官民データ活用推進基本法

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官民データ活用推進基本法

議員立法である「官民データ活用推進基本法」が2016年12月に成立しました。これは官民が持つビッグデータを個人情報の保護に配慮しつつ、だれでも自由に使える「オープンデータ」とすることなどを柱とした法律です。

同法は4章30条からなり、情報の円滑な流通の確保、国際競争力の強化、新たな事業の創出、情報を根拠とする効果的かつ効率的な行政の推進などを基本理念としています。

また、官民データ活用推進基本計画の策定を政府に求めており、その計画に即して都道府県や市町村にも、区域における官民データ活用の推進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努力義務を課しています。

基本的施策としては、オンライン利用の原則化、コンテンツ流通の円滑化、利用機会の格差の是正、研究開発の推進、人材育成、教育の振興の他、情報システムに係る規格の整備と互換性の確保を挙げています。さらに、官民データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、官民データ活用推進戦略会議の設置を義務付けています。

(衆議院 議案本文情報一覧http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19201008.htm 参照)

情報公開法はありましたが、オープンデータの利活用に関する法律はこれまでありませんでした。そのため、公開したデータをビジネス等で二次利用する際の著作権等の問題、行政側からは情報公開請求に伴う業務の増加など、情報を公開する側も利用する側もともに問題を抱えていたようです。

オープンデータを巡る日本のこれまでの動き(概略)

オープンデータへの関心が世界的に高まる中で、日本もこれまで様々な取り組みを行ってきました。

2012年(平成24年)にIT総合戦略本部が、積極的な公共データの公開、機械判読可能な形式での公開、営利目的も含めた活用の促進などを盛り込んだ「電子行政オープンデータ戦略」を策定しています。産官学が共同でオープンデータ流通環境の実現に向けた基盤整備を推進することを目的として、「オープンデータ流通推進コンソーシアム」が7月に設立されています。

2013年(平成25年)に「電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ」(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部6月決定)と「二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)」(各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議6月決定)が決定されています。
また、「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議決定され、その中でオープンデータに関して2015年度末までに先進国並みの公開内容の実現することを目標に定めました。
この年のG8サミットで、①原則としてのオープンデータ②質と量③すべての者が利用できる④改善したガバナンスのためのデータの公表⑤イノベーションのためのデータの5つの原則からなる「オープンデータ憲章」〈6月〉が合意されています。
12月にはデータカタログサイト「Data.go.jp」の試行版が開設され、2014年3月にかけて総務省が「オープンデータ・アプリコンテスト」を実施しています。

2014年(平成26年)に、各府省のホームページに掲載されているコンテンツを基本的に自由に編集・加工等ができるようにする「政府標準利用規約(第1.0版)」(各府省情報化統括責任 者(CIO)連絡会議)が決定されています。

2015年(平成27年)に、「電子行政オープンデータ戦略」の改訂として「新たなオープンデータの展開に向けて」が策定されています。また、前年の「政府標準利用規約(第1.0版)」の見直しが図られ「政府標準利用規約(第2.0版)」が決定されています。

2016年(平成28年)の5月に「【オープンデータ2.0】官民一体となったデータ流通の促進~課題解決のためのオープンデータの「実現」~」(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)を策定しています。また、7月に日本経済団体連合会が「データ利活用推進のための環境整備を求める~Society5.0の実現に向けて~」という提言を行っています。その中で、「データ利活用推進に向けた課題・施策」として「データ利活用推進基本法の制定」を挙げています。

このように様々な取り組みを行ってきていますが、どれも法律ではありません。ですから、政権が変わったりすると取り組みの内容や軽重が変わる可能性があります。そこで、法律としてオープンデータの利活用を位置づけようというのが今回の法律の動きなのかと推測します。

open2016_002_r(データ利活用推進のための環境整備を求める~Society 5.0の実現に向けて~-概要-2016年7月19日一般社団法人日本経済団体連合会 https://www.keidanren.or.jp/policy/2016/054_gaiyo.pdf より)

参考資料:
・平成26年版情報通信白書
・データ利活用推進のための環境整備を求める~Society5.0の実現に向けて~(日本経済団体連合会)
・「オープンデータ1.0」の評価とオープンデータ活用推進基本法の構想(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 庄司昌彦)
・外務省外交政策http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page23_000044.html、
・官邸政策会議http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/

オープンデータの日本のランキング

オープン・ナレッジ(Open Knowledge)は、「オープンデータ・インデックス(Open Data Index)」と呼ばれる世界各国政府のオープンデータ進捗具合のランキングを毎年公表してます。国家統計、政府予算、立法、入札記録、選挙結果、国内地図、天気予報、汚染物質の排出、企業登記、位置情報(郵便番号等)、水質汚染、地籍情報、政府支出などの13分野のデータの入手しやすさと扱いやすさを調査するものです。この分野は調査の年によって多少変更があるようです。2014年は10の分野でした。

2015年の調査では、日本は31位となっています。2014年は、前年の27位から19位へと躍進したのですが、また順位を落とす結果になったようです。ただ、前述のように調査項目が前年から変更になっており、そうしたことも影響しているのかもしれません。

open2016_001_r( Open Knowledge GLOBAL OPEN DATA INDEX http://index.okfn.org/place/ よりキビテク作成)

オープンデータを評価するものとしては、上記のOpen KnowledgeのOpen Data Indexの他に、World Wide Web Foundation (ワールド・ワイド・ウェブ財団)の「Open Data Barometer」や「Open Data Index」などがあります。ちなみに「Open Data Barometer」の2015年版では日本は19位、「Open Data Index」の最新版(2014年)でも日本は19位となっています。

 

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