クラウドコンユ―ティングとIaaS 、PaaS、SaaS

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クラウドコンピューティングの構成要素「IaaS 、PaaS、SaaS」

IaaS 、PaaS、SaaS、は、クラウドコンピューティング・サービスにおける「構成要素」を示すものです。IaaSはInfrastructure as a Service 、PaaSはPlatform as a Service 、SaaSはSoftware as a Serviceの頭文字をとったもので、その定義は以下のようにされています。

IaaSは「サーバ、CPU、ストレージなどのインフラをサービスとして提供する」

PaaS は「アプリケーションを稼働させるための基盤(プラットフォーム)をサービスとして提供する」

SaaS は「アプリケーション(ソフトウェア)をサービスとして提供する」

(総務省・スマートクラウド研究会報告書http://www.soumu.go.jp/main_content/000066036.pdf より)

上記のことを図で表すと下図のようになります。

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(ITmedia エンタープライズhttp://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1006/16/news023.html より)

もう少し詳しく表すと下図のようになります。青くなっているレイヤが自社管理するレイヤ、グリーンのレイヤはサービス事業者に管理を任せるレイヤです。ちなみにオンプレミスとは手持ちシステムです。

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(CodeZine http://codezine.jp/article/detail/8051 より)

IaaSでは、ユーザーは何もインストールされていないサーバー環境を提供され、その上にユーザーが必要とするミドルウエアや、アプリケーションソフトウエアをインストールすることになります。代表的なサービスとしては、Google Compute Engine や Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) などがあります。

PaaSは、IaaSの構成要素に「ミドルウエア」を加えたものです。IaaSでは、OSの各種設定や保守作業をユーザー自身が行う必要がありますが、PaaSではそのような作業が不要となります。

SaaSでは、ユーザーはネットワーク・ハードウエア・OS・ミドルウエアのすべての要素について、自身で準備をする必要がありません。SaaSのアプリケーションの機能が不十分である場合は、ユーザー自身が機能を追加開発することも可能です。

クラウドコンピューティング

(1)一般的な定義

クラウドあるいはクラウドコンピューティングは、一般的には「インターネット経由で提供されるさまざまなサービス」のことを指して言うことが多いようです。個人なら、従来自分のPCのハードディスクの中に保管していたものをネットワーク上に置き、いつでもどこからでも利用できるようにしたものです。今は、データに限らず、アプリケーションやOSまでクラウドサービスで提供されるようになっています。

クラウドには大きく分けて「プライベートクラウド」と「パブリッククラウド」の2種類あります。「プライベートクラウド」というのは、企業が自社内にクラウドコンピューティングのシステムを構築し独占的にサービスを享受するものです。これに対して「パブリッククラウド」とは、企業や組織などの不特定多数のユーザーでクラウドコンピューティングを共有しサービスを享受するものです。す。

① プライベートクラウド

プライベートクラウドは、サーバ等はクラウドプロバイダーが所有するものを利用しますが、OSやソフトウェア、回線などは、企業が自在にカスタマイズ、コントロールできます。また、クローズドなシステムとなるため、企業内セキュリティポリシーの実現が図りやすく、また、クラウドサービスの仕様も自社で決めることが可能です。企業内のシステムを一定のレベルで統一して効率的に運用ができるというメリットもあります。一方、高コスト、こまめなリソース追加、縮退に向かないといったデメリットもあります。

プライベートクラウド事業者としてはIBM、富士通、NEC、IIJなどがあります。

② パブリッククラウド

サーバ本体、OSを始めとしたソフトウェア、回線などの環境をユーザ全体で共有します。パブリック・クラウドを提供する事業者は、自社で大規模なデータセンターを多数構え、仮想化、分散化等の技術を用いてクラウド環境を実現し、可用性を担保する運用ノウハウが確立してユーザに提供しています。パブリッククラウドは「使いたいときに、使う分だけ」利用し、初期導入費用も安価です。メンテナンスもクラウドプロバイダーがしますので維持のコストかからないというメリットがあります。一方、ユーザからはシステムがブラックボックスであるためコントロールができないというメリットもあります。

パブリッククラウド事業者としては Google、Amazon、Microsoftなどがあります。

(2)NISTの定義

前述ではクラウドコンピューティングの一般的なとらえ方を紹介しましたが、専門的には米国国立標準技術研究所(NIST)の定義が広く引用されます。NISTは次のようにクラウドコンピューティングを定義しています。

