Dust Networks(ダスト・ネットワークス)

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Dust Networks(ダスト・ネットワークス)

Dust Networks は、無線メッシュネットワーク(※1)の一つで、電池駆動でメッシュ・ネットワークを簡単に組むことができます。きわめて正確に時間同期された無線メッシュ・ネットワーク全体が電池駆動できる低消費で「切れない無線」として注目されています。多数の端末同士を基地局の介在なしに接続し、網の目のような回線を作る点でアドホックネットワーク(※2)の発展型とも言われています。

(※1)通信機能を持った端末同士が相互に通信を行うことにより、網の目(mesh)状に形成された通信ネットワークを形成します。データはバケツリレー式に伝送され、目的の端末へ運ばれます。弱い出力で通信でき、端末が破損しても代替経路が確保できるので障害に強いネットワークです。

(※2)アクセスポイントを介さずに無線で接続できる「マルチホップ通信」の技術を用いた端末のみで構成されたネットワークで、「自立分散型無線ネットワーク」とも言われます。基地局がなくても、他の端末を中継しながら通信エリアを拡大できるというメリットを持っています。

Dust Networksの特徴

最大の特徴は電池のみで数年間の動作を実現するということです。それは、確な時計を元に完全に同じ時刻に起動して通信が行えることから、送信と受信に必要な電力が最小限に抑えられているためです。すべてのノードはあらかじめ決められた時刻に一斉に起動し、きわめて短いタイムスロットの間に通信を行い、すぐにスリープ状態になります。通常の方式の場合は必ず片方の装置が受信していないと通信ができませんが、このスリープ状態の消費電力を極限まで抑えるTDMA(Time Division Multiple Access)(※3)と言われる方式によって消費電力をおよそ600分の一に抑えているそうです。

(※3)携帯電話などに使われる方式、1つの周波数を一定時間ごとに交代で複数の発信者で共有する多重化方式の通信です。日本語では「時分割多元接続」と言われています。

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(日本電業工作株式会社 http://www.den-gyo.com/labo/kouza/radio02.html より)

二つ目の特徴は、2.4GHz帯の15チャネルを使って周波数ホッピング(※4)を行うため、他のワイヤレス通信との干渉や、反射による自己干渉にもきわめて強いということです。

(※4)スペクトラム拡散の方式の一つで、0.1秒程度というきわめて短い間隔で次々に周波数を変更して信号を送信します。そのためノイズが発生した場合も他の周波数で訂正が可能で、ノイズの少ない周波数を選択することもできます。耐障害性・秘匿性に優れています。Bluetoothなどが使用しています。

三つ目の特徴は堅牢性です。Dust Networks(ダスト・ネットワークス)は、複数の通信路を確保する空間的冗長性、チャネルホッピングによる周波数冗長性、そして時間的冗長性によって「切れない無線」を実現しています。もし通信エラーが発生した場合は次のタイムスロットで異なるチャネルを使って通信を行います。それでもエラーが発生した場合は、さらに別のチャンネルで通信を行います。

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(日経テクノロジーhttp://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/ad0c/162664/ より)

ZigBeeとの違い

ZigbeeIEEE802.15.4の2.4GHz帯を使用しますが、どんな違いがあるのでしょうか。

ダスト・コンソーシアムでは「ZigBeeでは、メッシュ機能を持たせたノードを電池駆動させることは難しく、メッシュ機能がなければ欠測の発生が避けられない。また、ネットワーク内の全てのノードは1チャンネルの周波数を共有する必要があり、信頼性に欠ける」としています。

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(http://www.dust-consortium.jp/activity/pdf/141022_01.pdf より)

Dust Networks適した分野

Dust Networks では1ホップ当たり1秒程度の転送遅延が生じます。リアルタイムにデータ通信が必要な用途には向きません。また向きだ。また転送速度も36パケット/秒の90バイト/パケットなので、大容量高速通信は難しく、屋内で50m、屋外で100mという通信距離ですので長距離通信にも向いていません。ですので、少量データを扱い、中距離で転送遅延が許容され、ノードが固定配置されるような分野が適しています。

ダスト・コンソーシアムは、状態監視、状態制御分野に最適な技術であるとして、インフラを中心としたモニタリング用途への提案を行っています。貨物列車の軸受温度監視、客船等の火災検出、吊り下げ構造物荷重監視、水資源管理、駐車スペース監視システム、化学プラントの監視システムなどのなどの応用例を紹介しています。欧米ではすでに活用が始まっています。

〇 ロサンゼルス市が進めている「LA Express Park」は、Dust Networksチップが組み込まれたマグネティックセンサーモジュールを管轄する6000箇所のパーキングスペースの路面に設置し、クルマの有無をセンシングしています。そして、混雑状況などをスマートフォンで利用者に提供したり、時間帯料金制度などを導入したりしています。

〇 Emerson Process Management社(米国)は、プラントの遠隔監視のデータ収集にDust Networksを採用し、広大な敷地を有線ネットワークで監視するのに比べて大幅にコストを削減しています。

〇 Chevron社(米国)は太陽熱発電設備の遠隔監視にDust Networksを採用しています。パネルそれぞれにDust Networksデバイスが取り付けられ、パネルの姿勢をモニタリングしています。

 

 

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