リーサス(RESAS)

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リーサス(RESAS)

リーサス(RESAS)とは「Regional Economy (and) Society Analyzing System」の頭文字を取ったもので、日本語では「地域経済分析システム」と呼びます。内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)及び経済産業省が、平成27年4月21日(火)から提供を始めたものです。

ビッグデータを活用し、地域の産業構造や人口動態、人の流れなどを可視化する仕組みで、一般の人でも見ることができます。自治体職員で許可を得た人はさらに企業の個別データも見ることができます。なお、Google Chromeで見ることができます。Internet ExplorerやMicrosoft Edgeでは見ることができません。

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(https://resas.go.jp/ より)

国が主導してビッグデータに取り組むリーサス(RESAS)を、驚きと共にビッグデータ時代の本格到来と歓迎する声も多いようです。各地の産業構造を帝国データバンクの取引データを使って、ニューラルネットワーク分析で視覚化された花火図は、確かにビッグデータ時代到来を予感させます。

ビッグデータの活用は、これまで民間がリードしてきていたように感じますが、これで、一気に地方自治体も突入することなり、官民連携し競い合ってビッグデータの本格的な活用が進んでいってほしいものです。

リーサス(RESAS)の背景

平成26年9月に内閣総理大臣を本部長とするまち・ひと・しごと創生本部が設置され、11月には「まち・ひと・しごと創生法」が成立し、12月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」及び「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定されました。この長期ビジョンや総合戦略は、「まち・ひと・しごと創生法」で、努力義務ではありますが、国だけでなくすべての都道府県・市区町村が「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」として策定することが求められています。それは、人口減少克服・地方創生という我が国が直面する大きな課題に対し国と地方が一体となって取り組み、地域の特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生しようというねらいからのようです。

この「地方版総合戦略」には、具体的な目標を立て、それに向けた政策を実行していくことが求められており、例えば5年後に雇用を機会をこれだけにすると言った数値に基づく目標設定が求められているようです。

そうなると、これまでのような勘と経験に頼ったものではなく、それぞれの地域の強み・弱みなどを客観的データで把握し、データに基づく目標の設定や政策の立案が求められてきます。さらに政策の効果が上がっているか否かを測るために、「KPI(重要業績評価指標)」(※1)を定めることが求められており、そうしたことから、地方版総合戦略における基本目標・KPIの設定、PDCAサイクルの確立等を支援するために「地域経済分析システム(RESAS)」が提供されることになりました。

(参照:RESAS(地域経済分析システム)とは2015 年 4 月 21 日 まち・ひと・しごと創生本部http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/resas/outline/outline.pdf)

(※1)KPIとはKey Performance Indicator の略で、政策ごとの達成すべき成果目標として、日本再興戦略でも設定されています。

リーサス(RESAS)4つのマップ

RESAS は、「産業マップ」「観光マップ」「人口マップ」「自治体比較マップ」の 4 つで構成されています。特徴としては、下図に示したように、「誰もが使える、分かりやすい画面操作」「他社の優れた文責結果を全国自治体で共有できる」「永続的に進化し続けるシステム」としています。

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(「地域経済分析システム」 について2014年1月 まち・ひと・しごと創生本部http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/chihosogo/siryou4.pdf より)

特徴の一つとして挙げられている「鳥の目、虫の目」とは、作業構造なり観光構造をマクロな視点(鳥の目)で捉えた上で、例えば産業ならば取引関係をセミマクロな視点で把握し、さらに、企業単位でのつながり(取引関係)をミクロな視点(虫の目)で、人の動きならば日本全体、地域ブロック、都道府県、市町村といった視点で、俯瞰していくということのようです。

もう少し具体的な特徴を「RESAS(地域経済分析システム)とは2015 年 4 月 21 日まち・ひと・しごと創生本部」から紹介します。

(1)産業マップ

産業構造の全体像からは、どの産業が域外から稼いでくる産業か、どの産業が付加価値を多く生み出す産業か、どの産業が雇用を多く生み出す産業か、といったことも把握することができます。そのことで、都道府県・市区町村の産業戦略が立てやすくなります。

また、企業の取引関係を「見える化」することで行政区域を越えた産業の広がりやサプライチェーンを

「コネクターハブ機能」を持つ地域の中核企業は地域経済への貢献度が高く、そうした企業をリーサス(RESAS)から企業を抽出することができます。そうすることで、地域経済を活性化させるための中核企業への支援策の立案がしやすくなります。

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(「地域経済分析システム」 について2014年1月 まち・ひと・しごと創生本部http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/chihosogo/siryou4.pdf より)

(2)観光マップ

「観光マップ」は、携帯電話の位置情報を利用して、人の移動を「見える化」したものです。ある時間帯における人の集積度合いと観光資源を重ね合わせることで観光客を周辺地域にもうまく周遊させる観光パンフレットを作成したり、任意の範囲内での人の集積度合いの月ごとの変化や時間帯ごとの変化を把握することで、訪れる人が少ない時期にどう人を呼び込むかといったポイントを絞った観光戦略を立てたりすることが可能となります。

(3)人口マップについて

「人口マップ」は、地域の人口のこれまでの推移やこれからの見込みについて、年代別に把握したり、自然増減・社会増減に分けて把握したりできます。これにより、将来の人口構成を把握することができ、今後のインフラ整備や医療福祉政策、教育政策等を中長期的に検討する際の参考になります。

また、この人口マップでは、隣接する複数の都道府県・市区町村を合わせた形での分析も可能です。さらに、人口流出入の動向を、市区町村単位で、男女別・年齢別に把握することができるため、より現実的かつ効果的な人口流出防止策の検討が可能になります。

(4)自治体比較マップについて

「自治体比較マップ」は、様々な指標に基づき、全国約 1800 ある自治体の中でのランキングや他の自治体との比較を「見える化」するものです。これにより、施策の目標設定などややりやすくなり、さらに、どの分野を今後強化していくべきかがわかるようになります。

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(「地域経済分析システム」 について2014年1月 まち・ひと・しごと創生本部http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/chihosogo/siryou4.pdf より)

実際に使ってみると操作も滑らかでストレスを感じることはありません。わが自治体の概況をつかむのにとても役立ちました。一般には公開されていないデータがあることやデータの内容が数年前のものがあったりして少々物足りなさも感じますが、徐々に改善され、有用な統計データが追加されて充実していくことを期待しています。

 

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