スマート補聴器

hearing_aid_009_R

補聴器

6月6日は「補聴器の日」だそうです。一般財団法人日本補聴器工業会のジャパントラック2015という調査報告書によると、日本の難聴者はおよそ11%いるそうです。もちろん難聴といってもほとんど聞こえない人もいれば、聞こえずらいという程度の人もいます。また、高齢者ほどその率は高くなります。ちなみに報告書では、65歳から74歳で18%、74歳以上になると42%ほどになっています。日本の総人口は1億2600万ですので、11%というのはおよそ1400万人という数になります。
こうした難聴者のうち補聴器を所有しているのはわずか13.5%となっています。また、両耳装用者は、補聴器所有者の46%にとどまっています。

hearing_aid_001_R(JapanTrak 2015調査報告書 http://www.hochouki.com/files/JAPAN_Trak_2015_reportv3.pdf より)

ところで、難聴者の割合というのは各国ともおおむね10%ぐらいで日本と大差はないようです。ところが補聴器の装用率になるとアメリカが約25%、イギリスが約41%、フランスが30%、ドイツが34%だそうです。前述のように日本は約13.5%ですので大きな開きがあります。
アメリカの調査で、同レベルの難聴者で、補聴器をつけているか、つけていないかで収入に差があるか調べたところ、補聴器をつけていない人に比べて補聴器を付けている人は1.3倍も収入多かったそうです。

hearing_aid_002_R(欧米諸国の調査とリンクした、難聴・補聴器に関する 日本初の大規模なアンケート調査「JapanTrak2012」http://www.widexjp.co.jp/w_chosa/pdf/JapanTrak2012.pdf より)

日本では補聴器を必要とする人が多くいるのにあまり普及しない理由のは、障害を暗いイメージでとらえるネガティブな意識が影響しているのだろうと思われます。

こうした状況ですが、最近、補聴器にも最新テクノロジーを盛り込んだ「スマート補聴器」とでもいうべき耳に装着するスマートデバイスが次々と出てきており、補聴器のイメージも変わりつつあるようです。

Oticon Opn

デンマークの補聴器メーカーのOticonが2016年6月に発表した補聴器です。発売時期や価格は未定です。発表によれば、IoT端末と接続する補聴器ということで、Wi-Fiでインターネットに接続することで、モバイルアプリで設定した「IFTTT」のレシピで他のIoT対応端末と連係できるとのことです。たとえばドアホンや煙探知機、赤ちゃんモニターのようなスマートホームデバイスからの通知を、補聴器を通じてアラーム音などで受け取ることができます。
「カレンダーに登録してあるイベントの15分前に補聴器で通知を鳴らす」「ドアベルを誰かが押したら予め設定してある読み上げテキストを補聴器で読み上げる」「補聴器のバッテリーが切れそうになったら家族やケアマネージャーなどに知らせる」「朝起きて補聴器のスイッチを入れたら家の照明や空調の設定を“朝モード”に変える」「音声命令でテレビをつけると部屋の照明を暗くし、補聴器にテレビ音声をストリーミングさせる」といったことが可能になるとのことです。
Oticon は世界初の機能を3つ備えていることを強調していますが、その一つが前述IFTTT連携機能です。その他は、両耳にシステムを装着することで周囲の音をバイノーラル処理するTwinLink と称する機能です。もう一つは、1秒間に100回のサイクルで音空間を認識して環境ノイズを除去し、複数人数との会話でも声を聞き取りやすくするVeloxプラットフォーム技術というものです。

hearing_aid_003_R(http://www.oticon.com/solutions/dynamo/ より)

Tactical Communications and Protective System、TCAPS

Tactical Communications and Protective System、TCAPSは日本語では「戦術コミュニケーション・防御システム」と訳されるようですが、そのことからも分かるように軍事用に開発されたものです。戦場で発生する発砲音や着弾音などの爆裂ノイズを軽減する一方で、隠れている敵のわずかな音も拾いあげ、さらにクリアな音で仲間との双方向コミュニケーションを可能にするというものだそうです。

hearing_aid_004_R(http://www.army-technology.com/features/featurehigh-tech-protection-head-to-toe-armour-innovation-4396920/featurehigh-tech-protection-head-to-toe-armour-innovation-4396920-5.html より)

ReSound LiNX

デンマークGN ReSoundが開発したAppleのモバイル端末と、直接接続して使える補聴器です。日本では2014年5月から発売されています。
ReSound LiNXは、iPhoneやiPadとBluetooth Low Energyで接続します。それによってiPhoneなどで再生した音楽や動画、電話などの音声を補聴器で聞いたり、iPhoneアプリの翻訳機能やナビ機能を利用したりすることが可能になります。また、iPhoneやiPadを補聴器のコントローラーとして使ったり、補聴器を紛失した時に補聴器の所在を探したりすることもできます。
2015年に発売されたReSound ENZO2™では「空間認識機能」が搭載されました。音の方向感・距離感を分かりやすくする機能です。これにより、より立体的で自然な聞こえ方を実現しています。

hearing_aid_005_R

(http://www.resound.com/en-US/hearing-aids/resound-linx2#anchor4 より)

シーメンス補聴器(signia)

ドイツのシーメンスの補聴器は、環境適応機能・スマホ連携機能という2つの機能を搭載し、ノイズを減らしたりスマホと連携して集音方向を調整できます。
環境適応機能とは、大勢の人がいるところでは目の前の人の声、周りの状況を知りたいときには周囲の音を拾うということが自動で行ってくれる機能です。
スマートフォンのアプリと連携して、集音方向を前・左右・後ろと指定することができます。

hearing_aid_006_R(https://www.signia.jp/pure-primax/ より)

Beltone First

アメリカのBeltone社の補聴器で2014年に発売されています。専用アプリHearPlusをダウンロードしてiphoneと補聴器を連動させて使用します。これにより、補聴器を利用して電話で話し、高品質のステレオ音声で音楽を聴くことができます。音量と高音/低音を設定できるほか、自宅や仕事場などの音響状況に合わせて聴こえ具合を調整したり、音響状況を記憶させ、同じ音響状況になったら知らせてくれるという機能もあります。補聴器を置き忘れたときなどは、iphoneと最後に接続していた場所を確認することで探すことが可能となります。

hearing_aid_007_R(https://www.beltone.com/apps/hear-plus-app.aspx より)

Soundhawk Scoop

補聴器ではありませんが、聞き取りたい音をピックアップして聞こえやすくしてくれるヘッドセットです。片方の耳に差し込んで使います。携帯端末とBluetoothで連携し、ヘッドセットとして通話などでの使用もできます。
初めて使用するとき、専用のアプリで自分の聞こえ方の得手不得手を調べます。そうすることで今日強に応じたノイズのカットなどをしてくれます。
Soundhawk Scoopには、より音をクリアに来たいときのためにワイヤレスで作動するマイクも付いています。

hearing_aid_008_R(http://www.soundhawk.com/ より)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です