コ・ロボット

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コ・ロボット

2017年1月18日から20日まで、第1回ロボデックスが開催されました。ヒューマノイドのようなロボット、ヒト型ロボット、産業用ロボットなど様々なロボットが出品され、産業用では「人と協働するロボット」をテーマとして取り扱う企業も多くあったです。人の隣で一緒になって作業をするロボットです。「コ・ロボット」と呼ばれています。コ・ロボットは、人とコラボレートするロボットという意味です。「コラボレーションロボット」「コボット」「コロボ」ということもあるようです。

コラボレートですから、人手不足を解消するという目的だけのロボットではないようです。人にはロボットと比べたとき、応用力、柔軟性、巧みさといった特徴があります。一方でロボットには、正確さ、スピード、持続性などで人より優れている点もあります。こうした双方の利点を組み合わせることで生産性の向上を図ろうというわけです。

この人と協働するロボットについて、みずほ銀行産業調査部の「みずほ産業調査53 2015 No.5 平成 27 年 12 月 25 日発行」では、

「・・労働力人口の減少を背景として、人手作業への依存度が高い、いわゆる三品産業(食品、医薬品、化粧品)や中堅中小企業において、・・・人と協働するロボットへの需要が顕在化するものと考えられる。」(みずほ銀行 産業調査部 みずほ産業調査53 2015 No.5 平成 27 年 12 月 25 日発行https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/1053_10.pdf より)

と述べています。また、2015年2月に日本経済再生本部が出した「ロボット新戦略」においては、「人とロボットが協調して働くような、人とロボットの新たなかかわり方」や「人とロボットが協働するための新たなルール作り」などが提言されており、今後、「コ・ロボット」の普及が進むものと予想されています。

corobo_001_R(【AI・ロボット・人の 共進化による 産業力向上の実現】2016年3月3日 産業競争力懇談会COCN http://www.cocn.jp/thema86-L.pdf より)

80W規制

以前、労働安全衛生法及び安全衛生規則で定格出力が80Wを超える産業ロボットは、運転中に人と接触する事故を防ぐために、さく又は囲い等を設けることとされていました。しかし、人間との協働可能な産業用ロボットのニーズの高まり、国際的には、出力値にかかわらず、安全性が確保されていればれ協働が可能であることなどから、2013年12月に、それまでの規則を見直し、「リスクアセスメントにより危険のおそれがなくなったと評価できるとき」「ISO規格に定める措置を実施した場合」に協働作業が可能であると安全基準を明確しましました。
これにより、出力が80Wを超えるロボットであっても、柵で囲うことなく人間との協働作業ができるようになり、柵設置のスペースやコストが不要になるとともに、柔軟な生産ラインが構築できるようになりました。
ところで前述のISO規格ですが、国際標準規格として ロボット単体の要件を示すISO 10218-1とロボットシステムインテグレーションの要件を示すISO 10218-2があり、2016年にそれらを補うものとしてISO / TS 15066が発行されています。

安全性の工夫

従来のロボットは安全柵に囲まれた環境で作業をしていましたが、コ・ロボットの場合、人がすぐそばにいますから、当然ながら、指や体を挟まない構造にしたり、エリアを設定して、エリア内に人が入るとロボットの動作速度を制限あるいは停止したり、人がロボットと接触すると自動停止したり、人との接触の力具合に応じてロボットの動きを制御したりといった工夫がなされています。

人とロボットの接触に関して、例えば、わずかな力も感知できるフィルムセンサーをアームに装着し、ロボットの動きを損なわずに安全性を高めたロボットや、圧力がかかった部分が赤くなり、色の濃さで圧力値を数値化できるフィルムを使ったロボット、独自のウレタン製で柔らかいロボット外装に接触検出機能を追加し、人が触れると動きを止めたりできるロボットが提案されています。

また、通常の産業用ロボットのボディーを静電容量式の接近センサーで覆うことで協働ロボット(コ・ロボット)にしてしまうという外装パーツもあるようです。さらに、人の熟練度に応じてロボットが停止せずに速度を落としたり停止したりする「止めない安全」という考え方も提唱されているようです。

ダイレクトティーチング

以前の産業用ロボットでは、ロボットの動作の変更にはプログラミングなどの専門的な知識が求められましたが、コ・ロボットでは直接教示方式(ダイレクトティーチング)が主流のようです。

ダイレクトティーチングとは、作業者がロボットのアームを実際に動かして教示する方法です。現場のロボットを使用しないオフラインティーチングもあります。

労働安全衛生法では、「産業用ロボットへの教示等作業者」「産業用ロボットの検査等の作業者」は安全のための特別教育が必要とされています。従って、誰でもロボットのティーチングができるわけではないようです。その特別教育の内容は「産業用ロボットの基本的な知識」「産業用ロボットの操作に関する知識」「産業用ロボットを扱う上での関連法令の知識」などです。講習が修了すれば「産業用ロボットの動作の順序」「動作の位置」「動作の速度の設定」などができることになっています。

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