情報薬(Info-Medicine)

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情報薬

情報薬(Info-Medicine)というのは、あまり聞きなれないことばですが、その概念は、人の日常の健康状態をICTを活用して観察し、適時適切な情報を与えることで未然に病気を防ぐというものです。札幌医科大学の辰巳治之教授が10数年前から提唱しておられるコンセプトのようです。

薬剤そのものではなく、情報を提供することで直接、間接に体調が好転させ、病気の発症や病状の悪化を事前に防ぐというもので、病気になってから対応する医療から、病気になる前に食い止める医療への転換にITCを活用しようということのようです。例えば、不摂生をしている人にコルステロール値、中性脂肪、γGTPなどの数値変化のグラフを見せることで、成人病への危機感を高め、生活習慣を改めさせる効果を期待するという具合です。ICTを活用した「ヘルスケアサービス」に近い概念のようにも思えます。

info_medicine_001_R(医療における大規模センシングと「情報薬」の実践 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター 野原康伸 より)

薬の効き具合というのは人によって違いがあるように、情報薬の効果も一般化することは難しかもしれません。ですので、個々の特性に応じたテーラーメードの情報が求められるのではないかと想像します。また、より効果のある情報薬を創るには、個々の生活習慣や行動パターンなど日常生活をデータ化すること、そうした大量のデータをリアルタイムでセンシングすることが重要で、そうして得られたビッグデータの解析によってより確かな薬を創ることができます。それとともに、どの情報を、どのタイミングで、どうやって伝えるかという処方箋も重要になってきます。どんなに効果が期待できる薬(情報)であっても、数値だけが並べられていてはうんざりします。食べ終わったあとに食事の情報を提供されてもどうすることもできません。お酒やたばこ、あるいは高カロリーの食事などを控えなければならないような場合、飲みたくなった瞬間、食べたくなった瞬間に、それを思いとどまらせるような内容のメールがタイミングよく届けば、甘い誘惑に勝てるかもしれません。お年寄りでも、医学的知識に乏しくてもビジュアルにとらえられる情報がタイミングよく提供されることが重要になってくると思われます。

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(医療における大規模センシングと「情報薬」の実践 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター 野原康伸 より)

 

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