6G

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2030年代の電波ビジョン

総務省では昨年(2017年)の11月から、社会構造の変化に対応するための電波利用の将来像を見据え、長期的な展望を視野に入れた電波有効利用方策についての検討を行う「電波有効利用成長戦略懇談会」を開催しています。懇談会には2つのワーキンググループが置かれており、その一つに「成長戦略WG」があります。

このワーキンググループでは、2040年の社会構造を見据えて「2030年代の電波ビジョン」策定するとして、2030年代に向けての電波の新たな利活用の姿や電波イノベーションを推進する方策等について検討しています。

ワーキンググループで示されている事務局資料では、電波利用の主役の携帯電話は、概ね10年で世代が進化し、30年間で最大通信速度は10,000倍になっていることや周波数の移行に10年程度の時間が必要であることなどから、10年先を見通した周波数の移行・再編の方向性を提示することが重要であるとしています。

こうした考えから、「成長戦略WG」では、まだサービスが始まっていない「5G(第5世代移動通信システム)」の次の「6G」についても話題に挙がっているようです。

6g_001_R(成長戦略WGの論点・進め方について 平成29年11月29日 事務局 http://www.soumu.go.jp/main_content/000519956.pdf より)

5Gの要件

5Gの特長としては、超高速(現在の移動通信システムより100倍速いブロードバンドサービスの提供)、超低遅延(利用者がタイムラグを意識することなく、リアルタイムに遠隔地のロボット等を操作・制御)、多数同時接続(スマホ、PCをはじめ、身の回りのあらゆる機器がネットに接続)などが挙げられます。具体的には、10Gbps以上(下り理論値で20Gbps)の伝送速度、1msec以下の伝送遅延と99.999パーセントの信頼性、100万台/㎢以上の接続密度(接続可能端末数)、そして省電力、低コストなどです。これは、伝送速度ではLTEの100倍、4Gの10倍、伝送遅延はLTE、4Gの1/10、接続可能端末数は LTEの100倍、4Gの10倍となっています。

6Gとは

では、2030年代に登場するであろう6Gとはどんなものになるのでしょうか。

当然ながら5Gを超えるものになるわけですが、「成長戦略WG」の資料「2030年代に向けたワイヤレス技術トレンドとイノベーション促進 2018年1月29日 (株)三菱総合研究所 社会ICTイノベーション本部」によれば、伝送速度は5Gの10倍の100Gbps以上、遅延は1msec未満でほぼゼロ遅延、接続密度が1000万台/㎢となっています。また、5Gではマイクロ波・ミリ波といった高い周波数帯が利用候補帯域となっていますが、6Gではさらにテラヘルツや可視光といったより高い周波数帯が必要になると考えられているようです。

電波有効利用成長戦略懇談会の2017年12月の資料「成長戦略ワーキンググループの検討状況」には次のように記されています。

6Gの実現に向けては高い周波数利用が必要(60~70GHz⇒100GHzへ)となるほか、領域を区切っての通信や、低エネルギーの通信が全周波数帯で必要となり、技術的課題を解決する必要がある。周波数の枯渇状況は継続するため、周波数共用が前提となる。デバイスについても、バッテリーなどに関して技術的なブレイクスルーが必要。

(電波有効利用成長戦略懇談会 「成長戦略ワーキンググループの検討状況」平成2 9 年1 2 月 成長戦略W G http://www.soumu.go.jp/main_content/000524960.pdf より)

6Gはまだ構想の段階のように見えますが、2017年5月22~25日にかけてテキサス州オースチンで開催された「NIWeek 2017」で、DARPA(米国防高等研究計画局)が6Gに向けて、autonomous spectrum sharing(帯域を共有し、通信の用途に応じて、適した帯域を自動的に割り当てる)と呼ぶ6Gのコンセプトやその実現に向けたアルゴリズムを開発する「Spectrum Collaboration Challenge(SC2)」というプロジェクトについて紹介したことがニュースとなっていました。

SC2の第1段階は2017年12月13日の最初の予選で終了し、トップスコアチームは75万ドルの賞金を受け取っているようです。第2段階は2018年12月に開催され、2019年のMobile World Congress Americas(MWCA)年次会議および展示会と並行してライブSC2選手権大会が開催され、第1位、第2位、第3位には、それぞれ200万ドル、100万ドル、75万ドルの賞金が授与されるようです。

6g_002_R(DARPA https://www.darpa.mil/news-events/2018-01-30 より)

6G実現の課題としては、前述の「成長戦略WG」の資料では、「領域を区切っての通信や、低エネルギーの通信が全周波数帯で必要」、「周波数の枯渇状況は継続するため、周波数共用が前提」、「デバイスにはバッテリーなどに技術的なブレイクスルーが必要」、「技術進化に合わせた法制度や大幅な規制緩和が必要」などを挙げています。

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