テレプレゼンスロボット (Telepresence Robot)

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テレプレゼンスロボット (Telepresence Robot)

2016年6月にNHKクローズアップ現代+で「”ドラえもんの世界”が実現!?~分身ロボットが社会を変える~」というタイトルで、テレプレゼンスロボット (Telepresence Robot) が紹介されていました。
テレプレゼンスとは、遠隔を意味する「tele」と存在を意味する「presense」を組み合わされた造語で、この言葉からも分かるようにテレプレゼンスロボットは、遠隔地の相手があたかも目の前にいるように見させてくれるロボットです。仕組みはいたってシンプルで、カメラ、マイク、ディスプレイ、スピーカーと自走や簡単な動作ができるロボットを組み合わせたもので、行きたくても行けないときに、自分の代理となって動き、互いのコミュニケーションを助けてくれるロボットです。

テレビ会議やテレビ電話との違いが分かりにくいのですが、テレビ会議の進化したものというとらえ方があります。また、テレビ会議での相手はテレビの向こう側にいるのに対して、テレプレゼンスロボットでは、相手が実際にそこに存在するかのようにコミュニケーションが取れるという違いがあります。

特徴とすれば、リアルさ、自然なアイコンタクト、簡単な操作、個人の暗黙知の伝達と共有などが挙げられるようです。また、コミュニケーションにおいては、もっと効果的なのはフェイス・トゥー・フェイスのように感じますが、人間だから顔色を窺って変な気遣いをすることもあります。そうしたことのバリアーを下げる効果もあるようです。また、人の存在が非常に苦痛に感じる人もいます。そうした人には、こうしたテレプレゼンスロボットを介したコミュニケーションは、人と接することの緊張感を和らげてくれる効果もあります。

ところで、前述の放送では、テレビでは、販売店での店員や医師に代わって患者を問診する事例、白血病と診断され外出を制限された少女の学校へ行きたいという願いをテレプレゼンスロボットの通学でかなえた事例、在宅勤務の上司と現場とのやり取りに使用し、職場の雰囲気や距離感を縮めるのに効果をあげている事例などが紹介されていました。

テレイグジスタンス・ロボット

テレプレゼンスとにたものにテレイグジスタンス(Tele-existence :Telexistence)があります。テレプレゼンスのpresense は存在という意味ですが、テレイグジスタンスのExistenceも日本語にすれば「存在」となります。ただ、Present は他動詞で、Exist は自動詞という違いがあります。

テレイグジスタンスは、遠隔臨場制御と日本語ではよばれ、「ロボットとオペレータが一体化したような感覚をオペレータに与えつつロボットの制御を可能とする概念」とこの研究の第一人者である東大名誉教授 舘 暲は述べておられます。(テレイグジスタンスの研究 -「テレイグジスタンス」の概念の提唱とその工学的実現可能性の実証-  https://sankoukai.org/secure/wp-content/uploads/untold_stories/susumu-tachi_telexistence.pdf より)

なお、この論文では、「・・・アメ リカでもテレイグジスタンスの考えが出てきたのである。「テレプレゼンス」である。」とあり、テレプレゼンスとテレイグジスタンスには大きな違いはないのかもしれませんが、テレイグジスタンスロボットは、離れた場所にいるロボットとつながってロボットに入り込んだかのような感覚を味わうという点で、テレイグジスタンスの方が、VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)の要素が強く含まれているようにも感じます。

テレプレゼンスロボットの市場規模

シード・プランニング社が2016年6月に発表したコミュニケーション&テレプレゼンスロボットに関する調査「コミュニケーション&テレプレゼンスロボットの最新市場動向~人とコミュニケーションを行うロボットと遠隔で人の代わりに会話を行うロボット(動くテレビ電話)~」 では、2024年には2015年比25倍強の473億円になると予測しています。製品価格の低廉化により、幅拾い分野での活用が進むことや医療分野、家庭への普及等も進むと見ています。
ただ、「従来のテレビ会議やスカイプなどとの決定的な違いは見いだせておらず、その場に居る存在感に利用者がどこまで魅力を感じることができるかが普及のポイント」と述べています。

0622_02_R(株式会社シード・プランニングhttps://www.seedplanning.co.jp/press/2016/2016062201.html より)

テレプレゼンスロボットの事例

OriHime

難しい設定は必要なく、本体を電源とパソコンに繋げるだけで操作可能です。インターネットを通して操作します。腕がついており、感情を動作で表現できます。

telepresence_003(株式会社オリィ研究所http://orihime.orylab.com/ より)

Double2

iPadを取り付けてインターネット経由で遠隔操作します。車輪がついており、セルフバランス機能で安定した走行ができます。高さはリモート制御で約120~150cmの範囲で調整できます。

telepresence_002_R(Double Robotics http://www.doublerobotics.com/ より)

Kubi

kubiは「首」に由来するとかで、首が左右上下に稼働します。カリフォルニアのRevolve Robotics社が開発しています。タブレット端末とkubiをつなぎ、Vidyo MobileやZoomなどのテレビ会議アプリケーションを使用しようします。

telepresence_001(Revolve Robotics http://kubi-robot.com/ より)

BeamPro

Suitable Technologies社のテレプレゼンスロボットです。離れた場所にいてもPCから操作でき、モニターにPCで操作中の人の顔を表示できます。機能はほとんど同じで高さを低くし小ぶりにした家庭用の「Beam+」もあります。8時間の連続運転が可能なバッテリーを搭載し、専用ドッキングステーションで受電します。

telepresence_004(Suitable Technologies https://www.suitabletech.com/beam-plus/ より)

AV1

ノルウェーのNo Isolation(ノーアイソレーション)社が開発したロボットです。No Isolationとは「孤立ゼロ」とい意味だそうです。長期療養中の子どもたちを孤立状態にさせないことを目指すといことっからついた名前のようです。
AV1は机に載せられるようにできています。

telepresence_005_Rhttp://www.noisolation.com/ より)

RP-VITAとAva 500

RP-VITAはルンバの米iRobot社が2012年に開発した医療向けテレプレゼンスロボットで、2013年に米国食品医薬品局(FDA)の認証を取得しています。
Ava 500は企業向けのテレプレゼンスロボットで2014年から販売しています。

telepresence_006_Rhttps://www.irobot.com/~/media/Files/Robots/Commercial%20Applications/Ava%20500/iRobot-Ava-500-Solution-Overview.ashx より)

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