ソーシャルロボット

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ロボットの分類

世の中、「〇〇ロボット」と名の付くロボットがたくさん存在します。「コミュニケーションロボット」「掃除ロボット」「ソフトロボット」「介護ロボット」「医療ロボット」・・・と数限りがありません。ロボットの分類も、きちんと定まったものがないようです。

経済産業省の資料では、大きく「産業用ロボット」と「非産業用ロボット(次世代ロボット)」に分けています。さらに「産業用ロボット」は「製造分野」と「非製造分野」に分類されてそれぞれに細かなロボットに分かれます。「非産業用ロボット(次世代ロボット)」は「生活分野」「医療/福祉分野」「公共分野」に分類され、「生活分野」なら、「警備ロボット」「掃除ロボット」「コミュニケーションロボット」などに分かれます。「医療/福祉分野」なら、「医療ロボット」「福祉ロボット」も。「公共分野」では、「災害対応ロボット」「建設ロボット」「探査ロボット」「宇宙ロボット」などに細かく分かれます。

NSKでは、下図のように分類しています。

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(NSK http://www.jp.nsk.com/services/pm_techreport/ball28.html より)

他にも、下図のように非産業用ロボットを「公共ロボット」と「ホームロボット」と分け、「公共ロボット」の細目に「軍事ロボット」を入れているものもあります。

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(http://mugentoyugen.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-18ed.html より)

文部科学省のHPには、産業ロボットの分類が掲載されています。少々古い分類ですが下図のようになっています。

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(文部科学省http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa198301/hpaa198301_2_007.html より)

ソーシャルロボット

前述のように、いろいろあるロボットですが、最近ソーシャルロボットが注目されているようです。ITproも、2016年に注目される8分野の一つとして「ソーシャルロボット」を挙げるFenox創業者のアニス・ウッザマン氏のインタビュー記事を掲載しています。(http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/ncd/14/457163/011901192/ より)

また、ワシントンポストは「Why social robots could be coming soon to a home near you(ソーシャルロボットがもうすぐ家にやってくる理由)」という記事を掲載し、フランスのBlue Frog Robotics社のBuddyや、MITメディアラボが開発したJIBOを紹介しながらソーシャルロボットについて述べています。(https://www.washingtonpost.com/news/innovations/wp/2015/07/21/why-social-robots-could-be-coming-soon-to-a-home-near-you/ より)

ソーシャルロボットとは、人間とのコミュニケーションを主眼に置いた人間をサポートするロボットです。コミュニケーションロボットとかパーソナルロボットと呼ばれるものですが、最近はソーシャルロボットという言い方をされることが多くなってきたようです。ソーシャルロボットは、人間とコミュニケーションするロボットですので、ヒューマノイド型である必要はありません。ですので、いろいろなタイプのロボットが開発されています。

ソーシャルロボットが注目される理由としては、ソフトバンクのPepperの人気もそうですが、人工知能の急速な進化、人工知能のプラットフォーム化だと言われています。

人がソーシャルロボットに求めるもの

2015年10月にジャストシステム社が「ソーシャルロボット意識調査」の結果を公表しました。それによると、ソーシャルロボットがほしい理由の1番が「最新技術に興味がある」ですが、2番目が「癒されたいから」となっており、その差はほとんどありませんでした。その次が「自宅で過ごす時間をもっと充実させたい」「話し相手や遊び相手が必要」「子どもや孫、ペットのようにかわいがる存在が必要」と続き、スケジュール管理や外国語の習得や店舗のイベントの集客といった機能的な面での理由は少ないという結果でした。

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(ソーシャルロボット 意識調査 2015年10月28日 株式会社ジャストシステム より)

癒しをロボットに求めるということは、場合によっては、人とロボットの関係が親密になり、ロボットへの愛着に留まらず愛情にも似た心理状態を作り出すかもしれません。

人のロボットへの心理的依存について、その依存が深刻になると社会問題を発生させる恐れがあるという指摘もあります。例えば、「ロボットに嫉妬する」あるいは「ロボットへの愛着を人間や動物との関係よりも優先する」といった心理状態が、ユーザーの問題行動を誘発するというわけです。また、ユーザの依存感情を第三者が利用する危険性もあるとしています。

