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パーソナルモビリティー実証実験
パーソナルモビリティーの実証実験が全国のいろいろな地域で行われています。
千葉県美浜区では、パーソナルモビリティーのシェアリングサービスの実現を目指した自律走行ロボット「Cranberry(クランベリー)」を使った実験がJR浜幕張駅周辺の約1・5キロ四方の区域の歩道でおこなわれています。
愛知県豊田市では、超小型モビリティシェアリングネットワークHa:mo RIDE(ハーモライド)の実証実験が行われています。トヨタの小型電気自動車「コムス」や「i-ROAD」をパーソナルモビリティとして用いています。
ホンダは、羽田空港内でパーソナルモビリティ「UNI-CUB β(ユニカブ ベータ)」を活用した実証実験を2017年1月に実施しました。空港利用者の空港内移動手段とあるいは空港スタッフの業務に活用するというものです。
日産と横浜市は2人乗りの超小型電気自動車「日産ニューモビリティコンセプト」を活用したラウンドトリップ型カーシェアリング「チョイモビ ヨコハマ」を2017年3月に開始しました。14のステーションで車両が利用でき、15分ごとに250円課金され、1日最大3,000円だそうです。
パーソナルモビリティーの定義
パーソナルモビリティーと言っても、セグウェイのような立ち乗り型もあれば、電動車イスのような座り乗り型もあります。また、歩道の移動や限られた区域での移動を支援するモビリティもあれば、車道を走行するコンパクトな車と言えるものまでいろいろあります。
前述の実証実験の例では、Cranberry(クランベリー)やUNI-CUB β(ユニカブ ベータ)は移動支援型で、Ha:mo RIDE(ハーモライド)やチョイモビ ヨコハマは車に近いものと言えます。
パーソナルモビリティについて、例えば、経済産業省九州経済産業局の平成24年度 「九州次世代自動車産業研究会」報告書では「先進技術を用いた立ち乗り電動二輪や町中での利用を想定した1~2人乗りの小型電動コンセプトカー等を包括する次世代自動車の概念」としています。
2012年6月に国土交通省都市局・自動車局が発表した「超小型モビリティ導入に向けたガイドライン」では、超小型モビリティという呼び方で「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人〜2人乗り程度の車両」と定義しています。
また、「歩行者と既存の乗り物の間を補完する目的で開発された個人向けの移動ツール」と定義することもあるようです。
国土交通省の「超小型モビリティの認定制度」では、
①長さ、幅及び高さがそれぞれ軽自動車の規格内のもの
② 乗車定員2人以下のもの
③ 定格出力8キロワット以下(内燃機関の場合は 125cc 以下)のもの
④ 高速道路等を運行せず、地方公共団体等によって交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所において運行するもの
としていますので、車に近いものと言えます。
移動支援型のパーソナルモビリティの事例
Winglet
トヨタの一人乗りでセグウェイのような横二輪で動くパーソナルモビリティです。体重を移動させるだけで簡単に前後左右に操ることができます。重さは約20kg、最高速度時速6km、走行距離は約4km、充電時間は約1.5時間、モータ出力は約500Wとなっています。
(http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/personal_mobility/winglet.html より)
ILY-A
千葉工業大学未来ロボット技術研究センターが開発し、アイシン精機株式会社がデザインを施した3輪構成、1人乗りの電動小型モビリティです。4種類(ビークル、キックボード、カート、キャリー)の形態に変形させることで多種な用途に対応します。「知能化安全技術」を搭載し、突然飛び出してくる人や障害物などを動・静止物体に関わらず認識し、自動で車体の速度を減速して制動制御します。全長/全幅: 965mm/440mmで、最大速度: 10km/hとなっています。2015年度グッドデザイン賞を受賞しています。
(千葉興業大学未来ロボット技術研究センター http://furo.org/ja/robot/ily_a/ より)
UNI-CUBβ
ヒューマノイドロボット研究から生まれたバランス制御技術を活かした新しいパーソナルモビリティーで、UNI-CUBβ(ユニカブベータ)は、2012年にホンダが開発した電動式の一輪車「UNI-CUB」の後継機として2014年に開発されています。ハンドルやブレーキなどを一切使わず、体を傾けて重心移動するだけで前進や後進、右折左折が自由にできるというものです。
重さは25kg、最高速度は6km/h、航続距離は6kmとなっています。
(http://www.honda.co.jp/UNI-CUB/specification/ より)
Ninebot One S2
Ninebot社の電動一輪車で、セグウェイのように操縦者の重心で操作することができます。本体重量は約11.4Kg、最高時速は約20km/h、航続可能距離は約30km、充電時間は約180分となっています。
(http://www.segway.com/products/consumer-lifestyle/ninebot-one-s1 より)
MonoRover R2
ハンドルがないセグウェイのようなセルフバランスボードです。つま先を下に向けると前進し、かかとに重心を移すことで後進します。重さは約20kg、1回の充電で16〜19kmの移動ができ、走行速度は約10kmです。
(https://www.monorover.com/ より)
WALKCAR
日本発の持ち運びができる車です。サイズは13インチノートパソコンと同等で重さは2.8kgです。最高時速16km/hで、フル充電状態で1時間の使用が可能です。価格は128,000円で、2017年9月から出荷予定とのことです。
(http://www.cocoamotors.com/top-jp より)
gp1
折り畳み式電動モビリティで、公共交通や車などに持ち運んだり、玄関先のちょっとしたスペースに収納することができます。前輪モーター駆動で時速6km/h、連続走行距離は約17km、重量は12kg、充電時間 約5時間となっています。
(http://www.gp1.jp/ より)