IoT とセンサ

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IoT とセンサ

IoT は、デバイス、ネットワーク、クラウドの3つの階層に分類されます。センサはそのデバイスに当たりますが、下図のようにセンサにはその用途によってさまざまなものがあります。野菜工場のような農業分野では温度、湿度、pH、二酸化炭素、雨量等のセンサが使われていますし、スマートウオッチなどのウェアラブルでは脈拍センサ、加速度センサ、血圧センサなどが使われます。また、同じ温度センサーであっても用途に応じてまた何種類にも分けられます。これらセンサーの性能・技術は近年急速に進展し、小型で安価なものが提供されるようになってきています。

こうしたことから、2020 年には世界で500 億台の“モノ”がインターネットに繋がると予測され、アリカでは、年間1兆個のセンサーを使用する社会「Trillion Sensors Universe」を2033年ごろに実現することを目指してTSensors(Trillion Sensors)プロジェクトが始まっています。

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(出典:みずほ産業調査「IoT(Internet of Things)の現状と展望」みずほ情報総研より)

伸びるセンサ市場

センサ市場は、IoTやスマホ、ウエアラブルなどによって大きく伸びています。富士キメラ総研が2015年8月に発表した調査報告書によれば、2014年度の市場規模は4兆5771億円で、個数は311億4000万個でした。

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(富士キメラ総研 http://www.fcr.co.jp/pr/15080.htm 参照)

2011年度は3兆2669億円でしたから3年で約1兆3000億円、2011年度比では40.1%も市場が拡大したことになります。富士キメラ総研が2012年に発表した報告書では、2020年の予測を2011年比38.6%増の4兆5,293億円としていました。2014年ですでにその規模に達していますので、予測を大きく上回る勢いで市場が拡大していると言えるかもしれません。

今回の報告書では、2019年度の市場規模を2014年度比21.4%増の5兆5576億円、個数では同34.4%増の418億6000万個と予測しています。

センサー市場での日本メーカー

少々古い調査ですが、2011年時点の世界センサ市場における日系メーカーのシェア(数量ベース)は54%(JEITA「センサ・グローバル状況調査」)であり、高い技術力を持った企業も多いことから日本が強い分野だと言われています。しかし、一方で日本のセンサー技術の競争力は高くないと見る専門家もいます。それは、コンシューマー機器向けMEMSセンサーのシェアで欧米に大きな差を付けられており、例えば、スマートフォンに使われているMEMSセンサーでは、日本の企業の強いのは地磁気センサーだけというわけです。

2015年3月に市場調査会社のYole DéveloppementがMEMS製品のリポートを発表しました。それによればドイツのRobert Bosch(ロバート・ボッシュ)がダントツのトップで、2014年のMEMS関連の売上高は前年比20%増の12億米ドルでした。次はフランス・イタリアの合弁半導体のSTMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)ですが、グラフからも分かるように2社の間には4億米ドルもの差があります。日本企業でトップ10に名を連ねているのは、7番目にデンソー、8番目にパナソニックの2社です。10位台にはキャノン、村田製作所、20位台にはアルプス電気、セイコー・エプソン、オムロンなどの企業が入っていますが、残念ながら大手半導体企業は市場に入り込めていません。

スマートフォンやタブレット端末の成長に伴い、MEMSセンサ市場が堅調に伸びている中で、日本企業のMEMS市場での地位がBosch、Texas Instruments、STMicroelectronics、Hewlett-Packard、Knowlesのトップ5社から大きく離されていることからも、日本のセンサ技術の競争力に危機感をもつ専門家もいるようです。

これからMEMS市場が成熟していくにつれて、技術力・競争力のある企業が市場を占有する状況になっていくと予想されていますが、その中に日本企業が残っていけるのか、このまま手をこまねいていると、IoT関連技術の中でかろうじて強いとされているセンサ分野においても、日本企業の存在が危うくなるのではと心配になってきます。

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(Yole Développement  http://www.yole.fr/iso_album/illus_top30mems_march2015.jpg より)

 

(執筆中)

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