Baseline StudyとResearch Kit

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Baseline Study

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Google社のGoogle X部門が取組む「人体の謎の解明プロジェクト」です。心拍数、尿、血液、唾液、涙などの生体データを大量に解析することで、健康のBaseline(基準値)を割り出すという壮大なプロジェクトとなっています。ですので、特定の病気について研究し、治療法や予防法を解明するというものではありません。数百の個別サンプルを収集し、それをグーグルのコンピューティングパワーで解析して「バイオマーカー(Biomarker)」を発見します。そして、心疾患やがんなどの病気の早期発見に役立てるとともに、治療薬よりも予防薬の開発を推進することがねらいです。
さしあたり監視対象としてコレステロールを挙げています。脂質を分解するBiomakerを特定することができれば、コレステロールを下げる薬を飲まなくても、健康な生活を送ることが可能となるといいます。データ収集には、スマートコンタクトレンズやウェアラブル端末を利用するそうです。スマートコンタクトレンズでは、血糖値を計測するそうです。
Baseline Studyは、人体に関する膨大な情報をデータマイニングすることで、医療に関する多くの知見を得ることを目指しているわけです。

Research Kit

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Appleの医療研究用アプリの開発プログラムで、iPhoneユーザーから、医療データを集められるようにするアプリの開発が可能にするものです。
データの収集に同意したユーザーに、アプリの出す指示に従って簡単な運動をしてもらったり、質問に答えてもらったりして、運動量、血圧、血糖値などのデータを収集します。これらは専用のアプリを介して行われるわけですが、iPhoneなどに内蔵されている加速度計・マイク・ジャイロスコープ・GPSセンサーなどを使って運動障害や体調、言葉、記憶などに関するデータを収集することも可能です。こうして集められたデータは、医療研究機関において治療法の確立のために役立てられることになります。2015年3月の発表時点では、喘息、乳がん、循環器疾患、糖尿病、パーキンソン病の5つアプリが用意されていました。
例えば、「mPower」は、歩行、発声、指のタッピング運動などのテストや簡単な記憶ゲームを通して、パーキンソン病の症状に関する研究データを取得します。「MyHeart Count」は、日々の運動量やコレステロール値、血圧などの情報を利用者から取得し、心臓発作や脳卒中のリスクを計算します。収集されたデータが循環器疾患にどのように関係するのかも分析します。

膨大なデータへの懸念

GoogleのBaseline StudyもAppleのResearch Kitも、収集したデータには生物個体を識別できるような遺伝子情報が含まれているだろうし、GoogleのBaseline Studyの場合には、被験者が食べ物を消化する方法、薬に対する反応、ストレスがかかった時の心拍数の変化なども収集の対象となっており非常にデリケートなデータが取り扱われることになります。
Googleの場合、収集されたサンプルから個人情報を取り除き、本人を特定できない形で研究を進めるといっています。Appleは、参加者の提供データは端末から直接医療研究機関に送信され、Apple側は一切触れないとしています。
とは言え、データベースは、ハッキングのリスクをはらんでいます。収集した個人情報が流出する危険性は全くのゼロとは言えない以上、プライバシー保護とセキュリティの徹底的なリスク管理が求められと思います。

(参考)
ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1407/25/news083.html
ビジネスIT http://www.sbbit.jp/article/cont1/28309
日経デジタルヘルス http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140905/374441/?ST=ndh&P=1

 

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