M2Mと020

020_007_R

M2Mへ020を開放

2015年10月16日公表された総務省の情報通信審議会の資料では、2016年から電子機器など機械同士の通信向けに「020」で始まる携帯電話番号を開放するとのことです。私たちが使う携帯番号は11桁ですが、M2M/IOT向けの020は13桁あり、約80億の番号を用意するそうです。

M2Mなどに特化した番号の創設について、総務省のホームページに掲載されている高市総務大臣閣議後記者会見の概要によると

(1)M2M向けの大きな番号需要に対応することができる

(2)番号割り当て要件を緩和することで、M2Mの展開を迅速化できる

(3)現在の携帯電話番号の番号確保にも資する

などの点を挙げ、このことによってIoT社会の進展を後押しする大きなメリットがあるとしています。

今後は、委員会としての案を取りまとめ、パブリックコメントを経て情報通信審議会から答申が出される予定となっています。

番号の枯渇

前述の(3)の「携帯電話番号の番号確保」については、現在、090、080、070の3種類で2億7000万分の番号が用意(090、080はすでに枯渇)されています。しかし、平成27年3月末時点で、指定可能な番号数の残は070番号帯の4,420万番号のみとなっており、早ければ2018年に番号が枯渇するとも言われていました。そのため「060」の新設が検討されていたのですが、今回、機器間通信向けに「020」を割り当てることで、現在データ通信専用にも割り当てられている「070」の枯渇を当面防げると判断されたようで、携帯電話向けの「060」の新設は見送りとなりました。しかし、問題を先送りしたようなものですので、報告書案には将来の不足に備え「060」を使えるようにすることも検討課題に盛り込んでいます。報告書案には「携帯電話番号の需要やM2M等専用番号の利用動向を踏まえつつ、将来的に携帯電話番号として使用することも見据えて留保しておくことが適当」と記されています。060は現在、UPT(Universal Personal Telecommunication)サービス(※1)及びFMC(Fixed-Mobile Convergence)サービス(※2)に割り当てられています。

さらにひっ迫した場合として報告書には、「0900番号及び0700番号は未使用であるところ、番号のひっ迫状況によっては、将来的に携帯電話向けに使用するべきとの判断もあり得るため、引き続き留保しつつ、番号の使用状況全般を注視していくことが適当である」と述べています。

(※1)機器などを問わず、世界中のどこからでも、一つの番号によってサービスを受けることができる通信システムで、NTTコミュニケーションズが「eコール」の名称でサービスを提供しているものです。

(※2)固定電話と携帯電話を融合させたサービスで、一つの電話機で外では携帯電話として屋内では固定電話の子機として利用するというものです。英BTの「BT Fusion」などがあります。

 020_002

(「携帯電話番号の有効利用に向けた電気通信番号に係る制度の在り方報告書(案)平成27年10月16日」より)

ところで、0A0で始まる番号は、携帯電話、PHS、ポケットベル等に割り当てられています。

010:国際電話接続番号

020:発信者課金ポケベル

050:IP電話

070:PHS

080:携帯電話

090:携帯電話

020から090まで、番号の最初の0から全部で11桁となっています。

 020_005_R

(「携帯電話番号の有効利用に向けた電気通信番号に係る制度の在り方報告書(案)平成27年10月16日」より)

 M2M専用番号の導入の意義と課題

M2M等専用番号導入の意義について、「携帯電話番号の有効利用に向けた電気通信番号に係る制度の在り方報告書(案)」では、電気通信番号の効率性の確保サービス利用者の利便性確保・向上M2Mサービス等の活性化の3点を示し、次のように説明しています。

電気通信番号の効率的利用の確保については、「090/080/070番号については、桁増しを混乱なく行うことは困難であるが、M2M等専用番号を導入する場合、桁増しを行っても利便性の観点からのデメリットが小さく、M2M等専用番号の導入は、桁増しを通じた番号資源の効率的活用のための手段確保につながる」と説明しています。また、サービス利用者の利便性確保・向上については、「音声通話向け番号帯をできるだけ増やさずに090/080/070番号を用いることができ、利用者がM2Mやその他のデータ通信専用サービス向けの機器や端末に誤発信することによる混乱を減らすことができる」ことを挙げています。M2Mサービス等の活性化については、「M2Mサービスと携帯電話サービス等と比べてその違いや特性示しながら音声通話を行う携帯電話とはサービスの形態が大きく異なることを挙げて、M2M等サービスの円滑な導入・運営や活性化を促進することができる」と説明しています。

もちろん課題もあるわけで、報告書案では、既にM2M等向けに使用されている090/080/070番号のM2M等専用番号への円滑な移行、ネットワーク改修等に係る設備投資コスト、桁増しを行うタイミングや方法の適正化などを挙げています。

 M2M関連の電話番号

今後、M2M関連の電話番号の需要が伸びていくことが予想されますが、NTTアドバンステクノロジーは2020年にはその数が4,200万番号になると予想しています。また、シード・プランニングはM2Mで利用される携帯電話の回線数は2020年で9,162万件になると予想しています。

 020_003

(「携帯電話番号の有効利用に向けた電気通信番号に係る制度の在り方報告書(案)平成27年10月16日」より)

NTTアドバンステクノロジーは4,200万の内訳を例えば、農業センサーによる状態監視(温度、湿度、日照量、雨量、土壌、水温、塩害)、植物の栽培支援、畜産用の動物の健康状態モニターで4,650,875、在宅用医療機器モニタリング、ヘルスケア、AED遠隔監視で546,850、スマートメーター(電気、ガス、水道)で4,800,000、機器保守(印刷機、ごみ箱、重機、船舶、自動販売機、工場用機械、風力発電機、ATM)で1,508,750などと具体的に示しています。

 020_006_R

出典:「固定電話の番号区画等に関する調査研究 報告書」 (平成27年3月 NTTアドバンステクノロジ株式会社)及び「携帯電話番号の有効利用に向けた 電気通信番号に係る制度の在り方 参考資料」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です