スリープテック

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スリープテック

「睡眠負債」という言葉があります。わずかな睡眠不足であってもそれがじわじわと積み重なり、やがては肥満や高血圧など命にかかわる病気のリスクを高め、さらに作業効率や生産性の低下、事故やエラーのリスクといったことまでにも大きな影響を与えるというものです。この「睡眠負債」は、スタンフォード大学のウィリアム・デメント(William Dement)教授が名付けた「sleep debt」を直訳した言葉で、debtは債務という意味です。

厚生労働省の調査によれば、日本人の成人の約4割が睡眠不足の状態だそうです。逆に言えば、それだけ快適な睡眠を求める人が多いということになります。そうしたことから睡眠改善のための安眠できる枕やベッド、照明、アロマ、眠りを誘うBGM、さらには睡眠カフェなど、睡眠ビジネスが活況を呈しています。中でも、2018年1月9日から12日まで、ラスベガスで開催された国際家電市「CES 2018」で、初めて「Sleep Tech」ゾーンが設けられたように、ビッグデータ、IoT、AIなどのテクノロジーで睡眠課題を解決するSleepTech(スリープテック)が今注目されています。

睡眠ビジネスの市場規模は、その範囲についての定義は難しいようですが、1兆円とも3兆円とも言われています。また、古い資料ですが、2015年7月31日のGlobeNewswireには、世界市場の規模では2020年には808億ドルと書かれています。(GlobeNewswire https://globenewswire.com/news-release/2015/07/31/756724/10144080/en/Global-Sleep-Aids-Market-Will-Reach-US-80-8-Bn-by-2020-Persistence-Market-Research.html より)

今回は、そんなテクノロジーで睡眠課題を解決し、快適な睡眠に導くSleepTechを紹介します。

 〇 Nokia Sleep

説明書には「Sleep sensing – Home automation pad」とあります。マットレスの下に敷いて、寝てる人の振動や音をセンシングし、Wi-Fi経由でHealth Mateアプリと自動的に同期してデータ履歴、パーソナライズドアドバイス、コーチングプログラムをユーザに提供して睡眠改善に役立てるというものです。具体的には、睡眠サイクルの監視や追跡(睡眠の持続時間と中断、睡眠の深さ、レム睡眠など)、心拍数、いびきの追跡などができるそうです。

また、IFTTTホームオートメーションプラットフォームを介したスマートホーム制御(ライト、サーモスタットなどを自動的に制御して、ユーザーが寝るときの温度を下げる、ブラインドを開き、ベッドから出るようにライトをオンにするなど)が可能となっています。

sleep_tech_001_Rhttps://support.withings.com/hc/en-us/article…/Nokia_Sleep_User_Guide_JA.pdf より)

〇 Smart Sleep Light

「Smart Sleep Light」は深圳のSleepaceの製品です。スマートフォンのアプリで睡眠の状態をモニタリングしながら、光と音で入眠や目覚めの質を向上させようというものです。

寝る前はメラトニンの分泌を高める赤い波長を生成する光と穏やかな音楽で入眠に導き、眠りを感知すると自動的に光も音楽も停止します。また、起床時は浅い眠りの時に、太陽光に近い光を起床時刻に合わせて徐々に明るく灯ります。

操作はwave、touch、touch the side、tap the sideなどのジャスチャーで操作することができ、それぞれ調光、電源のON/OFF、光の強さ、ボリュームの操作できます。

sleep_tech_002_R(Sleepace  http://www.sleepace.com/en/nox.html より)

〇 SmartSleep

PHILIPSがCES2018で発表したヘッドバンド型の睡眠改善デバイスです。PHILIPSのニュースセンターには「世界で初めて唯一臨床的に実証されている」とあります。また、睡眠不足の慢性的なユーザーが、わずか2週間でSmartSleepを試したところ、70%の人がその日に疲れが少なくなったと報告している」とも記されています。

耳の裏についたセンサーで睡眠を感知し、内臓スピーカーから特別な音波(ホワイトノイズ)を出すことでより深い快眠の状態へと導くそうです。入眠を誘うというものではなく、眠りの最適化に特化した製品といえそうです。

sleep_tech_003_R(Philips  https://www.usa.philips.com/c-e/smartsleep.html より)

(PHILIPS ニュースセンターhttps://www.philips.com/a-w/about/news/archive/standard/news/press/2018/20180109-philips-personal-health-solutions-at-ces-2018-connect-people-technology-and-data.html より)

〇 NGmatt 2.0

最大16の空気袋の圧力を自動的に調整し、寝姿勢における背骨のゆがみをアプリで矯正できるマットレスです。心拍変動や睡眠のトラッキング機能もあるそうです。

sleep_tech_005_Rhttp://www.ng-life.com/es/selector-de-productos/colchones/item/ngmatt より)

〇 Nightingale

Nightingale(ナイチンゲール)は、均一で柔らかく包まれるような音(サウンドブラケット)で、睡眠を妨げるノイズを消し、通常より38%早く入眠することができるようにするデバイスです。コンセントにさして使いますので、部屋全体に眠りやすい環境を作ることになります。IFTTTを通じてNest, Ring, やPhilips Hueなどのスマートホームデバイスとの統合、Amazon Echoや Google Homeと連携した音声操作もできます。

病院や老人ホーム、ホテルなど、より音響的に快適な環境を作りたい場所での使用に適しているようです。また、いびきなどに効果があるようです。

sleep_tech_004_Rhttps://www.controlnightingale.com/pdf/NightingaleSupport.pdf より)

〇 SLEEPON

三次元センサー、心拍数センサー。血中酸素センサーなどを備え、睡眠データを記録して可視化することで睡眠状況の把握や管理をサポートする指輪型のウェアラブルデバイスです。

睡眠時間、睡眠段階分析、呼吸休止回数、寝返り数、安静時心拍数、血中酸素飽和度さらに睡眠負債状況まで分かるそうです。

大きさは500円玉サイズで重さはわずか6グラムです。また、1回の充電で、3日間連続使用可能だそうです。

sleep_tech_006_Rhttps://www.sleepon.us/index.html より)

〇 Somnox sleep robot

オランダのデルフト工科大学の学生が2015年に創業したスタートアップSomnoxが開発した柔らかな素材で包まれた睡眠ロボット(?)です。抱き枕のように抱えるとユーザの心拍に合わせてゆっくり呼吸を始めます。それによってリラックスした状態を創り出し眠りに誘うということのようです。

Webサイトには、睡眠ロボットの機能として、速いスリープ状態、長い眠り、リフレッシュな目覚めの3つが書かれています。また、睡眠ロボットにはのオーディオ機能や起床アラーム機能もあります。

sleep_tech_007_Rhttps://meetsomnox.com/ より)

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