

(新産業機構Press Release https://www.incj.co.jp/news/upload/docs/Press%20Release20171204.pdf より)

とあり、何かをする機能的なロボットではなく、人に寄り添い癒しを提供することで人のパフォーマンスや生活の質を向上させるロボットとのことです。製品発表は 2018 年末で消費者の手に届くのは2019年になるようです。

 

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