DISAANA/D-SUMM/WISDOM X

092979_R

災害情報とDISAANA/D-SUMM

2017年版の情報通信白書(情報に関する現状報告)が、先日(7月28日)総務省より公表されました。今年の白書の特集テーマは、「データ主導経済と社会変革」で、多種多様なデータの生成・収集・流通・分析・活用を徹底的に図ることによって、社会経済活動を再設計し、社会の抱える課題の解決が図られるといったこと、個人生活に密着したデジタル機器による膨大な「ヒト」のデータを生成、活用可能なビッグデータの範囲は広がりが第4次産業革命とという変革をもたらすこと、ICTは人口減少や地域経済縮小、災害等の社会的課題解決に役立つことなどについて述べています。

この特集テーマでは最後の章に「第5章:熊本地震とICT利活用」という項目が設けられています。その中でSNS 情報のビッグデータ解析やL アラートなどの新たなICTツールの積極的な活用が期待されるとしてDISAANAやD-SUMMの活用が効果的としています。DISAANAやD-SUMMはあまり聞きなれないものですが、どんなシステムなのでしょうか?

DISAANA

DISAANAは「Disaster-Information Analyzer」を省略した名前です。直訳すれば「災害情報分析装置」といったところです。ツイートをリアルタイムに解析し、災害関連情報を発見しようというもので、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)の耐災害ICT研究センター及びユニバーサルコミュニケーション研究所において開発しているもので「対災害SNS情報分析システム」と呼んでいます。

2015年4月からWeb上に公開しています。利用可能なツイートは、日本語による全ての投稿の約10%であり、投稿されたら即時に解析され検索可能になります。利用日を含めて間近4 日間のツイートが解析対象となります。

DISAANAでは、QA モード(災害に関連する質問への回答機能)、エリア検索モード(指定されたエリア内の被災報告の⾃動発⾒機能)、デマ判定⽀援の機能(矛盾ツイートが見つかると、回答の情報抽出源のツイートとあわせてユーザに提示する等)がリアルタイムに可能となっています。
熊本地震では、首相官邸がDISAANAを活用して被災地でのニーズの分析を行ったそうです。

D-SUMM

D-SUMMは、「Disaster-Information Summarizer」を省略した名前です。日本語では「災害情報要約」です。DISAANAと同じく、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)の耐災害ICT研究センター及びユニバーサルコミュニケーション研究所において開発されているもので、2016年10月からWeb上に公開されています。

「要約」とあるように、D-SUMM は類似情報をまとめ、指定エリア内の被災状況の概要を分かりやすく表示するというものです。例えば、「火災が発生している」「炎が上がっている」「家が燃えている」「火事が起きている」といった類似情報を一つにまとめて提示します。

さらに、災害情報は指定エリア(県など)の下位エリア(市町村など)ごとに分類・整理し、ツイート数の降順でソートされます。従ってどのエリアの被害が大きいか分かりやすくなっています。
DISAANA のように質問を入力しなくても、重大な被災情報を簡単に発見することができるのも特徴となっています。

wisdom_002_Rhttps://disaana.jp/H28KM/search4pc.jsp より)

情報通信白書では、災害時における自治体のSNSを活用した情報収集・発信では、情報の真偽や鮮度、必要な情報を適切に集約することに課題があるとして、こうした課題の解決策として災害状況要約システムD-SUMMの活用が効果的としています。

WISDOM X

DISAANAとD-SUMMは、WISDOM Xの技術をベースとしています。WISDOM Xは、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)が開発し、Web上で一般公開している自然言語処理技術を用いた大規模Web情報分析システムで、約40 億件(WISDOM Xの前のWISDOMでは5億を超えるWebページを分析)のウェブ文書、原稿紙で220億枚に相当するそうですが、それら情報源として質問に回答や仮説を提供するというものです。

サイトの検索フォームに自然文(※1)で入力すると、「なに?(いつ/どこ/だれ)」「なぜ?」「どうなる?」「それなに?」の4つの方式で答えてくれます。
従来の検索エンジンとは異なり、例えば、「地球温暖化によって何が起きる?」といった自然文の質問を入力します。すると500を超える多種多様な回答と、その抽出元のウェブページへのリンクを提示してくれます。その回答の中からどれかを選び、さらに質問を繰り返し、深く追求していくことができます。

本システムは、利用者に気づきを与え、日常生活からビジネスまでの広範囲にわたるイノベーションを促すこととしています。

wisdom_001_Rhttp://wisdom-nict.jp/#question/s/地球温暖化が進むとどうなる? より)

(※1)自然文検索とは、話し言葉のような自然な文章を入力して必要な検索結果を得る技術です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です