AR(Augmented Reality)

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AR(Augmented Reality)

2016年はVR元年と言われ、テレビなどでもよく取り上げられていました。近頃、ARという言葉もよく耳にするようになってきました。

AR(Augmented Reality)は、日本語では「拡張現実」と言われています。現実の空間情報にデジタルな仮想情報を付け加えて人工的な現実感を作り出す技術です。『Pokémon GO(ポケモンGO)』などがそうです。VR(VirtualReality)が仮想世界に現実を構築する技術であるのに対して、ARは、現実にデジタル情報を付与して仮想現実を反映させる技術す。また、VRは構成要素が全て仮想情報ですが、ARは現実世界が主体で、現実+仮想といえます。

他にもMR(MixedReality/複合現実)、SR(SubstitutionalReality/代替現実)と言われるものもありますが、これらを含めて厳密にそれぞれが定義されているわけではないようです。とは言え、ARと他のVR、MR、SRとでは、リアリティの創り出す方向性や、ARを実現するデバイスの多彩さで大きな違いがあるとされています。

ARの実現方法

ARの実現方法には大きく「ロケーションベース型」と「ビジョンベース型」があります。ロケーションベース型とはGPSセンサー・Wi-Fiによる位置、地磁気センサーによる方位、加速度センサーによる傾きなどをもとに情報提示を行うものです。視覚ではなく位置に情報を付け加えるARです。
一方ビジョンベース型は、カメラに映った実際の空間や実物を画像認識して情報を付け加えるものです。これはさらに「マーカー型」と「マーカーレス型」に分類されます。マーカー型とはQRコードのようなマーカーを認識することで情報を提示する方法です。マーカーレス型とは、決まった形の図形ではなく、現実の環境に実在する物体や空間そのものを画像分析による特徴点を抽出して位置を特定し、情報を提示する方法です。

2017年のトレンドはAR

今後のARの展望について、いろいろな予測がだされていますが、いずれも大きく発展していくと見ています。

ガートナー社は、2016年10月に発表した2017年戦略的テクノロジー・トレンドのトップ10で、2017年の重要なテクノロジトレンドとして仮想現実と拡張現実を上位に取り上げています。
また、2017年1月にNTTDATAが発表した「NTT DATA Technology Foresight 2017」では、テクノロジートレンドの5番目に「超臨場チャネルの獲得」として、VR/ARデバイスの急速な進化と普及により、デジタル世界と実世界は融合し、さらに拡張されていくと予測しています。
2016年12月にCarat(電通の海外子会社)が発表した「Carat’s TOP 10 TRENDS」では、5番目に「VIRTUAL & AUGMENTED REALITY」としてARを挙げています。
IDC Japanが2016年12月に発表した2017年の国内IT市場における10大トレンド予測では、9番目にAR/VRを取り上げています。

市場規模の予測については、MM総研の2017年1月の発表では、2016年度の市場規模は、ARコンテンツ市場が59億円、VRコンテンツ市場が27億円、VR HMD市場が55億円で、2021年度には、ARコンテンツ市場が2016年度比6倍の355億円、VRコンテンツ市場が26倍の710億円、VR HMD市場が19倍の1046億円に達すると予測しています。
ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部が2016年8月に発表した資料には、AR/VR市場が2025年には約950億米ドルまで拡大し、PC・スマートフォンに続く 第3のプラットフォームを形成するとあります。
2015年にイギリスのディジ・キャピタル(Digi-Capital)発表した報告書では、VRとARを合わせた世界のビジネス規模が2020年に1200億ドルになると推測しており、うちARが900億ドルと予測しています。

身近になるAR

AR技術は「ヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)」に限定されませんのでVRよりも広範な領域で活用され、発展していくと見られています。すでにHUD 型カーナビや観光、ショッピング、山の名称、ゲームのARアプリなど、ARの活用が身近に感じられるようになってきています。
先日も、千歳空港ターミナルビルとサッポロファクトリーアトリウムで札幌雪祭りの期間、GoogleによるAR技術「Tango」を使って、雪ミク(初音ミク)の案内サービスの実験がされていました。
アパレルメブランドGAPが開発しているアプリ「DressingRoom」は、ユーザーの選んだ服をバーチャルマネキンがその服を着て現れ、ユーザーが着た感じをチェックできるバーチャル試着です。もちろんマネキンを回転させ背面の様子も確認できます。

今後のARの使われ方としては科学技術振興機構の「情報管理Vol.59(2016)№8」 AR(拡張現実)は人間が手にした新たな未来:ARの変遷と展望」やみずほ情報総研の「平成 27 年度 広域関東圏における AR・VR 関連事業者の地域参入に向けた実態把握調査 調査報告書」では、次のような例を挙げています。

例えば観光では、「史跡にスマートフォンをかざすと、当時の状況が画面によみがえる」というもので、京都府向日市教育委員会の「史跡長岡宮跡 復元・体感アプリ『AR 長岡宮』」などがあります。訪日外国人旅行客対応では、「飲食店メニューや交通機関、施設の案内表示をスマートフォンの画面に利用者の国・地域の言語で表示する」、工場オペレーション支援では、「スマートグラスのディスプレーに,具体的な作業手順や内容を表示する」、ファッションでは「特別な姿見の前に立つだけで,衣服の試着が可能」、防災教育では、「その場所で災害が起こった場合の様子を,スマートフォン越しに可視化」といった活用で、茅ヶ崎市、株式会社キャドセンター、東京大学が協働して開発した「天サイ!まなぶくん茅ケ崎版」などがあります。教育関係では、東京都荒川区教育委員会の「マチアルキ」は、東京書籍株式会社が開発・提供する学習アプリで、史跡や名所などを、スマートフォンやタブレット端末で写すことで、 その場所・その街の歴史や知識を学ぶことができるというもので、知育学習に利用されています。

(「情報管理Vol.59(2016)№8 AR(拡張現実)は人間が手にした新たな未来:ARの変遷と展望」https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/59/8/59_526/_html/-char/ja/#sec05.01 参照)
(平成 27 年度 広域関東圏における AR・VR 関連事業者の地域参入に向けた実態把握調査 調査報告書 平成 28 年 3 月 みずほ情報総研株式会社 http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/27fy_arvr_chosahoukoku.pdf 参照)

他にも、医療現場においては患者のデータや患部などを患者本人の上に投影することで手術を支援する応用も研究されています。また、印刷物では、英会話の本の音声付アニメ、コンサートポスターにライブ映像などが様々なアイディアが出されています。

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