イアンピアソンの未来予測

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21世紀の予言

明治34年(1901)年に当時の報知新聞が「21世紀の予言」なるものを掲載し、100年後の世界について23項目予測しています。

<無線電信及電話>

マルコニー氏発明の無線電信は一層進歩して只だに電信のみならず無線電話は世界諸国に連絡して東京に在るものがロンドンニューヨークにある友人と自由に対話することを得べし

※無線電話で海外の友人と話ができる。

<遠距離の写真>

数十年の後欧州の天に戦雲暗澹たることあらん時東京の新聞記者は編集局にゐながら電気力によりて其状況を早取写真となすことを得べく而して其写真は天然色を現象すべし

※新聞記者は編集局にいながらにして遠距離のカラー写真が手に入る。

<野獣の滅亡>

アフリカの原野に到るも獅子虎鰐魚等の野獣を見ること能はず彼等は僅に大都会の博物館に余命を継ぐべし

※アフリカの野獣が絶滅し、僅かに動物園でしか見られない。

<サハラ砂漠>

サハラの大砂漠は漸次沃野に化し東半球の文明は漸々支那日本及びアフリカに於て發達すべし

※サハラ砂漠が緑化して文明がアジア・アフリカで発達する。

<七日間世界一周>

十九世紀の末年に於て尠くとも八十日間を要したりし世界一周は二十世紀末には七日を要すれば足ることなるべくまた世界文明国の人民は男女を問はず必ず一回以上世界漫遊をなすに至らむ

※7日で世界一周ができるようになり、人々は世界旅行を楽しむようになる。

<空中軍艦空中砲台>

チェッペリン式の空中船は大に発達して空中に軍艦漂い空中に修羅場を現出すべく従って空中に砲台浮ぶの奇觀を呈するに至らん

※空中に軍艦が漂い、空中砲台ができる。

<蚊及蚤の滅亡>

衛生事業進歩する結果、蚊及び蚤の類は漸次滅亡すべし

※蚊やノミが滅亡する。

<暑寒知らず>

新器械発明せられ暑寒を調和する為に適宜の空気を送り出すことを得べしアフリカの進歩も此為なるべし

※機械で温度を調節した空気を送り出すことができるようになり、アフリカが発達する。

<植物と電気>

電気力を以て野菜を成長することを得べく而してそらまめは橙大となり菊牡丹薔薇は緑黒等の花を開くもあるべく北寒帯のグリーンランドに熱帯の植物生長するに至らん

※電気の力で野菜が成長させることができるようになり、グリーンランドでも熱帯の植物が育つ。

<人声十里に達す>

伝声器の改良ありて十里の遠きを隔てたる男女互に婉婉たる情話をなすことを得べし

※遠くの人間と話ができる。

<写真電話>

電話口には対話者の肖像現出するの裝置あるべし

※テレビ電話ができる。

<買物便法>

写真電話によりて遠距離にある品物を鑑定し且つ売買の契約を整え其品物は地中鉄管の裝置によりて瞬時に落手することを得ん

※テレビ電話で買い物ができる。

<電気の世界>

薪炭石炭共に竭き電気之に代りて燃料となるべし

※電気をエネルギーとする。

<鉄道の速力>

十九世紀末に發明せられし葉巻煙草形の機関車は大成せられ列車は小家屋大にてあらゆる便利を備え乗客をして旅中にあるの感無からしむべくただに冬期室内を暖むるのみならず暑中には之に冷気を催すの裝置あるべく而して速力は通常一分時に二マイル急行ならば一時間百五十マイル以上を進行し東京神戸間は二時間半を要しまた今日四日半を要するニューヨークサンフランシスコ間は一昼夜にて通ずべしまた動力は勿論石炭を使用せざるを以て煤煙の汚水無くまた給水の為に停車すること無かるべし

※葉巻型の列車が東京・神戸間を二時間半で、ニューヨーク・サンフランシスコ間は1昼夜で走る。

<市街鉄道>

馬車鉄道及び鋼索鉄道の存在せしことは老人の昔話にのみ残り電気車及び圧搾空気車も大改良を加えられて車輪はゴム製となり且つ文明國の大都會文明国の大都会にては街路上を去りて空中及び地中を走る

※鉄道の車輪がゴムとなり空中又は地下を走るようになる。

<鉄道の聯絡>

航海の便利至らざる無きと共に鉄道は五大州(アメリカ大陸・ヨーロッパ大陸・アジア大陸・アフリカ大陸・オセアニア)を貫通して自由に通行するを得べし

※鉄道網が世界中に張られる

<暴風を防ぐ>

気象上の観測術進歩して天災来らんとすることは一ヶ月以前に予測するを得べく天災中の最も恐るべき暴風起らんとすれば大砲を空中に放ちて変じて雨となすを得べしされば二十世紀の後半期に至りては難船海嘯等の変無かるべしまた地震の動揺は免れざるも家屋道路の建築は能く其害を免るゝに適当なるべし

※台風を一ヶ月以上前に予測して大砲で破壊できる。

<人の身幹>

運動術及び外科手術の効によりて人の身体は六尺(約180cm)以上に達す

※人々の身長が180センチ以上になる

<医術の進歩>

薬剤の飲用は止み電気針を以て苦痛無く局部に薬液を注射しまた顕微鏡とエッキス光線の発達によりて病源を摘発して之に応急の治療を施すこと自由なるべしまた内科術の領分は十中八九まで外科術に移りて後には肺結核の如きも肺臟を剔出して腐敗を防ぎバチルスを殺すことを得べし而して切開術は電気によるを以て毫も苦痛を與ふる与えること無し

