4Dプリンタ

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4Dプリンタとは?

3Dプリンタが家庭用として量販店で売られるようになったとはいえ、まだまだ庶民には高値の花ですし、その利用価値も一般の人にはイメージできるほどに普及していません。そんな折に、次は4Dプリンタが登場しそうだというのです。

4D、つまり4つのdimension(次元)ですから、3次元(立体)にもう一つの次元を加えたプリンタと言うことになります。通常4次元(4D)とは3次元に時間を加えたものです。ですので、4Dプリンタも3Dプリンタに時間を加えたプリンタです。具体的なイメージとすれば、時間の経過に伴い変形(形状が変化)する立体物を作成できる装置です。

4Dプリンタの考え「自己組織化」

4Dプリンティングは、ナノバイオテクノロジーの進歩がマクロ規模で応用されたものと言えます。Skylar Tibbits氏は、DNA鎖が自身を結合する「自己組織化」と呼ばれる現象に興味を持ち、建築家であったことから建築や家具などの立体がセルフアッセンブリーによって自ら構築することができないかと考えだしたようです。いわば、人が皮膚に傷を負ったとき、その傷を修復して元の状態に戻るような仕組みと理解化したらわかりやすいかもしれません。

変形のための条件としては、温度や水、光などが使われます。Skylar Tibbits氏はTEDの説明の中で、水の中にいれた素材が、「MIT」と変形していく様子が紹介しています。

4Dプリンティングと自己組織化

4d_002「TED」カンファレンスで、MITのSkylar Tibbits氏が4Dプリンティングの最新技術を発表しています。スピーチの様子は「http://www.ted.com/talks/skylar_tibbits_the_emergence_of_4d_printing」で見ることが出来ます。「http://digitalcast.jp/v/17063/」では日本語字幕付きで見ることが出来ます。

それによると、4Dプリンティングとは、素材にプログラムを組み込むことで、その素材にエネルギーが加わった時に、素材のプログラムが動くというものだそうです。Skylar Tibbits氏は「3Dプリントに新たな能力を与えるというものです。その能力とは変形能力であり、パーツが立ちどころに自力である形から別の形に直接変形できるようになり、ワイヤーやモーターの無いロボット工学のようなものです。パーツをプリントしさえすれば 別のものに変形します」と説明しています。

形を変える部品は今ないわけではありません。しかし、たくさんのセンサーを取り付けたり、動かすモーターや電力などのエネルギーが必要だったりします。結果として構造が複雑になり、コストもかさむことになります。ですが、4Dプリンティングだと、素材も様々なもの(カーボンファイバー、ゴム、プラスチックなど)が使え、複雑な構造も必要としません。

さらに、4Dプリンタで生成されたものは変化し続けるということです。3Dプリンターは三次元の構造物を作れば完了してしまいます。物体が劣化することはあっても変形することはありません。しかし、4Dプリンターは出来上がっても常に変化し続けます。振動、音、熱、重力などで変化し、時間の経過ともに動き続けます。

4Dで何が可能に?

部品がそれ自身で組織化され、構造物に変化していくわけですから、ナノスケールから人間サイズまで、幅広い分野での応用が考えられています。例えば、次のようなことが可能になるかもしれません。

(1)自動的に組みあがる家具

家具などはほとんど自宅で組み立てる方式です。説明書を見ながら部品の表裏・左右を・上下を確認しながら組み立てます。左右を間違えたり、上下逆さまにした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。もし、家具が4Dプリンティングだったら、箱から出した部品が自動的に組み上がってくれるかもしれません。Skylar Tibbits氏のスピーチでは、実際に家具を作ることが4Dプリンティングの目標としているようです。

(2)状況に応じて変化する部品

状況に応じて形を変えたほうが好ましい部品があります。レーシングカーのウイングは、直線ではフラットになって空気抵抗を低減し、コーナーでは立ち上がって空気の力でクルマを路面に押しつける。そういう相反する性質の素材の製造に4Dプリンティングなら実現できるかもしれません。

(ライブドアニュース http://news.livedoor.com/article/detail/9384928/ 参照)

その他にも、水分を感知し防水になる服や、熱を察知して病気を知らせる服なども可能になるかもしれません。人工臓器や骨に利用できれば、体の成長と共に大きくなるということも考えられます。

(3)インフラへの応用

Skylar Tibbits氏がGeosyntec社と共同研究しているのは、水道管が容積や流率を変更できるよう伸縮可能だったり、水自体を動かせるよう蠕動(ぜんどう)のようにうねりを起こさせるというものです。もし可能になれば、ポンプやバルブの必要がなくなります。

 

 

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