280MHZ帯

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280MHZ帯とポケベル

280mhz帯は、かつてのポケットベルで使用されていた周波数帯です。今はほとんど見かけないポケベルですが、東京テレメッセージと沖縄テレメッセージの2社は280mhz波の免許をもっています。東京テレメッセージでは280MHzの特性を生かして防災ラジオの普及にも取り組んでいます。現在、防災タブレットの開発も進めています。

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(東京テレメッセージhttp://www.teleme.co.jp/service/multicast/index.html#basicmodel より)

とは言え、280MHZ帯は以前ほどの需要がないことは確かで、2013年に総務省は「周波数再編アクションプラン」を発表して、280mhz帯について次のように記しています。

センサーネットワーク(280MHz帯)

・ 280MHz帯(※1)については、近年の電気通信業務用ページャー(※2)の需要に応じて周波数幅を見直し、合計5MHz幅程度をセンサーネットワーク用周波数として使用するための検討を実施し、平成25年度中に結論を得る。(周波数再編アクションプラン(平成25年10月改定版)より)

このことを受けて、総務省では空いてきたポケベルの周波数帯をセンサーネットワーク用に使用すること検討し、2014年の4月~5月の期間に、「陸上無線通信委員会での検討に資するため、280MHz帯の周波数を使用するセンサーネットワーク等の無線局のサービスイメージ及び端末料金などの商用化に関する具体的な計画、無線設備の技術的条件、システムへの要求条件等について」の提案募集を行いました。結果、「アイコム株式会社」「コーデンテクノインフォ株式会社」「株式会社ミライト・テクノロジーズ/Sensus Systems Ltd.」から3つの提案がありました。

(※1)280MHz帯

周波数割当計画(平成24年総務省告示第471号)で無線呼出用に利用できるとされている276.65MHzから277.95MHzまで、278.15MHzから279.15MHzまで及び279.95MHzから287.95MHzまでの周波数帯をいいます。

(※2)ページャー(pager)

無線基地局から特定の受信端末を呼び出す(無線呼出)システムのことで、通称「ポケットベル」あるいは「ポケベル」等と呼ばれているもののことです。世界的にはページャー(pager)とかビーパ(beeber)と呼ぶのが一般的です。ちなみにホテル等で名前を呼びながら人を捜すという意味の「page」から「ページャと呼ばれています。

280MHZ帯の特徴

280MHz帯がポケベルに使われていたのには、到達性、受信性、建物内部への浸透性でという280MHZ帯に優れた電波特性があったことによります。280MHZ帯の特性としては次のようなことが挙げられます。

〇 通信距離が長い

〇 1基地局でカバーできる範囲が広い

〇 通信の安定性が高い

〇 世界中で利用され、災害時の復旧能力の高さや、高いセキュリティを持った専用ネットワークインフラとして認められている

3つの提案

(1)アイコム株式会社
サービスイメージ

上下水道監視データ通信システムや環境モニタリングシステム、またホームセキュリティ等において、センサーが感知する情報の伝送を行い監視や遠隔操作等を行うデータ通信システム。

(2)コーデンテクノインフォ株式会社
提供する業務の概要

・目的に合わせて、最適化可能なようにモジュール構造をもつセンサノードを提供

・垂直統合型のセンサーネットワークをインターネットで有機的に結合して、自律分散なセンサー情報を相互に交換するプラットフォームを提供

・既存のセンサーのデータに対する属性やフォーマットを登録するレジストリを用意してメタデータの相互利用を可能にする

・携帯電話、ネット家電、自動車を含む多様なデバイスとのデータ交換を提供

(3)株式会社ミライト・テクノロジーズ/Sensus Systems Ltd.
サービスイメージ

広域無線ネットワークシステムを用いて全国規模あるいは地域コミュニティ向けに通信ネットワークを構築することによって、ひとつのプラットフォームを複数企業・団体が共同利用し、様々なサービスを展開できることが期待できる。

プラットフォーム上に展開されるサービスとしては、ビル・工場の施設制御、河川水位の遠隔観測、自動販売機の遠隔管理サービス、位置トラッキング、ホームセキュリティ、児童や高齢者の安全・安心、老人の見守りサービスなどを想定している。

(総務省資料「280MHz帯センサーネットワーク等に関する提案募集の結果について」より)

280MHZ帯のフィールドトライアル

2015年7月に「280MHz帯広域無線ネットワークと水道スマートメーターを組み合わせた水道流量の遠隔収集に関する共同フィールドトライアルの実施」についての報道発表がありました。日本では初めての実証実験になります。行うは西日本電信電話株式会社、神戸市水道局、Sensus Japan株式会社、株式会社ミライト・テクノロジーズの各社で、2015年中に神戸市水道局管内において開始予定とのことです。

このトライアルでは、神戸市内9ヶ所に設置した水道スマートメーターから、280MHz帯広域無線ネットワークを介して流量等のデータを収集します。データは可視化されリアルタイムに確認できます。この実証実験では次のことを検証することになっています。

<1>水道スマートメーターを活用した高精度な流量把握

水道スマートメーターの収集した流量データについて、従来のアナログメーターのデータと比較評価をし、その精度を検証します。

<2>280MHz帯広域無線ネットワークを用いた流量等データの遠隔収集

数km程度離れている基地局のアンテナと水道スマートメーターを、広域無線ネットワークにより接続し、流速、流量等のデータが自動で収集可能なことを検証します。

<3>収集データの可視化によるリアルタイムでの水道管の状況把握

収集データは、NTT西日本が開発を進めるメーターデータ管理システム「Meter Data Management System」(以下、MDMS)を介し、リアルタイムに情報を視覚的に表示することで、水道管の異常や漏水などの迅速な把握可否について検証します。

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(NTT西日本報道発表資料https://www.ntt-west.co.jp/news/1507/150717a.html より)

 

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