宇宙活動法

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宇宙活動法

国際的な宇宙ビジネスの拡大を目指す「宇宙活動法」と商業衛星による画像の利用や管理を規制する「衛星リモートセンシング法」の2つの法律が2016年11月9日に成立しました。この法律は3月4日に閣議決定し国会に提出されていたものです。

宇宙活動法」は、宇宙開発への民間の参入を促進するために、人工衛星の打ち上げを許可制にするとともに、打ち上げ失敗による損害賠償保険への加入の義務付けや保険を上回る損害に対する政府の補償などを定めたものです。

また、「衛星リモートセンシング法」は、商業衛星が取得した解像度の高い精細な画像記録がテロなどに悪用されないよう、安全保障上の支障がある場合には、政府が画像記録の販売や提供を禁止することを定めた内容です。

宇宙産業の市場規模

世界の宇宙産業は毎年約4%の成長を続けているそうです。中でも衛星関連分野の成長が著しいようです。

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(平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) 航空機・宇宙機器関連技術 平成28年3月 特 許 庁より)

また、宇宙開発関連の政府予算額は、アメリカが約430億ドルに対して日本は約30億ドルという資料があります。それでいくと日本はアメリカのおよそ14分の1となります。他の資料では16分の1や17分の1としているものもあります。いずれにせよ、日本の宇宙関連予算は圧倒的に少ないようです。

宇宙ビジネス

アメリカではテスラモーターズのイーロン・マスク氏が創業したスペースX社やアマゾンドットコムのジェフ・ベソスCEOが創業したブルー・オリジン社、ロボットを使った小惑星の採掘計画を計画するプラネタリー・リソーシズ社、月面での鉱物発掘と水資源開発を計画するムーン・エクスプレス社やシャクルトン・エナジー社など、多くの民間企業が誕生しています。アメリカにはそうした宇宙分野のベンチャー企業が3000社あると言われています。ヨーロッパでも400社あり、その多くは2000年以降に創立しています。

それに対して日本には10社ほどしかないと言われていますが、今回の宇宙活動法の制定によって、民間の宇宙ビジネス参入の環境が整備され、ベンチャー企業の進出が促進されるのではないかと期待されています。

日本の宇宙ベンチャー

〇 カムイスペースワークス

北海 道大学や植松電機等の北海道民間企業 により設立された会社です。植松電機は社員20名あまりの産業用マグネットを製作する会社ですが、北海道大学とともにCAMUI型ハイブリッドロケットの開発に取り組んでいます。このCAMUIロケットは固体燃料にポリエチレン、酸化剤に液体酸素を使用し、発生した燃焼ガスを噴出する事で推力を得る仕組みになっています。低コストで、燃料にレジ袋と同じ素材を使うことで取り扱いの危険性を減らし安全管理コストを大幅に削減しています。これまでに高度7キロまで打ち上げる実験に成功しています。

space_business_005_r(http://uematsudenki.com/ より)

〇 株式会社ispace

ispaceは、民間組織が月面無人探査を競う国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に日本から唯一参加しているチーム「HAKUO」を運営しています。

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(http://team-hakuto.jp/technology/index.html より)

2014年に月面仕様の超小型探査ローバーを発表しており、今後、「月への高頻度の輸送」、「月資源の開発技術の確立」「群ロボット技術を活用した資源マッピングを行う月面探査」「資源の採掘、加工」など壮大な計画を予定しているようです。

また、JAXAとの間で、月惑星などの「不整地環境を移動探査する「昆虫型ロボット」の共同研究」、JIG-SAW社と「宇宙群ロボット」の共同研究なども行っています。

〇 PDエアロスペース社

PDエアロスペース社では低コストで利便性の高い宇宙輸送インフラの構築を目指し、宇宙機の開発、製造、宇宙旅行など宇宙関連事業を行う会社です。ここでいう宇宙旅行は弾道飛行によるもので、宇宙空間で約5分間の無重力状態を体験できるそうです。単なる体験だけでなく無重力実験も行います。開発計画によれば、無人機を先行して事業化し、2019年には有人機を就航することになっています。
会社の将来イメージには、他天体の鉱物資源の資源の開発、ISSへの物資輸送、宇宙発電などが描かれています。

space_business_002_r(会社説明資料 http://www.pdas.co.jp/documents/PDAS_Plan.pdf より)

  〇 インターステラテクノロジズ社

ホリエモンが共同創業者として設立した北海道大樹町に拠点を置く宇宙ベンチャーです。超小型衛星を打ち上げる格安ロケットの開発を目指しています。
まずは高度100kmまで到達するサブオービタルロケット「モモ」を打ち上げ、商業化を目指すそうです。モモは、全長9.9m、全備質量は1000kg、液体酸素とエタノールを推進剤に使い、打ち上げから約250秒で高度100kmに到達し、この前後の約260秒間で微小重力環境をつくりだすことができます。
同社はデブリ問題に対応し、高度500kmの低高度への衛星の打ち上げを考えているようです。500km以下であれば、ごくわずかですが空気の抵抗でやがて地上に落ちてくるためデブリにはならないとのことです。
「モモ」の次には小型の人工衛星打ち上げ用ロケットを開発し、やがて大型衛星や有人宇宙船の打ち上げと計画しているようです。

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(http://www.istellartech.com/archives/968 、https://camp-fire.jp/projects/view/7166 より)

 〇 アストロスケール社

スペースデブリ(宇宙ゴミ)観測衛星を世界で初めて打ち上げる計画をしているシンガポールに拠点を置く宇宙ベンチャー企業です。本社はシンガポールですが会社を設立したのは元大蔵官僚の岡田光信氏です。研究拠点は東京にあります。2016年3月には、官民ファンドの産業革新機構が約34億円を出資すると発表しています。
強力な粘着材で宇宙ゴミを接着させて大気圏に落として燃やすという方法で宇宙ゴミを除去する計画で、試作機を2018年に飛ばす予定になっています。

space_business_007_r(http://astroscale.com/services/adras-1 より)

 〇 アクセルスペース

アクセルスペースは東京大学・東京工業大学で生まれた超小型衛星技術をもとに2008年に設立されました。三井物産や JSAT等が出資しています。世界初の民間商用小型衛星「WNISAT-1」をはじめとした人工衛星を、圧倒的な低コストで開発しています。

space_business_008_r(https://www.axelspace.com/solution/wnisat1r/ より)

同社では2022年までに50機の衛星を打ち上げる計画を発表しています。それによって地球観測画像データのサービスプラットフォーム「AxelGlobe(アクセルグローブ)」を用意し、こうしたデータを農業、森林、天然資源管理、エリアマーケティングなど様々な分野で有効に活用したビジネスができるよう、宇宙ビッグデータのインフラを整備していく計画です。

〇 ALE

自由自在に、夜空に「流れ星」をまたたかせる宇宙空間を使った新世代のエンターテインメントを目指す企業です。

〇 スペースシフト

超小型人工衛星の利活用や、宇宙葬サービスなどを通じて、人類と宇宙との関わり合いのために必要な情報を発信する企業です。

〇 QPS研究所

会社の名前「QPS」はQ-shu Pioneers of Spaceを意味しています。小型人工衛星開発、デブリ観測センサの開発、宇宙産業を目指す地域企業への技術普及及び支援などを行っています。

(執筆中)

 

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