電化道路

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EV

環境問題、エネルギー問題を考えたとき、遠からず車はEVやFCVになるのかもしれません。EVに関しては、その歴史はガソリン車よりも古く、ガソリン車の誕生から遡ることおよそ50年前の1839年に、すでに誕生していたと言われています。時速100kmの壁を超えたのもガソリン車よりも早かったそうです。1900年頃には自動車の40%が電気自動車だったというのですから驚きです。しかしガソリン車の進歩によって、その地位を奪われていくのですが、今また、復権しようと技術開発が進められています。

ところで、ガソリン自動車の部品点数は全体で10万点にものぼり、その内エンジンに関わる部品は1万~3万点とのことです。これが、電気自動車になるとガソリン車の1/100~1/300の部品点数で済むというのです。今は、バッテリーなどの値段が高く、電気自動車は値段が高いというイメージがありますが、部品点数が少ないということは、量産化が進めばガソリン車よりも製造コストがかなり下がる可能性があるとも言えます。

電気自動車の普及に向けてのハードルはいくつもまだあります。一つはバッテリーです。まだ1回の充電で走行できる距離は短く遠乗りには向きません。もう一つは充電ポストの問題です。いくら航続距離が伸びでも、やはり出先での充電は必要になります。充電方法の統一や急速充電の技術など課題があります。

そんな中、道路からワイヤレスで給電する屋外実験に成功したとのニュースがありました。

〇バッテリーレスEV

実験を行ったのは大成建設と豊橋技術科学大学です。実験は、電力給電機能を埋設した道路の上をバッテリー未搭載の電気自動車(EV)を走らせるというもので、具体的には、路面下に埋め込んだ金属板の電極に高周波エネルギーを供給し、タイヤのスチールベルト(※1)とホイールを経由してEVに搭載したモーターに電気を送るそうです。

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(豊橋技術科学大学 http://www.tut.ac.jp/news/160318-9172.html より)

(※1)スチールベルト

タイヤのトレッド部に剛性をあたえ、曲がる力・止まる力・駆動する力を発生させると共に路面からの衝撃を吸収する部分。また、スピードに対する遠心力に耐える働きを持っている。

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ミシュラン http://store.michelin.co.jp/buying-guide/tire-basic/name/ より)

電力をワイヤレスで連続給電しますので、EVの課題である航続距離の短さや充電ポストの設置といった問題がありません。また、道路の耐久性についても、現在の道路とほとんど変わらないとのことです。道路にレールが埋め込まれていますので、自動運転に利用することも期待できるともいわれています。今後は2018年までに現在の給電出力5kwを倍の10kwに、給電効率を現在30%から70%に、その後2021年までに給電出力を100kw、そして2022年には自動車専用道路での実証実験を目指しているそうです。

今後、安全性などをさらに向上させ、コストを下げていけば、さしあたって工場内や倉庫での搬送システムとしての運用が考えられそうですが、バッテリーを搭載したEVとバッテリーレスのEVの棲み分けはどうなっていくのでしょうか?

〇 OLEV

OLEVは「Online Electric Vehicle」の略で、​地中に埋め込んだ電線からワイヤレス給電で自動車を走らせようというものです。韓国の KAIST (Korea Advanced Institute of Science and Technology、韓国科学技術院)が開発しています。しくみは、KAIST が開発した SMFIR (Shaped Magnetic Field in Resonance)という技術で、地中に埋没した電線で磁場を発生させ、それをOLEV の車体下部にある受信機で受けて電力に変換するというものだそうです。2013年に片道12キロメートルの道路でバスを1日10往復走らせる実験を行っています。このOLEVという技術は、2010年のタイム誌「2010世界最高の発明品50選」(The 50 Best Inventions of 2010)において、グーグルの「 Driverless Car」とともに 「Road-Embedded Rechargers」として選ばれています。

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(http://www.build.mk/forum/forum_posts.asp?TID=50&PN=56 より)

〇 DWPT

イギリスでも政府交通機関「Highway England」において同じような研究開発が行われています。Dynamic Wireless Power Transfer (DWPT)といわれるものです。韓国のOLEVは路線バスでの実用化を想定し、決まったルートを決まった車両が走行するというものですが、イギリスのプロジェクトは、一般車(EV)に対して、走行しながら給電するシステムで、実証実験も主なっているようです。

イギリスの特徴の一つに、非接触充電専用レーン設置に既存の作業者を技術を使用して、レーン設置のコストを削減していることがあります。

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(https://www.gov.uk/government/news/off-road-trials-for-electric-highways-technology より)

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