(社会と倫理 第28号 2013年 p.37―49 「性愛の対象としてのロボットをめぐる社会状況と倫理的懸念(1)」西條 玲奈 氏 参照)

ソーシャルロボットの例

〇Nadine

シンガポールの南洋理工大学(NTU)のナディア・タルマン教授らが開発した人型ロボットです。CortanaやSiriに似た人工知能が搭載されていて、会話の内容に応じて、幸せだったり、悲しんだりすることができるそうです。記憶を維持できるようメモリが内蔵されており、出会った人々を記憶し、以前に交わした会話の内容まで覚えることができるとのことです。

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(http://media.ntu.edu.sg/NewsReleases/Pages/newsdetail.aspx?news=fde9bfb6-ee3f-45f0-8c7b-f08bc1a9a179 より)

〇unibo

uniboは、公式サイトによれば、個人の趣味・嗜好・生活習慣を学習し、その個人が求めていた潜在的なニーズと提供者側のウォンツをマッチングするロボットで、エーアイの高品質音声合成エンジン「AITalk®」によって、ユーザーのニーズに合わせた様々な情報を合成音声で届けることができるそうです。また、エーアイのオリジナル音声辞書作成サービスとの組み合わせにより、家族や友達の声、好きなアニメキャラクターやタレントの声で「unibo」を喋らせることも可能とのことです。

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(株式会社エーアイhttp://www.ai-j.jp/archives/20151201/ より)

〇Jibo

Jiboは、MITメディアラボのシンシア・ブリージール准教授が開発したロボットです。Jiboの公式サイトには次のように書かれていたものです。

See(見る):2つのカメラによる顔認識、写真撮影、ビデオ通話が可能。

Hear(聞く):360度対応のマイクロフォンで、自然な言語処理が可能。

Speak(話す):ハンズフリースピーカーで予定やメッセージを通知。

Learn(学習):人工知能によって、貴方の好みを学習。

Help(お手伝い):まるで秘書のように、毎日貴方の仕事を手助けしてくれます。

Relate(理解):貴方の感情をより自然に理解してくれます。

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(Jibo https://www.jibo.com/ より)

〇Buddy

「BLUE FROG ROBOTICS」社が開発しているロボットで、Buddyには「相棒」といった意味があります。その名のとおり、セキュリティロボット、家事こなしてくれるアシスタントロボット、癒しのソーシャルロボットとしてのさまざまな機能を備えています。また、テキストメッセージをBuddyに送ることでスピーチメッセージに変換して家族に知らせてくれたり、スピーチメッセージをBuddyに伝えれば外出中の家族にテキストメッセージを送信してくれる機能もあります。

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(http://www.bluefrogrobotics.com/en/home/ より)

〇Mabu

Mabuは生活習慣病患者向けのヘルスケアロボットで、Catalia Healthが開発しています。患者との対話を通じて患者の情報を収集し、それを病院や薬局と共有したり、ユーザがMabuとコミュニケーションをとることで自分の治療状況を確認することに役立つようです。さらにMabuは、ユーザとのコミュニケーションを通じて学習し、次第にユーザに最適化されたコミュニケーションをとるようになっていくそうです。

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(http://www.cataliahealth.com/ より)

〇Gatebox

ホログラフィーとして映し出された3Dキャラクターとコミュニケーションを取ることができるというとても斬新な発想のロボットです。株式会社ウィンクルが開発しており、世界初のホログラムコミュニケーションロボットとのことです。音声認識で電気のオンオフ、天気予報、Googleカレンダーと連動した目覚まし、顔認識を利用して、ユーザーの写真付きツイートをするなどが可能とのことです。

今後もさらに調整を重ねて2017年春の発売を予定しているようです。

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(http://gatebox.ai/ より)

これからも、さまざまなソーシャルロボットが開発され、家庭はもちろん、サービス、福祉、エンターテーメントなど、様々な場面で活用され、発展してくのではと期待されます。

 

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