ジェネレーティブデザイン(Generative Design)

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ジェネレーティブデザイン

ジェネレーティブデザイン(Generative Design)のGenerativeとは「生産能力・繁殖力のある」「生成的な」といった意味があり、日本語では「生成する設計」と表現されることもあるようです。オートデスク社は、

「自然の進化するアプローチを模倣してデザインを行うテクノロジー」

と述べています。一般には、人手によらず、コンピュータが自己生成的にデザインを生み出す技術とされています。コンピュータに耐久性や柔軟性、重量など仕様として守らなければならない要件を設定すると、その条件を満たした設計案を自動的に作成してくれるというものです。設計の効率化だけでなく、形状最適化や人が思いもつかないような形状のデザインが創出されるメリットがあるほか、最近は、マス・カスタマイゼーション(※1)において、個人ニーズに対応する技術としても注目されてきているようです。

ジェネレーティブデザインとよく似た言葉に「アルゴリズミック・デザイン」があります。下記のような定義がされていますが、ジェネレーティブデザインと同義語として扱ってる場合もあるようです。

形態を創りあげていく手続き(アルゴリズム)に基づいて プログラムを組み、それを実行することによって形態を創生する

(「アルゴリズミック・デザインの現在」建築家 堀池秀人 2008.05.16 http://www.ieice.org/cs/csbn/program/papers/080516_waseda.pdf より)

形を作り上げていくためのある決まった規則や手続きによって定義されたアルゴリズムに基づいて作られた形

(「よくわかる最新BIMの基本と仕組み」 家入龍太 著 秀和システム より)

コンピューテーショナルデザインという言葉もあります。コンピュータが創造するデザイン、あるいは多次元的な情報からコンピュータが導き出したデザイン、もっと端的に人間にはできないコンピュータならではデザインなど、さまざまなとらえ方がるようです。

ジェネレーティブデザインはこうした従来からある言葉と同義語として扱われたり、それらを包含したものとして扱われたりしているようです。

(※1)マス・カスタマイゼーション
マス・カスタマイゼーションを「一品大量生産」とか「個別大量生産」と言い表すことがあるようです。
消費者の個別要望に応えるカスタムメイド・オーダーメイドの高付加価値の個別生産を大量生産のコンセプトに取り入れながら短期間に低コストで実現する概念と言えます。
必要なものを、必要なときに、必要な量だけつくるというトヨタの「ジャスト・イン・タイム」やパソコンの「BOT」などはそれに近いかもしれません。

ジェネレーティブデザインの事例

バイオニック パーテーション

航空機のキャビン内で使用するパーテーションでオートデスク社とエアバス社が開発したものです。生物の細胞構造や骨の成長過程を模したデザインを生成する独自アルゴリズムを用いて設計され、従来設計よりも45%の軽量化が図られているとのことです。今後製造する予定のA320型機の全キャビンに同手法を適用した場合、毎年46万5000トンのCO2が削減できると試算しています。

Effect Skin(エフェクトスキン)

ダイハツの軽オープンカー「コペン」のバンパーなどに装着する専用パーツです。ユーザーがパラメーターを調整して顧客がドレスアップ用パーツをデザインし、3Dプリンタで製造するというもので、2017年からこのサービスが提供されるとのことです。

X VEIN

X VEINは、災害救助支援を主目的としたドローンです。災害支援において求められる機体強度、軽量性、撮影能力、安全性に加え、拡張性を備えた低コストの機体を、ジェネレーティブデザインと3Dプリント技術を活用して開発しています。

UA Architech

UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)がジェネレーティブ デザインと3Dプリンティングの組み合わせによって開発したトレーニング フットウェアです。ラティス構造のミッドソールを有しており、こうした複雑で高機能な構造はこのデザイン手法と3Dプリンティングによって可能になったとしています。

Light Rider

German Airbusの子会社APWorksが開発した総重量がわずか35kgの超軽量電動バイクです。デザイナーがシートの高さ、ホイールベース、バイクのフットレストやハンドルの位置といった変数を入力し、特定の条件下で機能すべき要件や負荷といったデータをもとにアルゴリズムがつくり出したフレームを3Dプリンタで造形してあります。

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