※電気針で無痛で薬を投与で、切開手術も電気で無痛でできる。

<自動車の世>

馬車は廃せられ之に代ふるに自動車は廉価に購うことを得べくまた軍用にも自転車及び自動車を以て馬に代ふることとなるべし従って馬なるものは僅かに好奇者によりて飼養せらるゝに至るべし

※馬車がなくなり、自転車と自動車が普及する。

<人と獣との會話自在>

獣語の研究進歩して小学校に獣語科あり人と犬猫猿とは自由に対話することを得るに至り従って下女下男の地位は多く犬によりて占められ犬が人の使に歩く世となるべし

※人と動物と自由に会話でき、犬が人間のお使いをする。

<幼稚園の廃止>

人智は遺伝によりて大に発達し且つ家庭に無教育の人無きを以て幼稚園の用無く男女共に大学を卒業せざれば一人前とみなされざるにいたらむ

※無教育な人間がいなくなり、幼稚園が必要なくなり、男女ともに大学を出て一人前となる。

<電気の輸送>

当本(注=にほん)は琵琶湖の水を用ひ米国はナイヤガラの瀑布によりて水力電気を起して各々其全国内に輸送することとなる

※日本では琵琶湖の水、アメリカではナイアガラの滝の水電気を起こし国内に輸送する。

 (科学技術白書(平成17年版)より)

21世紀になる前にすでに実現した技術もあれば、未だ実現できていない技術または今の世界からは的外れな予言もあるようです。とは言うものの、おおよそ3分の2ぐらいは何らかの形で実現しているのではないでしょうか?

ところで、前述の予言の中に「人と獣との會話自在」とあります。これなどはまだできていませんが、真剣に研究している人もいるようです。ノーザンアリゾナ大学のCon Slobodchikoff教授は、動物のコミュニケーション手段には文法や構成があり、言語と言ってもよいと考えているようで、プレイリードッグの鳴き声を英語に翻訳する新技術を開発中とのことです。

未来学者で通信大手BT(British Telecommunications)の未来研究部門代表を務めるのイアンピアソン(Ian Pearson)氏は、2050年の姿を予測したレポートの中で、「人間がペットの話を聞き、コミュニケーションを取りながら、動物のIQを高めることができる。」と予測しています。現在でも動物の気持ちを伝えるアプリが開発されているぐらいですから、ゆくゆくは動物と人間との翻訳機が世に出てくるかもしれません。

イアンピアソンの予測する2050年の人間の姿

前述のイアンピアソン(Ian Pearson)氏の未来予測に関しては、3月16日にバーミンガムで行われるザ・ビッグ・バン・フェア2016(The Big Bang Fair 2016)のWebに「Smart-pets and super-humans set to rule the world by 2050」と題する短いレポートが載っており、そのレポートで氏が予測する2050年の人間の姿が紹介されています。それによると、次のようなことが箇条書きで示されています。

①電子肌や皮膚の細胞の間に施術する小型インプラントを通じて、直接、技術と接続される。

②「電子的に筋肉を支えるタイツ(Electronic muscle support tights)」を使用して、足の筋力を後押しできる。電子サポートタイツは厚さ1cmウェアラブル高分子ゲルの筋肉である。

③既存の化粧が姿を消しスマートメイクが登場する。皮膚の表面に交換可能な膜を取り付けることで、シミ・そばかすといった問題から開放され、メイクアップという言葉すら死語になる。

④ナノテクノロジーが身体内部を監視し、自己修復可能を可能とし、内側から体をサポートする。

⑤人間がペットの話を聞き、コミュニケーションを取りながら、動物のIQを高めることができる。

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(The Big Bang Fair 2016 https://www.thebigbangfair.co.uk/view/?con_id=4725 より)

DailyMailは、イアンピアソン氏の予測を詳しく掲載しています。それによれば、「デジタルの不死」つまり、思考や経験をオンラインにアップロードして未来に残すことによって生物学的な死のあとも意識が生き続けるということが常識化されてくるとしています。そして、人類とコンピューターと一体化することが可能になり、「ホモ・オプティマス(Homo Optimus)」という新しい種が登場するとしています。オプティマスとはラテン語で「賢い」という意味だそうです。さらに、人間の脳とコンピューターの完全な接続が可能になれば、心を生身より優れたアンドロイドの身体に乗り換えさせることも起きてくるだろうし、他人の情報をダウンロードすれば、学習なしに様々なスキル(例えば外国の会話など)を瞬時に習得することができるようになるとも予測しています。そしてもう少し時代が進むとスマートクリーチャーが誕生するとしています。クリーチャー(creature)とは生き物、獣、創造物と言った意味がありますので、いわば実際には存在しない人工的に作られた動物と言ったところです。

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(DailyMail http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3423063/Is-technology-causing-evolve-new-SPECIES-Expert-believes-super-humans-called-Homo-optimus-talk-machines-digitally-immortal-2050.html より)

「SFはしばしば事実になる」とはイアンピアソン氏の口癖のようですが、100年前の「21世紀の予言」はおそらく誰もがSFの世界の話と信じていなかっただろうことを想像するに、こうした予測も実際の形は違ってもよく似たものが実現されているかもしれません。

 

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