対話プラットフォーム

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Conversation as a platform

Conversation as a platformとは、2016年3月の「Build 2016」においてマイクロソフトのサティア・ナデラCEO が提唱した概念です。Conversationは「会話」という意味です。ユーザインタフェース(※1)として「会話」を使うことで、特定のアプリケーションに依存しないコンピューティング、例えば、天気予報を見たい、ホテルの予約をしたいというとき、その都度アプリを立ち上げ、情報を入力するなどの操作をしますが、そうした煩わしさを音声で語り掛けるだけで済ませることができる環境を実現しようというものです。

サティア・ナデラCEOは、「対話そのものがインターフェースとなり,アプリケーションからユーザに近づいていく世界」と表現しています。

2017年6月20日に公表された「新たな情報通信技術戦略の在り方」第3次中間報告書(案)では、アマゾンのAI音声自動応答スピーカー「Echo」やスマートフォンでの検索の2割は音声入力によるものという例を紹介しながら、このようなインターフェイスを「対話プラットフォーム」と表現しています。

対話プラットフォームでは「対話がアプリやwebサイトに代わるユーザとの新しい接点」となり、「 ユーザが情報を探すのではなく、対話を通してユーザに最適な情報を与え、価値ある体験を提供」するものであると述べています。

(※1)コンピュータシステムあるいはコンピュータプログラムと利用者との間の情報のやり取りの仕組みをユーザーインターフェイスといいます。Character User Interface(CUI)と呼ばれれるいわゆるキーボードで入力する方法とGraphical User Interface(GUI)と呼ばれるマウスなどを使って視覚的に操作するもの、さらにはNUI (Natural User Interface)とも言われるタッチパネルの操作Kinectのようなジェスチャ操作などもあります。

対話プラットフォームがもたらすインパクト

対話プラットフォームの急速な普及は私たちの生活や産業にどのようなインパクトを及ぼするのでしょうか?前述の「新たな情報通信技術戦略の在り方」第3次中間報告書(案)では、そのことについて次のような未来を想定しています。

まず、対話プラットフォームが家電、自動車、ロボット等のあらゆるものに搭載され、サイバー空間への入口を独占し、あらゆる情報をやり取りするプラットフォームになると見ています。また、チャットボットが対話データを蓄積・学習して自然対話が可能になったとき、会話を通じて国民生活や経済活動の多様なシーン(時間、場所)での情報を大規模に集めることが可能となり、マーケティングの革新を生み出す可能性があるとしています。そして人工知能によって高度化したチャットボットは、ユーザの意図を読み取りその手助けをし、データを活用した最上のパーソナライズ・サービスを提供してくれる存在になるとしています。ユーザのあらゆる要望をサイバー空間で代行してくれるアシスタントボットが登場することも予想しています。

また、少子高齢化の進む我が国の社会的背景を踏まえ、コミュニケーションロボットが、音声対話プラットフォームを実装することで、高齢者とかみ合った双方向の対話やデータの蓄積と分析による認知症の早期発見、緊急時に医院に連絡を行うなどのコミュニケーションロボットの高度化が期待できるとしています。そしてこれらの技術は、高齢化が進むアジア諸国等のインフラとして普及展開を図ることも可能としています。

interface_001_R(新たな情報通信技術戦略の在り方<平成26年12月18日付け諮問第22号>第3次中間報告書(案)~ 次世代AI×ICTデータビリティ戦略 ~~ 次世代人工知能社会実装戦略 ~平成29年6月20日 技術戦略委員会 http://www.soumu.go.jp/main_content/000492166.pdf より)

高齢者と対話プラットフォーム

今、高齢者もスマホを使う人が増えています。ところが高齢者の場合、スマホの画面が反応しないということがあります。スマホのページをめくるとき、まるで本をめくるかのように指をなめて画面を操作するのですが、それは、高齢者の指が乾いていてスマホの画面が思うように反応しないことに原因があるようです。

また、高齢者にとっては新しいものを習得するのは面倒なものです。インターフェースのデザインをいくら使いやすくしても、その使いやすいものを習得するのに時間と労力・コストがかかります。

このような点からも、音声で操作できるというのは、高齢者にとっては便利で有効なインターフェイスです。ただ、音声認識において、若い人と高齢者ではその認識の精度に違いがあるようです。声が小さいとか発音が不明瞭でしわがれ声だといったことで認識率が下がるようです。そこで、高齢者には高齢者用の音声認識エンジンが必要になってくるようです。

(参照資料:新たな情報通信技術戦略の在り方<平成26年12月18日付け諮問第22号>第3次中間報告書(案)~ 次世代AI×ICTデータビリティ戦略 ~~ 次世代人工知能社会実装戦略 ~平成29年6月20日 技術戦略委員会)

 

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