ソーシャルレンディング(Social Lending)

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ソーシャルレンディングとは?

最近、ソーシャルレンディングに関して「国内最大手の企業が金融庁から業務改善命令を受けた」、「ソーシャルレンディングを手がける企業が金融庁から登録取り消し処分を受けた」、「ソーシャルレンディング投資家が仲介会社を提訴」といった報道がマスコミでなされていました。こうしたニュースを見て、はじめて「ソーシャルレンディング」という言葉を知った人も多いのではないでしょうか。

では、ソーシャルレンディング(Social Lending)とは何なのでしょうか?Lendingは貸出・貸付・融資という意味です。投資したい人から資金を集めて、借りたい人に貸し付けるFinTechにおけるレンディング(融資)領域で、銀行などの伝統的金融仲介機関に依拠しない新しい金融仲介サービスとされています。経済産業省のMETI Journal には、ソーシャルレンディングについて、「クラウドファンディングの貸し付けタイプ」と記しています。

また、ソーシャルレンディングはP2P(Peer to Peer)レンディングやとマーケット・プレイス・レンディングと呼ばれることもあるそうですが、ソーシャルレンディングとP2Pレンディングを区別する意見もあります。

他にも、ソーシャルレンディングの定義やその特徴について、次のような説明があります。

 資金の貸し手と借り手をインターネットで仲介するサービスのこと。

 不特定多数の個人が、運営会社のプラットフォームを通じて企業などに資金を貸し出す。

(日本型ソーシャルレンディングに関する状況 平成30年3月13日 日本証券業協会http://www.jsda.or.jp/katsudou/kaigi/jisyukisei/180313_ATCWG_siryou.pdf より)

 

資⾦運⽤したい個⼈と融資を受けたい個⼈をマッチングさせるソーシャル・レンディング

(FinTech ビジョン:FinTech の課題と今後の⽅向性に関する検討会合 報告 2017 年5 ⽉8 ⽇ 経済産業省 https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/pdf/20170508001_1.pdf より)

 

ソーシャルレンディングは、銀行を通さず、借り手と貸し手をウェブ上でマッチングするサービスで、投資対象事業に対するローンという形式を取り、金銭的リターンに対する期待をインセンティブとして投資対象事業への出資を求め、・・・

(ソーシャルレンディングによる金融仲介の事例研究 坂下 晃 http://www.jsri.or.jp/publish/report/pdf/1683/1683_04.pdf より)

 

ソーシャル・レンディングとは、ウェッブ上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用するなどして、余剰資金を持つ個人(貸手)と資金需要を持つ個人(借手)との間の金融仲介サービスを行う事業の総称である。

(GEMC journalNo.3、2010 年lソーシャル・レンディングの機能―maneoの事例を題材に― 森田 果 http://www.law.tohoku.ac.jp/gcoe/wp-content/uploads/2010/03/gemc_03_cate3_4.pdf より)

 

・・・は、ソーシャル・レンディング・・・とも呼ばれる。与信審査に従来から利用されてきた個人情報(年齢・収入・クレジットスコア等)のほか、PFM やクラウド会計のデータ、クレジットカードの決済情報、電子商取引の取引記録、SNS の情報といった既存の金融機関では利用されないデータを人工知能によって多面的に分析することで、これまで銀行の融資対象とならなかった顧客層への貸付が可能になる。・・・

(日本証券協会「フィンテック時代の証券業」2018年6月「証券業界とフィンテックに関する研究会」http://www.jsda.or.jp/shiryo/houkokusyo/files/fintech20180619.pdf より)

ソーシャルレンディングの歴史

2002年にイギリスで開始された「VirGinMoney」がソーシャルレンディングの始まりと言われています。これは、知り合いの個人間融資サービスでした。その後、2005年にイギリスのZOPAが個人間の小口融資ができるサービスを開始しています、アメリカでは2006年にProsper、2007年にLending clubがサービスを開始しました。ProsperとLending clubのサービスはオークション型ソーシャルレンディングサービスと言われるものです。

日本では2008年にmaneoがサービスを開始し、2009年にAQUSH、2011年にSBIソーシャルレンディング、2013年にクラウドバンクとサービスを提供する企業が誕生しています。

ただ、日本のソーシャルレンディングは、貸金業法の規制により、本来のソーシャルレンディングとは形が違うという意見もあります。

FinTechにおけるソーシャルレンディングの位置づけ

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世界経済フォーラムの資料では、フィンテックのサービス分野を大きく保険、銀行・融資サービス、資金調達プラットフォーム、投資・資産運用、紙上インフラ、決済システムの6つに分けています。図では緑で示された「預金・融資(Deposits&Lending)」の中の「Alternative lending platform(代替融資プラットフォーム)」に「P2P Lending」があります。クラウドファンティング(Crowdfunding)は青で示された「Capital Raising(資金調達)」の中に位置づけられています。

クラウドファンティングとの関連では、クラウドファンティングを「寄付型」「購入型」「出資型」「貸付型」などに分類し、ソーシャルレンディングは貸付であることからクラウドファンティングの「貸付型」と捉えることができるようです。ちなみにクラウドファンティングの分類には、投資型と非投資型に大きく分け、投資型は融資型(貸付型)、ファンド型、株式型に、非投資型は寄付型、購入型の2つに分けることが一般的なようです。

トランザクションレンディング

ソーシャルレンディングに似たものにトランザクションレディング(Transaction Lending)があります。Transactionは取引・売買といういみです。特定のプラットフォーム内での例えばPV数、決済状況、売上高などの実際のECサイト内の取引データをもとにオンライン上で融資の審査を行うサービスです。こうしたデータはすでにプラットフォーム側が持っているので、銀行のような面倒な書類の提出等の手続きが必要ありません。例えば、Amazonレンディングの場合は、Amazonマーケットプレイスに出店している店舗の売上データなどから出店しているショップに融資を行います。

このようにソーシャルレンディングがCtoB型あるいはCtoC型のレンディングであるのに対して、トランザクションレンディングはBtoB型あるいはBtoC型のレンディングと言えます。

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