ラストマイル自動走行

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自動走行ビジネス検討会報告書

国土交通省と経済産業省が2017年3月に「自動走行ビジネス検討会」で我が国が自動走行において競争力を確保し、世界の交通事故の削減等に貢献するために必要な取組について、産学官で検討を行ってきたものをまとめた「自動走行の実現に向けた取組方針」という報告書を公表しました。一般道路における、一般車両の自動走行の将来像を明確化したことや協調領域として9分野を特定していることなどが特長となっています。

それによれば、自家用は2020年までに高速道路でレベル2を実現し、2020年以降は主要国道でも順次レベル2を導入していくようです。そして、2025年頃からはさらに対象道路の拡大、自動運転レベルアップを図っていくことになっています。事業用車両については、2020年頃一部地域におけるレベル4の移動サービスや無人宅配を実現し、2025年以降は順次対象を拡大していくとしています。

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(自動走行ビジネス検討会「自動走行の実現に向けた取組方針」報告書概要 平成29年3月14日 自動走行ビジネス検討会 http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170314002/20170314002-2.pdf より)

9つの協調分野

また、報告書では、自動走行(レベル2~5)の実現に必要な技術の競争力を獲得していく上で、企業等が協調しいく重要な分野として「地図」「通信インフラ」「認識技術」「判断技術」「人間工学」「セーフティ」「セキュリティ」「ソフトウェア人材」「社会受容性」の9つを特定しています。1年前に出された当検討会の報告書では、「地図」「通信」「社会受容性」「人間工学」「機能安全性」「セキュリティ」「認識技術」「判断技術」の8分野でしたので、「ソフトウェア人材」が新たに付け加えられたことになります。

実証プロジェクト

さらに、2020~2030年頃の実現が期待される自動走行のプロジェクトを推進する実証プロジェクトとして「隊列走行」「ラストマイル自動走行」「自動バレーパーキング」の3つを挙げています。ちなみに、1年前の報告書では(1)自動走行(一般車両 レベル2・3・4)、(2)隊列走行(トラック レベル2) 、(3)自動バレーパーキング(専用空間 一般車両 レベル4 、(4)ラストワンマイル自動走行(専用空間等 専用車両 レベル4)という区分でした。

ラストマイル自動走行

実証プロジェクトの「ラストマイル自動走行」とはどんなものなのでしょうか。
報告書ではラストマイルと記述されていますが、経済産業省及び国土交通省から出されているこれまでの資料ではラストワンマイルという言い方もされており、同じ資料の中で両方の表記が混在している場合もあるようです。ですので、どちらも意味するところは同じのようです。
ラストマイルあるいはラストワンマイルは、通信業界で使われることが多い言葉で、最寄りの基地局から利用者の建物までを結ぶ、通信回線の最後の部分を指します。物流においても末端の配送拠点とエンドユーザーを結ぶ区間をラストワンマイルと呼んでいます。

交通関係においては、ナビで「目的地付近に到着しました。案内を終了します」とナビが終了したあと、実際の目的地までのことをラストワンマイルという場合もあるようですが、ここでは最寄り駅やバス停と自宅や目的地の間の短距離を指しています。そしてこうした短距離の移動を自動走行技術を活用して提供する新たな交通システムがラストマイル自動走行であり、端末交通システムやスマートモビリティシステムとも呼んでいます。過疎地を抱える自治体やテーマパーク事業者の関心が高いそうです。

ラストマイル走行の社会実装に向けた実証(「専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」)の選定地が2017年3月に決まり、小型電動カート応用・開発では石川県輪島市(輪島商工会議所)、福井県永平寺町(永平寺町、福井県)、沖縄県北谷町(北谷町役場)が、小型バス応用では茨城県日立市(日立市役所)になりました。2018年から実証が始まるようです。そして、2020年には過疎地等における運営コストの抑制やドライバー不足を解消する新たな移動サービスとして実現させることを目標としています。

ラストマイル自動走行では、利用者(高齢者等)は無人自動走行車を呼び出します。車は利用者を乗せて無人自動走行で最終目的地(自宅等)へ送り届けます。無人自動走行車は利用者を送り届けたあと自動回送します。実証では歩行者等がいない自動走行車専用の空間での走行を想定していますが、安全確保の技術に応じて、遠隔操作での公道走行を含むケースも検討されています。使用する車両はオープン型を基本としているようです。
実証には、ヤマハ発動機、日立製作所、豊田通商、SBドライブ、日本総研などの企業も参加しているようです。

automatic_driving_business_003_R(自動走行ビジネス検討会「自動走行の実現に向けた取組方針」報告書概要 平成29年3月14日 自動走行ビジネス検討会 http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170314002/20170314002-2.pdf より)

ヨーロッパでは、限定エリアにおいてレベル4の実証を2020 年までに実施し、2023年から商業運行する計画を立てています。「EasyMile」が提供している自動運転バスも、ラストワンマイルを補うというコンセプトで普及を目指しているものです。

シンガポールでアメリカの米ベンチャー企業ヌートノミーが行っている自動運転タクシーは、現在エンジニアが同乗していますが、2018 年には自律型オンデマンドの輸送サービスとして実用化する計画です。

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