ドローンハイウェイ構想

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ドローン市場予測

先ごろ発表されたインプレス総合研究所の「ドローンビジネス調査報告書2017」による国内ドローンビジネス市場規模(機体、サービス、周辺サービス)予測では2016年は353億円で、2017年は533億円、2020年には約4倍の1,423億円にまで拡大すると見ています。特にドローンを活用したサービスの拡大が大きく、2016年の154億円から2020年には約5.5倍の853億円になるとしています。ちなみに、機体は約2.6倍、周辺サービスは約3.3倍となっています。 1年前の報告書では、2016年の市場規模を199億円、2020年は1,138億円としていましたから、予想以上にドローン市場が拡大していると言えそうです。

MM総研は2017年1月に国内ドローン市場規模を「機体」「飛行支援システム」「活用ソリューション」「関連サービス」の4つのカテゴリに分類し、予測を発表しています。それによれば、2016年度の国内ドローン市場規模を404億円と見込んでいます。そして、2020年度には約3.3倍の1,341億円になると予測しています。

ドローンの飛行については、高度が150メートル以上の場合、航空機の飛行に影響のあるエリア、人口密集地、イベント会場等で飛ばす場合、許可が必要になりますが、国土交通省の発表では、法律が改正後の1年間で1万件を超える許可をしているとのことです。市場の拡大とともに空を飛ぶドローンもますます増加してくるものと思われます。

ドローンハイウェイ構想

ドローン市場の拡大が進むと予想される中、東京電力とゼンリンが、送電線に添った「ドローンハイウェイ」を整備し、3年後をめどに物流業者などに貸し出す「ドローンハイウェイ構想」を展開すると発表し、NHKをはじめ各マスコミが詳しく報道していました。地上に張り巡らされた電力ネットワークを道しるべとして、ドローンが送電線等に沿って安全に飛行するルートの実現しようというものです。

両社の発表によると、ドローンの高機能化や法制度の整備に伴って、多様な分野への普及拡大が期待されている反面、飛行空域にある構造物の位置や高さを認知して衝突回避、バッテリーの確保、ドローン同士の衝突を回避するための運行管理などの技術的課題があり、東京電力の保有する変電所、送電鉄塔(約5万基)、送電線(約1万5000㎞)、配電柱(約590万基、配電線約33万8000㎞)、架空送電線などのインフラデータと、ゼンリンが開発を進める空域情報を3 次元化した「空の3次元地図」を組み合わせて、3年後にドローン専用道路を実現させるとのことです。

具体的には、「1都12県のおよそ1万5000㎞の送電線に沿って、ドローンが飛べる空間を確保」「鉄塔に据え付けたセンサーや人工衛星からの電波でドローンを誘導(GPS位置補正)」「気象情報提供」「周辺にバッテリーの充電や修理の拠点を設置(ドローンポート)」、「ドローンの電力設備への接触を防ぐ空の3次元地図の作成」「インフラ設備の3次元データベースを用い、設備点検場所までドローンを誘導する技術」などの共同開発を進めるとのことです。

2017年度には電力設備の3次元データベースの整備を開始、2018年度にはドローンを誘導する誘導プラットフォームの研究・開発、2019年度は「ドローンポート」の整備をするとのことです。

「空の3次元地図」については、ゼンリンは、全国の建物の高さ情報を用いた3次元地図情報をすでに整備済みとのことですが、鉄塔や送電線についてはまだ整備されていないようです。
東京電力はこの事業での収益を原発事故の対応費用などに充てたいとのことです。

drone_highway_002_R(ゼンリンhttp://www.zenrin.co.jp/news/170329.html より)

ドローン国際標準化

経済産業省の平成29年度予算に「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト 33.0 億円(新規)」があります。その中の施策として、ドローンの性能評価基準、運航管理システム、衝突回避技術等を開発し国際標準化につなげるとあります。

drone_highway_003_R(経済産業省http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2017/pr/e/e_sangi_taka_24.pdf より)

2017年2月26日付け日本経済新聞には「ドローン国際規格、日本から制御技術など開発へ 経産省、市場開拓を後押し」というタイトルで、ドローンの国際規格づくりを進め、2025年度をめどに国際標準化機構(ISO)の承認を目指すと報道していました。

これは、現在、アメリカ・中国・ヨーロッパがドローンの国際的なマーケットを獲得するために国際標準化を通じて自国に有利なルー ルを策定する取り組みを進めていることが背景にあるようです。

ISOでは2014年にTC20/SC16(規格策定に関する専門委員会/分科委員会)が設立され、3つのWGで国際規格が検討されています。また、ヨーロッパでは航空管制システムの協議会がジュネーブに設置され、アメリカ航空宇宙局(NASA)では、ドローン管制システムや衝突防止システムに必要な技術基準を策定する実証実験を進めているようです。中国でも、深セン市に適用されている標準を国家標準、国際標準に拡大していくことを目指しているとのことです。

日本には、技術では世界をリードしながらも国際規格化で後れをとりガラパゴスと揶揄されてきた苦い経験があります。そうした二の舞にならないようにとの動きも言えそうです。

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