ORiN

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ORiN

ORiN(Open Resource interface for the Network)は、ロボット、PLC、CNC(computerized numerical control:コンピュータ数値制御)などの工場内の各種装置に対して、メーカーや機種の違いを超えて、統一的なアクセス手段と表現方法を提供する通信インタフェースの規格です。「ORiN2 仕様書」には、「ロボットや様々なFA 機器などの幅広いリソースを統一的に扱うことのできるフレームワーク」あるいは「産業用ロボット、PLC、NC(numerical control:数値制御)等のFA デバイス(機器)との標準的なプログラムインターフェイスを与えるミドルウェア」と記されています。

経済産業省の「2015年版ものづくり白書」では、ORiNは、装置のメーカーやモデルごとに存在する通信規格の差異を抽象化して吸収する制御ネットワークに依存しない通信規格の異なる装置どうしを仲介し通訳機能を果たすツールといったような表現があります。また、各種装置の接続インターフェースが標準化され、ネットワークの標準規格が統一されるまでの移行期の対応方策としてのツールとし、その代表的なものとして、OPC-UAやORiNを挙げています。

ORiNの歴史

ORiNは当初、メーカーや機種の違いを超えてロボットへの統一的なアクセス手段を提供する標準プラットフォームとして、1998年に日本ロボット工業会が検討をスタートさせました。そして1999年にNEDOの3か年プロジェクトとして策定が進められました。2002年3月には、ORiN Ver1.0の仕様が制定され、ORiN Ver.1 ソフトウェアをリリースしました。その後、2002年にORiN協議会が発足し、2005年にORiN Ver.2がリリースさ、2006年にORiN2 SDKとしてデンソーが商品化しています。2011年にはORiN Ver2.0仕様の一部がISO20242-4としてIS発行され、国際標準規格と認められました。

ORiNは現在、ロボットだけでなくFA機器やデータベース、ローカルファイルなど幅広いリソースを扱えるようになっています。ちなみに、ロボットコントローラにおけるネットワークインターフェースの標準化を目指していた当時は、ORiNは「Open Robot Interface for the Network」となっていましたが、今は「Robot」ではなく「Resource」となっています。(ORiN2 仕様書version 1.0 August 25, 200  http://www.orin.jp/wp-content/uploads/2013/03/orin2report.pdf 参照)

ORiN導入のメリット

経済産業省の「METI Journal April/May 2015」では、ORiN導入の最大のメリットとして、「PCのアプリケーションソフトウェア、さまざまなメーカ、新旧のロボット、PLCのみならず、他の標準技術などとも容易に接続できること」「それら情報を活用した製造システムソフトウェアの効率的な開発」などを挙げています。そして、ORiNの導入によって約40%の工数削減を実現した事例を挙げています。

orin_002_R(METI Journal April/May 2015 http://www.meti.go.jp/publication/data/newmeti_j/meti_15_04_05/book201/book.pdf より)

ORiNの構成要素

初期の,ORiN1(Ver.1)はRAO(Robot Access Object)、RRD(Robot Resource Definition format)、RAP(Robot Access Provider)から構成されていました。RAOはアプリケーションと機器間の統一的な通信手段を提供するRAO Engine(以下,Engine)と機器間の通信手段およびデータ表現の違いを吸収するRAO Providerからなる標準プログラムインターフェイスです。RRDは機器内のリソース情報やメーカや機種の固有情報をXMLで記述する標準データスキーマです。RAPはORiNをインターネット環境で利用するためのインターネット対応通信プロトコルです。

現在のORiN仕様はVer.2.0で、これをORiN2と呼んでいます。Ver.1のRAO相当のCAO(Controller Access Objec:標準プログラムインターフェイス)、RRD相当CRD(Controller Resource Definition:標準データスキーマ)、RAP相当のCAP(Controller Access Protocol:インターネット対応通信プロトコル)という3つの基本技術から構成されています。

CAOは、クライアントアプリケーションおよびロボットコントローラ、PLCなどのFA機器に対して、共通のインターフェイスと機能を提供する「標準プログラムインターフェイス」で、分散オブジェクト技術をベースに開発されています。ORiN2 SDK(ORiN2の仕様に基づいたアプリケーションプログラムやプロバイダを開発する為のミドルウェア)では、分散オブジェクト技術にマイクロソフト社のDCOM(Distributed Component Object Model:分散COM)を実装しています。DCOM版CAOは、C++,JAVA,Visual Basicなどさまざまなプログラム言語から使うことができます。

CRDは、FA機器が持つリソース情報を、XML(Extensible Markup Language)で記述するための規格で、RRDより多様なデータ表現が可能となっています。データスキーマをCRDスキーマと呼び、メーカごとに異なるさまざまなデータを1つのCRDスキーマで表現することができます。

CAPとは、SOAP(Simple Object Access Protocol)技術をベースに開発され、RAPより通信性能が大幅に改善されています。SOAPとは、XMLフォーマットで記述されたメッセージをHTTPで送信することにより、リモートのPC上にあるオブジェクトを呼び出すための軽量のプロトコルです。

orin_001_R(ORiN2 仕様書version 1.0 August 25, 200  http://www.orin.jp/wp-content/uploads/2013/03/orin2report.pdf より)

(ORiN協議会 FAQ  http://www.orin.jp/tech/faq/ 参照)

 

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