ショットスポッター(ShotSpotter)

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ショットスポッター(ShotSpotter)

ショット(Shot)は発砲、スポッター(Spotter)は認識するという意味があり、日本語では「銃声検知システム」とでも言えばいいのでしょうか。街中に取り付けられたインターネットに接続したマイクロフォンが銃声を検知すると、複数のマイクの音声データを統合させて発砲位置を特定するというシステムです。

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(http://www.citylightcap.com/portfolio/shotspotter より)

この技術の開発そのものは古くから行われてきていたのですが、近年、機械学習とアルゴリズムによってより洗練され、防犯カメラの音声版、音によるセキュリティとして注目されるようになってきました。また、パリで起きたテロのように、いつ、どこで銃声が鳴り響くか分からない混沌した時世が、皮肉にもこの技術を注目させる要因にもなっているようです。

テロに限らず犯罪が起きたとき、警察などがいかに迅速に行動し、適切な対応をとるかが大事になってきます。状況把握の遅れは犠牲者の増大に直結します。通常、犯罪が起きたときは一般市民からの通報によって第一方を知ることになり、そこから現場の状況を把握するという作業を得て警察の行動が始まるのだろうと思います。この状況把握から行動までの過程をできるだけ短く、そして正確に行う手段の一つとしてショットスポッターの意義があるようです。

ニューヨークのShotSpotter

このショットスポッターはすでにアメリカの都市などに導入されています。2015年3月にはニューヨークにも導入され、市内300 ヶ所にマイクを設置して約39平方キロメートルをカバーしています。

2015年11月のニューヨーク市警の発表によると、このショットスポッターが感知した銃声の数の約25%しか警察には通報されなかったそうです。なお、ショットスポッターを導入しているほかの都市でも同じような傾向とのことです。ニューヨーク市警はその理由を、犯罪者による報復への恐怖心や都市部での音の聞こえ方の違いなどがあるためとしています。このシステムによって検挙につながった事件も今のところ取り立てて多いわけではないようですが、ニューヨークではショットスポッターの設置を拡大していくそうです。

このシステムを開発したアメリカのSST社によると、世界の90以上の都市や町に配備されているとのことです。ただ、現在のところ設置費用が高いため、小型化と低価格を進めているようです。その一つとして、ゼネラル・エレクトリック(GE)と提携してGEのスマート街灯にショットスポッターのソフトウエアとマイクを設置するということが考えられているようです。

今、テロや犯罪に対して警戒を高めていくことが求められる中で、ショットスポッターに限らず、テロ・犯罪の未然防止のためのIT技術の活用が今後注目されそうです。

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(http://www.nydailynews.com/new-york/nyc-crime/nypd-shotspotter-technology-detect-brooklyn-shooting-article-1.2170744 より)

マイクロフォンアレー(Microphone Array)

防犯というと防犯カメラが現在主流ですが、「マイクロフォンアレー(Microphone Array)」技術の進歩によって、音情報も視覚情報と同じようにセキュリティに重要な役割を果たせるようになってきているようです。

「マイクロフォンアレー」技術とは、動物が2つの耳で音の到来方向を判断したり、目的の音と不要な音を区別したり、様々な空間情報を取得するようなセンシング機能を実現するための技術をさします。アレー(Array)とは配列という意味です。この技術では、マイクを複数個並べ、録音した音声を信号処理し、正確な音の位置特定や特定の音声の抽出を可能にします。Shot Spotterはこのマイクロフォンアレーの実用例と言えます。

 

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