Project Fi

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Project Fiとは

Project Fiは、グーグルが始めた携帯電話サービスです。自前の基地局は建設せずに、T-MobileとSprintのネットワークを借り受けるMVNO(※1)サービスです。さらに、同時に公共のWi-Fiにも接続できるというものです。その時々で一番適した通信回線に自動で切り替えることができます。グーグルは2012年に「Flexible Communication Systems and Methods」という特許を取っているそうで、それは、端末側の機能とネットワーク側の機能が連携して、最適なネットワークに接続する技術の特許だそうです。前述の通信回線の自動切り替えに、この特許の技術が使われているのかもしれませんが、正確なところは分かりません。

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(http://www.tiriasresearch.com/google-project-fi-means-more-than-low-cost-wireless/ より)

また、携帯電話サービスですので音声通話はもちろん可能ですが、電話番号も発行され、ナンバーポータビリティーも可能とのことです。LTE通信、テザリング(※2)、Wi-Fi Callingが利用できるようです。Wi-Fi Callingとは、Wi-Fi上での通話やSMSなどを可能にする技術で、米国内でのWi-Fi通話は無料のようです。

Project FiはT-MobileとSprintの2社を利用しますが、そのため、2社のネットワークに接続するための専用のProject Fi SIMカード(Google SIMカード)をグーグルは用意しました。ただ、デュアルタイプのIMSI(International Mobile Subscriber Identity) SIMなのか独自のSIMなのかは分かりません。

その他の機能としては、Google Voice対応で、一つの電話番号でスマートフォンやタブレットなど複数の端末で電話を受けることができます。自分の契約情報がクラウド上に保存されることで、自分の電話番号にかかってきた電話をGoogleの音声通話アプリ「Google ハングアウト(Hangouts)」を利用して、別のスマホやタブレット、PCで受けることができます。

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(https://www.theindiantalks.com/technology/what-has-changed-in-the-new-hangouts/11835 より)

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(http://www.anandtech.com/show/9179/google-unveils-project-fi より)

さらに、電話番号がクラウド化されていること、通話中に4G LTEの圏外へ移動してしまったときでも、Wi-Fiが利用できれば、通話が切れることなくWi-Fiを使ってそのまま通話を続けられます。

ただ、こうした特徴があるProject Fiですが、現時点ではGoogleが販売している最新のスマホ「nexus 6」でしか利用ができません。また、対応エリアは、今のところアメリカやカナダ、メキシコ、プエルトリコでに限られているようで、日本や欧州では利用できません。しかし、Sprintは、日本のソフトバンクの傘下にある会社ですので、ひょっとしたらという淡い期待を抱く人々もいるようです。

(※1)MVNOは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略で、携帯電話などの無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者のことです。

(※2)テザリングは、スマートフォンや携帯電話を中継点とすることで、他の通信機器(ノートパソコン・タブレット端末・ゲーム機など)をインターネットに繋いで利用できる機能のことです。テザリング機能のあるスマートフォンがあれば、WiFiルータがなくても、また、屋内、屋外に関係なく、パソコンやゲーム機でインターネット通信ができます

Project Fiの料金

料金は、音声通話やメッセージを含む基本料金が20ドルで、データ通信は1GBごとに10ドルです。データ通信が増えればその量に応じて基本料金にプラスされていきます。最低料金は1GB/月で30ドルです。音声通話は米国内で無制限、SMSは米国内でも海外でも無制限です。

また、契約したデータ量のうち、使わなかったぶんは1MBが1セントの計算に返金されるとのことです。日本ではあまった通信容量は翌月に繰り越せるというのが主流ですが、Project Fiでは使いきらなかった分は返金される仕組みとなっています。翌月に繰り越しても結局使い切れずに累積していくだけならば、返金方式の方がユーザにとってはありがたい制度のように感じます。

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(http://www.anandtech.com/show/9179/google-unveils-project-fi より)

さらに、多くの国(日本を含む世界120か国)で国際ローミング料金が実質ありません。米国内と同じ1GBあたり10ドルの料金で利用できます。但し、通信速度は上下ともに256kpsに制限されています。日本の場合だと、WiFi経由での通話は無料で、非WiFi経由(ローミング)での通話 $0.2/分、データ通信は$10/GBでアメリカ国内と同様ですが通信速度は256kbpsに制限されます。

こうした料金設定が割安かというと、3GBを超えてたくさんのデータを使う人や家族プランを契約している場合は、通信キャリア大手のサービスの方が割安になることが多いとのことです。またローミングについてもキャリアの通話料金よりも高いとの指摘もあります。

Project Fiの狙い

ユニークな料金体系ではありますが、既存の通信キャリアよりも割安というわけでもないようです。ですので、現在の通信業界に割って入ろうというねらいではなさそうです。Googleの狙いは「電話番号のクラウド管理」の普及にあるとする見方があります。

電話番号へのテキストや通話はSIMカードを入れた端末で送受信するのが通常ですが、先に述べたようにFiの場合は、電話番号の通話やテキストはクラウドで処理され、同じGoogle IDでログインしているPCやモバイルデバイスの音声通話アプリ「Google ハングアウト(Hangouts)」を利用して、電話番号を使ったテキストや電話のやり取りが可能です。こうしたシステムを普及させようというのがProject Fiのねらいだというわけです。

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