エネルギーハーベスティングとは

harvesting_001_R

←IoTに関連の深い電源供給・バッテリ技術に戻る

エネルギーハーベスティングとは

エネルギーハーベスティング技術とは、人や橋梁の振動、室内の照明光など、周りの環境から採取できる微小なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換する技術のことです。日本語では「環境発電技術」と呼ばれています。「エナジーハーベスティング」「エナジーハーベスト」と呼んだりすることもあります。この分野の製品で、広く普及しているのはEnOceanという技術を使った製品です。日本でのエネルギーハーベスティングを振興する団体として、「エネルギーハーベスティングコンソーシアム」が2010年5月に設立されています。「エネルギー・ハーベスティング技術展」という展示会が日本能率協会主催で行われています。

世界市場規模は2012年の5億ドルから2018年には50億ドルに伸びると予想されています

さまざまな予測があり、予測ごとにばらつきがあります。以下、それぞれの予測を掲載します。 「エネルギー・ハーベスティング関連機器の市場規模は,2010年の6億500万米ドルから2020年には44億米ドルまで広がる」(英IDTechEx社) 「2009年の市場規模は7950万米ドル。これが年率73.6%で成長し,2014年には12億5400万米ドルに達する」(米Innovative Research and Products社) 「2012年の市場規模は5億ドル、2017年には70億ドル超」(Yole Development社、2013年2月) 「2011年の世界の市場規模は5.1億ドル、2018年には51億ドル」(MDBトレンドレポート)

どのようなエネルギーを利用するのか?

エネルギーハーベスティングでは下記のようなエネルギーを利用します。

  • 他の通信に用いられている電磁波

ambient_backscatter_R(例1)ワシントン大学で研究されている「Ambient Backscatter」という技術は、テレビやラジオなどの環境中にある電波から電力を回収します。送信メッセージは周囲のWifi信号を選択的に反射することで符号化し(デバイス自体が電波を発振するのではなく)、バッテリーなしでのデバイス間通信を実現しています。1年以内に商品化する計画です。(日経サイエンス2015年2月号参照)

  • 構造物や動物や車両の振動、エアコンなどの熱

bolt(例2)マイクロジェン・システムズ社は周囲の振動を電力い変化して利用する「ボルト」という500円玉サイズの発電機を発売しています。50/60Hz、100~1500Hzハーモニクスに対応した小型のエネルギーハーベスト製品であるため、様々な用途で利用が検討されています。充電可能な予備バッテリーもラインナップされています。(日経サイエンス2015年2月号、http://www.cornestech.co.jp/webmagazine/index_vol010_1_1b.html#section01参照)

  • 室内照明などの光

wysips_R(例3)フランスのサンパートナー・テクノロジー社は、表示表面を覆うことが出来る透明な太陽電池(光から電気を発電するエネルギーソリューション「Wysips(R)(ウィジップス) 」)を開発しています。すでにスマートフォンや腕時計型端末ディスプレーを生産しています。(日経サイエンス2015年2月号参照)

  • ほかの装置の発する熱

thermoelectric_element(例4)韓国科学技術院(KAIST)は服のように作って着れば体温を利用して携帯電話、ウェアラブル電子機器などを使用するのに十分な電力を出す「ウェアラブル熱電素子」を開発しました。新しい素子は一般繊維のように加工が容易で、横×縦10センチで約40ミリワット(気温20度、体温37度基準)を発電できます。

  • 水道水などの水流の位置エネルギーや運動エネルギー

  • 環境に存在する電位差

A9C93819 (http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2901S_Z20C10A9000000/ より)

エネルギーハーベスティングの利用事例

ビルの配電系システムやセンサ

配線が不要で電池交換も必要ないという利点が生きる、ビルの照明のスイッチや窓の開閉スイッチなどに採用されています。

輸送機器や車両用のセンサ(タイヤの空気圧モニタリングなど)

配線が不要というメリットから、機器内の配線の状態の監視に使えるのではと予想されています。また、タイヤの空気圧モニタリングシステム(TPMS)への応用も有力です。TPMSは、2007年にアメリカで装着が義務化され、その後、EUでも2012年、韓国でも2013年に義務化されました。日本では義務化は検討中の状態です。

高温/低温環境での動作が必要な機器

バッテリがうまく動かなくなるような温度になる装置の一部に用いるということもエネルギーハーベスティング機器の利用ケースとしては適しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です