デジタル認知症

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Digitale Demenz

digitale_demenz_001ちょっと古い本ですが、2012年にドイツの医学者マンフレッド·スピッツァーが「Digitale Demenz」という本をだしました。これはドイツ語なので英語では「Digital Dementia」となるのでしょうか?日本語では「デジタル認知症(痴呆症)」という意味になります。

内容は、デジタル機器の使用が認知能力に影響するというものです。本署は「道を探すことはカーナビが、連絡先の暗記は携帯電話が代わりにしてくれる最近の環境が、精神活動を利用し制御する能力を後退させている」としています。改めて学者が指摘するまでもなく、私たちは経験則として、パソコンのせいで漢字が思い出せないとか、脳に限らず使わないものは退化していくこととか、ゲームばかりしていると子どもであれば学習能力にも少なからぬ影響が出てくるだろうことは感じています。

そうした経験則は、医学的にも、運動をしないと筋肉量が減るように、人の記憶を司る海馬が萎縮し記憶・認知機能が低下していくと証明されています。

ドーパミンとデジタル認知症

2015年5月にテレビで「デジタル認知症」が取り上げられていました。デジタル認知症の主な症状は「記憶障害」と「精神障害」です。一般的な認知症の場合は、このほかに「言語障害」や「理解力・判断力の低下」「コミュニケーション能力の低下」「集中力・注意力の低下」など様々です。ですので、一般的な認知症に比べると症状は限定されていて軽い病気のようにも思えますが、デジタル認知症は、本人も周囲も自覚が無いまま症状が悪化し、場合によっては本当の認知症になってしまうという点で、決して油断できない病気といえます。

番組によれば、インターネットやゲームを毎日10時間以上使用すると、脳内で「ドーパミン」が過剰に分泌され、脳の中のホルモンバランスが崩れて脳細胞が死滅し、結果、認知機能が低下すると説明していました。症状がひどくなると幻覚をみることもあるとのことです。

ところで、ドーパミンとは神経伝達物質で、「快感や多幸感を得る」、「意欲を作ったり感じたりする」、「運動調節に関連する」といった機能を担う脳内ホルモンのひとつです。別名「快楽ホルモン」と呼ばれ、脳内で増えるとさらに快楽を得ようと欲求が強くなります。お酒やタバコ・ギャンブルを辞められない依存症や薬物依存症などはドーパミンが関係していると言われています。これらの依存症とおなじようにデジタル機器による快感が「スマホ依存」「ネット依存」につながり、脳内ホルモンバランスの崩壊から認知症に似た症状が引き起こされるというわけです。単に便利な道具に慣れてしまって漢字が思い出せないというような単純なことではないようです。

若い人ほどデジタル認知症になりやすい?

2013年に厚生労働省の研究班が中高生を対象に「ネット依存」に関する調査を行いました。それによる、ネット依存が強く疑われる「病的な使用(ネット依存)」が全国で51万8千人を上回ると推計しました。

調査時点の直近1カ月の午前中の体調が「常に悪かった」「しばしば悪かった」という回答が24.0%にも上っていました。

またある調査によれば、10代〜20代のスマートフォンユーザの1割以上は記憶障害とされ、6割は物忘れがひどくなったと感じているそうです。また、ネットに接続できなくなると、不安と訴える青少年も増えています。

こうしたことからも推測できるようにデジタル認知症は、若い人ほど深刻な症状になりがちだと言われています。特に若い人は体に限らず脳も成長時期であり、感情の制御も不安定になりがちですので、より症状が悪化しやすいのかもしれません。

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(http://www.garbagenews.net/archives/2163575.html より)

デジタル認知症の予防法

デジタル認知症の治療あるいは予防としては、「デジタルダイエット」つまり、デジタル機器に対する依存を減らして、適切な休息と一緒に脳をよく活用する習慣をつけるということが一番のようです。

具体的な方法がいろいろ紹介されていますが、例えば、「寝る1時間前はデジタル機器を使わない」「起きてすぐにケータイをチェックしない」「インターネットで調べ物をしたらメモを取る(コピペをしない)」「リアル空間で他者と触れ合う」「意識的にスマートフォンから距離をおく(食事中・トイレ・お風呂・寝室 にはスマートフォンを持ちこまない)」など、可能な範囲で「デジタルダイエット」に心掛け、デジタル認知症にならないようにしたいものです。とは言え、私の場合は「デジタル認知症」か「老人性認知症」か区別がつかない年齢ではありますが・・・。

 

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