クラウドコンピューティングは、共用の構成可能なコンピューティングリソース(ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービス)の集積に、どこからでも、簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスすることを可能とするモデルであり、最小限の利用手続きまたはサービスプロバイダとのやりとりで速やかに割当てられ提供されるものである。このクラウドモデルは可用性(※1)を向上させるものであり、5つの基本的な特徴と3つのサービスモデル、および4つの実装モデルによって構成される。

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(IT Leaders http://it.impressbm.co.jp/articles/-/11257より)

① 5つの基本的な特徴
上図から分かるように基本的な特徴は次の5つです。

・オンデマンド・セルフサービス

サーバの時間設定やネットワークストレージ設定を必要に応じて、クラウドサービスを提供するエンジニアのサポートなしに利用・変更できること

・幅広いネットワークアクセス

ネットワークを通じてサービスが利用可能であり、様々な形態からのアクセス可能なサービスであること(携帯電話やシンクライアント、ラップトップPC等)

・リソースプーリング(リソース共有)

複数の利用者が同時に利用可能であり、利用者の要求に応じてリソースが動的に割当られるサービスであること。また利用者がサーバやストレージの場所を意識する必要のないこと。(国や州、データセンターレベルの特定は可能であること)

・迅速な弾力性(柔軟性)

必要なリソースを、自動的(または手動的)且つ迅速に割り当て、解放できる仕組みを備え、拡張性のある環境であること。利用者は必要なリソースを適宜購入可能なこと

・度数性(利用状況の計測)

サービスのタイプ(ストレージ、処理能力、帯域、利用者数等)に応じて、利用状況が計測可能なこと

(ニュートン・コンサルティングhttp://www.newton-consulting.co.jp/itilnavi/guideline/security_and_privacy_in_public_cloud_computing.htm 参照)

② 3つのサービス

3つのサービスモデルとは、これまで述べてきたIaaS 、PaaS、SaaS です。

③ 4つの実装モデル

4つの実装モデルとは、「プライベートクラウド」「コミュニティクラウド」「パブリッククラウド」「ハイブリッドクラウド」で、クラウド利用者側の違いによって分けられます。

・プライベートクラウド

単一の組織によって運用されるクラウド基盤で、内部または外部のデータセンタ及びその上に構築されるサービスを占有すし、他の利用者との共有は行いません。自社運用型(on premise)と他社運用型(off premise)が存在します。

・コミュニティクラウド

複数の組織によって共有され、同じ利害関係(使命、セキュリティ要件、ポリシー、コンプライアンスに関する懸念事項)を持つコミュニティを支援するクラウド基盤で、コミュニティに属する利用者と共用します。自社運用型(on premise)と他社運用型(off premise)が存在します。YoutubeやFacebookなどが該当します。

・パブリッククラウド

一般消費者や大規模な団体が利用可能なサービスであり、クラウドサービスを販売する組織により所有されるクラウド基盤です。Gmailなどが該当します。

・ハイブリッドクラウド

「プライベートクラウド」「コミュニティクラウド」「パブリッククラウド」を組み合わせたものです。

(ニュートン・コンサルティングhttp://www.newton-consulting.co.jp/itilnavi/guideline/security_and_privacy_in_public_cloud_computing.htm 参照)

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一般社団法人 電子情報技術産業協会 (JEITA: Japan Electronics and Information Technology Industries Association)http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=445&ca=1 より)

※1 総務省・スマートクラウド研究会報告書では「可用性(availability) : サービス提供側にとって、特定のサーバ群に問題が発生した場合、他のサーバ群に処理させることによってサービスの停止を防ぐことできる「可用性」の確保が可能である。」と書かれており、簡単に言えばシステムの頑丈さ、壊れにくさ、壊れた場合の修復の迅速さと言えます。

(3)第5のモデル 仮想(バーチャル)プライベートクラウド

パブリッククラウドは、低コストで運用管理の手間も少ないという利点がありますが、セキュリティやネットワークの負荷や不特定多数が利用するという点でのサービスの品質などから、企業ユーザは、パブリッククラウドを利用することに躊躇する向きがありました。そこで、パブリッククラウドのメリットを生かしながら、プライベートクラウドに近いセキュリティレベルの「仮想(バーチャル)プライベートクラウド」が注目されています。パブリッククラウド基盤の上に、仮想的なプライベート環境を構築し、自社以外の利用者が利用するリソースと物理的または論理的に分離したリソースを利用する形態になっています。もちろんOS、ハードウェア、管理ツールなどを自社で持つ必要はありません。また、ニーズに応じて柔軟にサーバを用意することができるので、運用や管理のコストを抑えることができます。

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一般社団法人 電子情報技術産業協会 (JEITA: Japan Electronics and Information Technology Industries Association)http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=445&ca=1 より)

 

 

 

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