Project Abacu

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Project Abacu

GoogleにはProject Ara、Project Soli、Project Jacquard、Project Vaultなど先端技術開発を進めるプロジェクトがいくつもありますが、Project Abacusもその一つです。Project Abacusは、ATAP(Advanced Technology and Projects) が2015年のGoogle I/O I/Oデベロッパー・カンファレンスで初めて発表したプロジェクトで、ユーザーのパスワード入力を不要にしようというものです。報道では、このプロジェクトが2016年6月から「複数の大規模金融機関」で試験運用され、そして、順調に進めば2016年末までに「Android」デベロッパーに提供されることになるかもしれないということが今年のGoogle I/Oで明らかにされたとのことです。ただ、プレゼンテーションではProject Abacusについてあまり多くは語られなかったようです。ちなみにAbacus(アバカス)とは、「そろばん」のような計算器具をさします。

Trust Score

Project Abacus は、スマートフォンに多数のセンサーが搭載されており、そのセンサーでユーザーを認識できれば、パスワード入力を行うことなくスムーズにスマートフォンを使用できるようになるという発想から始まったようです。ですから専用のハードウェアを使わず、スマートフォンに備わっているものを使い、ソフトウェアを追加するだけという画期的なアイディアです。
具体的には、ユーザーのタイピングのパターン、歩き方のパターン、ユーザの現在位置、話すスピードやパターン、顔認識など、端末上のセンサーからの信号を組み合わ、どの程度の確かさで本人であるかが「信頼スコア(Trust Score)」となり、これに基づいて個人を特定します。もしスコアが低ければ、アプリはパスワードを尋ねるようです。また、アプリによって異なる「信頼スコア」、例えば銀行はより高いスコアを要求するということも可能なようです。

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(http://www.techinsider.io/project-abacus-is-coming-in-2016-2016-5 より)

現在、ユーザーの認証には「ユーザー名」「パスワード」さらにはSMSや携帯に送られてくる特別な暗証番号などの入力が求められます。このような認証は二要素認証(二段階認証)と呼ばれています。それに対してProject Abacusのユーザー認証は、多くの要素を組み合わせていることから多段階認証といえるかもしれません。本人を確認するための要素を多く組み合わせるということは、パスワードよりもはるかに確実に本人を特定できるようになるということかもしれません。

ただ、この画期的な認証方法も、ユーザーバックグラウンドで動作し、連続的にユーザーのデータを収集しているため、現時点ではバッテリーの消耗が激しいようです。今でもスマホのバッテリーは長持ちしませんので、実際の製品への実装にあたってはこの弱点がクリアされる必要があるようです。

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