Project Loon(プロジェクト ルーン)

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Project Loon

Project Loonとは、Googleの「Google X」プロジェクトのひとつで、世界の空にネット回線用の気球を飛ばし、ネットインフラの整っていない地域の人々にもインターネットへのアクセスを可能にしようという研究です。2013年6月にニュージーランドで実証実験がスタートしています。プロジェクト名のLoon(ルーン)は、熱気球のBaloonの”loon”と気ちがいじみたといった意味の“loon”の両方の意味をかけ合わせているようです。日本語では「おバカプロジェクト」などと訳されていることもあるようですが、突拍子もないアイデアであるとGoogle自身が思って付けた名称なのでしょうか?でも、決して無謀な計画ではなく、科学的根拠に基づいたプロジェクトです。

Project Loonでは、飛行機が飛ぶ高さの2倍高い成層圏まで風船を飛ばし、そこにインターネットの基地局を浮かべることで、広範囲に安価にネットワークインフラを構築することを目的としています。成層圏までの高さであれば航空機の邪魔にはなりません。また、気球に搭載された通信機器が使用する電力はソーラーエネルギーでまかなうそうで、太陽光発電によって得られた電力で、地球とインターネット接続をまた、風船同士での通信を行うことで、インターネット回線を作ります。

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(Google  http://www.google.com/loon/ より)

Project Loonの実証実験

実証実験は2013年にニュージーランドで行われました。直径15メートルの大型風船30個を地表から約20キロメートルの成層圏に浮かべ、アンテナを設置した50世帯は風船を経由して地上の基地局に接続するというものです。成層圏は高度により風の向きが異なる性質(一定の方向に安定した速度の風が吹く複数の層)がありがあります。風船の高度を調整することで場所を制御し、一定の範囲内にとどめる工夫をしています。

一つの気球が飛んでいっても上空に必ずもう一つの気球があるようにするために、Googleによれば“複雑なアルゴリズムと大量のコンピューティングパワーを駆使し、風に関するNational Oceanic and Atmospheric Administration(NOAA)のデータを利用して、気球の航路を予測することが出来るとしています。

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(Google  http://www.google.com/loon/ より)

気球のサイズは15×12メートル(完全に膨らんだ状態)で、太陽電池と制御用基板、無線アンテナがぶらさがっています。通信には免許不要のISM(Industry Science Medical)バンドを使い、1機の気球は地上の直径約40キロの範囲に通信速度は3Gと同程度で接続を提供できると言います。

これが実用化されれば、ロケットを打ち上げるより、また、回線を引くための工事よりも格段にコストを抑えることができ、環境への負荷が少なく、自然災害にも強い通信網となります。

2015年5月に行われた開発者向けイベント「Google I/O 2015」にて、GoogleはProject Loonの気球をLTE通信に対応し、10Mbpsの速度で繋げるよう強化したこと、さらにニュージーランドで試験に加えて、新たにグリーンランドでも実施することを発表しています。

(Google  http://www.google.com/loon/ より)

Facebookのドローンを使ったネット環境構想

Facebookも同じような上空からネット環境を届ける計画を進めています。インターネット接続用ドローンをインターネット環境が整っていない地域に飛ばして上空から電波を送ることで、ネット環境を提供するという構想を発表しています。2015年3月には10分の1サイズの実験機によるテスト飛行を終えています。

「わし座」を意味する「Aquila」とも呼ばれている機体は、翼長約50メートル、重量は約160kgと伝えられています。機体は翼に内蔵された太陽電池パネルによる電力を使って飛ぶ仕組みになっています。

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(GIGAZINE http://gigazine.net/news/20140925-facebook-jumbo-jet-size-wi-fi-drone/ より)

Googleもドローンを使ったネット環境?

2014年にGoogleは大気圏上層に長時間滞在可能なドローンの開発を行なっている「Titan Aerospace」を買収しました。Titan Aerospaceは、理論的には永久に空中滞在することが可能です。Titan Aerospaceは、当初Facebookが前述の構想のために買収を計画していた企業です。Facebookは結局イギリスの企業「Ascenta」を買収しました。

GoogleのTitan Aerospace買収のねらいは分かりませんが、Facebookと同じようにドローンを使ったインターネット接続の提供やProject Loonへの技術的な補強の他に、ドローンを使って多くの画像データを収集する目的もあるとの情報もあります。

 

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