ファントム・バイブレーション・シンドローム

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phantom vibration syndrome

phantomは「幽霊」「幻想」「幻覚」といった意味で、phantom vibration syndrome(ファントム・バイブレーション・シンドローム)は、着信がないのに携帯電話が振動したかのように錯覚する現象を指します。一種の依存症なのかもしれませんが、生活に支障きたすようなケースは稀のようです。しかし、集中力の低下、頻繁な振動の錯覚、不安を覚えるという症状があらわれるようだとカウンセリング等の治療が必要だと言われています。類似するものに着信音の幻聴が聞こえるものもあります。

対処としては、スマホや携帯の身につける場所を変える、携帯を鞄の中に入れる・電車などでは電源を切るなどの物理的距離をおくことや、返事をすぐに返さない・定期的な使い方にするなどの心理的距離を置くことも大事だそうです。

いつ頃から話題に?

〇 USA Today「Good vibrations? Bad? None at all?」

phantom vibration syndrome(ファントム・バイブレーション・シンドローム)がいつごろから話題となったのかよくわかっていないようですが、2007年6月12日のUSA Today に「Good vibrations? Bad? None at all?」(http://usatoday30.usatoday.com/news/health/2007-06-12-cellphones_N.htm)という記事があり、冒頭に「Some call it “phantom vibration syndrome.”」と「ファントム・バイブレーション・シンドローム」という言葉が出てきます。

記事では、Web開発者でカナダのスティーブン・ガリテ(Steven Garrity)氏が、自身が携帯電話の振動を錯覚したことをブログで話すと、自分も同じような経験をしたとたくさんの人が伝えてきて、「やっぱり私は狂っていないと思ったので、やや慰めになった」と述べていることを紹介しています。

また、記事では、携帯電話会社のスポークスマンが「携帯電話は自発的に振動することはなく、おそらく、携帯電話ユーザーだけの心の中にあるだろう」と述べていることや病院のコミュニケーション担当が、「毎日の幻の振動は、コミュニケーションの重要性を単に証明するもの」「常につながなければならないという心理的な表現」と話していることを紹介しています。

〇 The Sydney Morning Herald「‘Phantom’ mobile phone vibrations: why we get them」

また、シドニー・モーニング・ヘラルドの2012年2月9日付には、「‘Phantom’ mobile phone vibrations: why we get them」(http://www.smh.com.au/digital-life/mobiles/phantom-mobile-phone-vibrations-why-we-get-them-20120208-1rc21.html)と、ファントム・バイブレーションが取り上げられています。

記事では、Web開発者Jason Murrayが携帯電話での通知を期待しているときに最大のファントム振動を感じた体験や、電話やテキストを期待しているときに幻の振動を感じるというシドニー大学の教授の考え、さらに2010年の研究として、携帯電話を使用する医療スタッフの70%がファントム振動を感じていることなどを紹介しています。

このようにファントム・バイブレーション・シンドロームは、比較的早くから知られていたようです。

〇 The Conversation「What’s behind phantom cellphone buzzes?」

執筆者が全て大学教授などのアカデミック関係者という2011年創設のニュースメディア「The Conversation」の2017年3月17日付けの記事で、「What’s behind phantom cellphone buzzes?」(https://theconversation.com/whats-behind-phantom-cellphone-buzzes-73829)と言うタイトルで、大学生の80%以上がファントムバイブレーションを経験し、1日に2回以上起こっている場合は、心理的に携帯電話に依存しているという兆候かもしれませんと述べています。

そして、ファントムの電話体験は小さな問題のように思えるかもしれないが、私たちが電話にどれくらい頼っているのか、電話が私たちの社会生活の中でどれほど影響を及ぼしているのかを垣間見せるもののだと述べています。

スマホにかかわる健康障害

ファントム・バイブレーション・シンドロームの他にも、スマホに関わる健康障害としては次のようなものがあります。

〇 Text Claw

Text Clawは、スマホの操作(スクロール、文字入力、ゲームプレーなど)の動作によって発生する指の痙攣や筋肉痛です。

〇 Cell Phone Elbow

日本語では「肘部管症候群」と呼ばれるもので、長時間の携帯電話の使用でひじが不自然な形で曲げられたまま過ごすことによって、尺骨神経への圧迫が発生し、その結果、ひじ部分に痛みやしびれが生じてしまうものです。

〇 iHunch

スマホを使っているときに猫背になって身体を歪めている状態を指し、前屈みの状態で長時間いると首や背筋を痛めることになります。ニュージーランドの理学療法士スティーブ・オーガスト氏がこの言葉を作ったとされています。。他にはtext neckやiPostureという言い方もされます。

〇 Computer Vision Syndrome

日本ではVDT症候群(Visual Display Terminal)とも呼ばれています。パソコンやスマートフォンの小さなテキストなどを長時間見ていることで「かすみ目」、「めまい」、「ドライアイ」「眼精疲労」などが引き起こされる健康被害を指します。

〇 Nomophobia

“no-mobile-phone phobia(無携帯恐怖症の意)を略したもので、携帯電話なくしたり、バッテリーが切れたり、電波が届かなかったりした状態に過剰な不安・恐怖を感じる症状です。2012年のオッスフォード米語辞典が選ぶ今年の言葉の候補にもなった言葉です。

 

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